毎年、新しい出会いに満ち映画の未来を照らしてきた映画祭「東京フィルメックス」。
今年も、世界の映画祭などで評判となった気鋭監督の最新作などが一挙に上映されます。
コンペティションとともにシネフィルにたまらないのは、最先端の話題作が並ぶ特別招待作品。
そして東京フィルメックス独自の企画で行われる特集上映など、一つも見逃せない作品が今年も集結いたします。
今年のオープニング作品は、万田邦敏監督最新作『愛のまなざしを』が選ばれ、クロージング作品には、エリア・スレイマン監督最新作『天国にちがいない』が決定、エリア・スレイマン監督は特集上映も企画されており、過去の長編3作品も一挙に鑑賞できる。
また、特別企画として、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の約7時間に及ぶ大作『繻子の靴』が日本初上映されることも発表され、映画祭ならではの豪華ラインアップが揃った。
また、今年ならではの試みとして、映画祭閉会後の1週間限定でオンラインにて上映を実施する予定も明らかにされた(*オンライン上映の詳細および映画祭に関する追加情報は、後日公式HPにて発表予定)
今、一番面白い映画から超レアものまで・・見逃し厳禁のラインナップ!!
【特別招待作品】
(全13作品 + 特別上映1作品)
今年も映画の最先端を切り拓いてゆく、気鋭の監督たちのとびきりの新作をご紹介します。いずれも強烈な作家性が発揮された、これらのバラエティ豊かな作品からは、映画の多彩さがうかがえるでしょう。
オープニングは万田邦敏最新作、クロージングはエリア・スレイマン!
◎オープニング作品
「愛のまなざしを」
Love Looming
日本/ 2020 / 102分/
監督:万田邦敏( MANDA Kunitoshi )
配給:イオンエンターテイメント 朝日新聞社 和エンタテインメント
患者の話に耳を傾けてくれると評判の精神科医・貴志は6年前に妻を失い、そのショックから立ち直れないでいた。そんな貴志の前に謎めいた患者・綾子が現れ……。万田邦敏が『UNLOVED』『接吻』の仲村トオルを主演に迎えたスリリングなラブストーリー。杉野希妃、斎藤工が共演。
◎クロージング作品
「天国にちがいない」
It Must Be Heaven /
フランス、カタール、ドイツ、カナダ、トルコ、パレスチナ / 2019 /102分/
監督:エリア・スレイマン( Elia SULEIMAN )
配給:アルバトロス・フィルム/クロックワークス
新作映画の企画を売り込むため、故郷ナザレからパリ、ニューヨークへと旅に出る映画監督。そんな中、思いがけず故郷との類似点を見つけてしまう。果たして本当の故郷はどこに…?昨年のカンヌ映画祭でダブル受賞した名匠エリア・スレイマン10年ぶりの傑作。
世界最前線の映画作家たちが集結
ホン・サンス、リティ・パン、ツァイ・ミンリャン、アモス・ギタイ、ジャ・ジャンクー、原一男など、世界の映画祭で賞賛された巨匠たちの最新作が勢揃い!
「クラッシュ」
Crash /
カナダ、アメリカ/ 1996 / 100分/
監督:デヴィッド・クローネンバーグ( David CRONENBERG)
提供:TCエンタテインメント/是空/ザジフィルムズ
配給:アンプラグド
J・G・バラードの同名小説を原作に自動車事故に性的興奮を覚える人々を描き、賛否両論を巻き起こしつつも1996年カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞したデヴィッド・クローネンバーグの代表作。昨年のヴェネチア映画祭でワールドプレミア上映された4K修復版を上映。
「デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング」
Denise Ho: Becoming the Song /
アメリカ / 2020 / 83分/
監督:スー・ウィリアムズ(Sue WILLIAMS)
ジョニー・トーの『奪命金』に主演するなど俳優としても活躍する香港の歌手デニス・ホーを追ったドキュメンタリー。パワフルな数々のコンサート映像に加え、同性愛者であることのカミングアウト、雨傘運動に対する支援など、ホーの様々な側面がとらえられている。
「ハイファの夜」
Laila in Haifa /
イスラエル、フランス / 2020 / 99分/
監督:アモス・ギタイ( Amos GITAI)
イスラエル第三の都市にしてアモス・ギタイの故郷でもあるハイファのナイトクラブに集う人々を描き、ユダヤ人とアラブ人の共生の可能性を探る群像劇。前作『エルサレムの路面電車』に続きエリック・ゴーティエが撮影を担当。ヴェネチア映画祭コンペティション作品。
「照射されたものたち」
Irradiated
フランス、カンボジア / 2020 / 88分/
監督:リティ・パン( Rity PANH)
広島、長崎の原爆投下、ナチスのホロコースト、カンボジアのポル・ポト政権下の虐殺。人類史上の3つの悲劇を大量の資料映像のモンタージュによって描いたリティ・パンの最新作。ベルリン映画祭コンペティションで上映され、最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞。
「日子」
Days
台湾 / 2020 / 127分/
監督:ツァイ・ミンリャン( TSAI Ming Liang)
郊外の瀟洒な住宅に暮らすカンは首の痛みをいやすために街に出てマッサージ師を呼ぶ。やがて一人の移民労働者がカンの宿泊するホテルを訪れる……。対照的な境遇の二人の男の出会いを描いたツァイ・ミンリャンの最新作。ベルリン映画祭でテディ審査員賞を受賞。
「七人楽隊」
Septet: The Story of Hong Kong /
香港/ 2020 / 113分/
監督:
アン・ホイ(Ann HUI)
ジョニー・トー(Johnnie TO)
ツイ・ハーク(TSUI Hark)
サモ・ハン(Sammo HUNG)
ユエン・ウーピン(YUEN Wo Ping)
リンゴ・ラム(Ringo LAM)
パトリック・タム(Patrick TAM)
ジョニー・トーの呼びかけにより、香港映画界を代表する7人の映画監督たちがそれぞれの視点から香港の人々の生活を描いたオムニバス映画。サイモン・ヤム。ラム・シュー、ユン・ワーらが出演。リンゴ・ラムにとっては本作が遺作となった。「カンヌ2020」選出作品。
「海が青くなるまで泳ぐ」
Swimming Out Till The Sea Turns Blue /
中国/ 2020 / 111分 /
監督:ジャ・ジャンクー( JIA Zhang-ke)
文学者たちへのインタビューを通して近代中国のこの70年の変遷を描いたドキュメンタリー。映画「活きる」の原作者として知られるユェ・ホァら世代の異なる4人の作家たちが自己の体験や中国の社会、文化に対するそれぞれの見解を語る。ベルリン映画祭で上映。
「平静」
The Calming /
中国/ 2020 / 89分/
監督:ソン・ファン( SONG Fang)
『記憶が私を見る』で高い評価を受けたソン・ファンの監督第2作。東京から越後湯沢、香港へと旅するアーティストを主人公に、友人や家族との会話の中で自己の“平静”を取り戻してゆく女性を描く。渡辺真紀子が出演。ベルリン映画祭で国際アートシネマ連盟賞を受賞。
「逃げた女」
The Woman Who Ran /
韓国/ 2020 / 77分/
監督:ホン・サンス( HONG Sang-soo)
ベルリン映画祭で監督賞を受賞したホン・サンスの最新作。夫の出張中、郊外に暮らす3人の女性の友人たちを訪ねるヒロインをホン・サンス独特のスタイルで描く。女性たちが醸し出す親密な雰囲気は、常に男性の存在によってかき乱される。猫の絶妙な演技にも注目。
「水俣曼荼羅」
MINAMATA Mandala /
日本/ 2020 / 369分/
監督:原一男( HARA Kazuo)
製作・配給:疾走プロダクション
日本四大公害病の一つとして知られる水俣病。裁判闘争はいまも続き、ついに患者救済の根拠となる新たな水俣病像論が確立された。しかし国はこれを無視、患者切り捨ての方針は全く変わらない。救いようのない現実、その中で生きる患者さん達の揺るぎない闘志、世代の葛藤、祈りと許しと……水俣の”いま”を15年にわたり撮影した一大叙事詩。
「仕事と日(塩尻たよこと塩谷の谷間で)」
The Work and Days (of Tayoko Shiojiri in the Shiotani Basin)/
アメリカ、スウェーデン、日本、香港/ 2020 / 480分/
監督:C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム( C.W. WINTER, Anders EDSTRÖM )
配給:シマフィルム
京都の山間の村に生きる人々の生活を1年に渡って描き、ベルリン映画祭エンカウンターズ部門の最優秀賞を受賞した作品。写真家のエドストロームと批評家出身のウィンターの共同監督。大半の出演者は実際に村に住む人々だが、加瀬亮、本木雅弘が出演している。
【特別上映】上映決定!
マノエル・ド・オリヴェイラ監督の7時間に迫る大作「繻子の靴」を映画祭会期終了後の11月22日(日)より有楽町朝日ホール他で日本初上映!
第21回東京フィルメックスの本会期とは終了後、特別上映いたします!
後援:アンスティチュ・フランセ日本、ポルトガル大使館文化部
「繻子の靴」
The Satin Slipper / Le Soulier de Satin /
ポルトガル、フランス / 1985 / 410分
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ(Manoel de OLIVEIRA)
フランスを代表する詩人・劇作家ポール・クローデルの長大な同名戯曲を映画化した上映時間7時間に迫る大作。16世紀の大航海時代を舞台に騎士と人妻との禁断の恋を描く。映画と演劇という古くて新しいテーマを考えさせる作品。日本初上映。
上映日程
11月22日(日)有楽町朝日ホール、11月26日(木)~28日(土)アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)にて追加上映。
「天国にちがいない」公開記念 エリア・スレイマン特集!
エリア・スレイマン監督の最新作「天国にちがいない」が2021年1月28日より公開されることを記念し、スレイマン監督の過去の長編映画3作を上映!
日本劇場公開に先行して今年の東京フィルメックスのクロージング作品として上映するエリア・スレイマン監督の最新作「天国にちがいない」と共に、スレイマン監督が今までに発表された長編映画3本を一挙に上映します。
◎上映作品
「消えゆくものたちの年代記」
Chronicle of a Disappearance
パレスチナ/ 1996 / 84分/
監督:エリア・スレイマン( Elia SULEIMAN)
ヴェネチア映画祭で最優秀新人監督賞を受賞し、スレイマンの国際的評価のきっかけとなった記念すべき長編デビュー作。普通の人々の何気ない日常生活を点描的に描きつつ、政治や社会を鋭く風刺するその後のスレイマン作品のスタイルが既に確立されている。
「D.I.」
Divine Intervention
フランス、パレスチナ / 2002 / 92分/
監督:エリア・スレイマン( Elia SULEIMAN)
イスラエル領とパレスチナ自治区とに分断されたパレスチナ人カップルを主人公として中東問題を膨大なギャグとユーモアを交えて描き、カンヌ映画祭で審査員賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞したスレイマンの代表作。原題は「神の手」という意味であるという。
「時の彼方へ」
The Time That Remains
パレスチナ、フランス / 2009 / 105分/
監督:エリア・スレイマン( Elia SULEIMAN)
1948年のイスラエル建国時にパレスチナ抵抗勢力のメンバーだった父、そのために夫と離れ離れに暮らさざるを得なかった母、そして故郷のナザレを訪れる現在のスレイマン自身。時を越えてパレスチナ問題を描いたスレイマンの半自伝的作品。カンヌ映画祭で上映。
エリア・スレイマン Elia SULEIMAN プロフィール
1960年7月28日ナザレに生まれたエリア・スレイマンは、1981年から1993年までニューヨークで暮らしていた。この時期に、最初の短編2作品「Introduction to the End of an Argument」と「Homage by Assassination」を監督し、いずれの作品も数々の賞を受賞した。1994年エルサレムに移り、欧州委員会からの依頼でビルツァイト大学に映画メディア学部を設立する。長編デビュー作『消えゆくものたちの年代記』は、1996年のヴェネチア映画祭で最優秀初長編作品賞 を受賞した。2002年『D.I』がカンヌ映画祭で審査員賞、ローマで開催されたヨーロッパ映画賞で最優秀外国語映画賞を受賞。『時の彼方へ』は、2009年のカンヌ映画祭コンペティション部門で上映された。2012年には、オムニバス映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』に参加し「初心者の日記/木曜日」を監督、作品はカンヌ映画祭ある視点部門で上映された。
第21回 東京フィルメックス
TOKYO FILMeX 2020
期間 :2020年10月30日(金) ~11月7日(土)
(全9日間)+11月22日(日)
会場 :
TOHOシネマズ シャンテ 10/30(金)〜11/5(木)
ヒューマントラストシネマ有楽町10/30(金)〜11/5(木) *レイトショー
有楽町朝日ホール 10/30(金)、10/31(土)、11/6(金)、11/7(土)+11/22(日)
アンスティチュ・フランセ東京 11/5(木)、11/6(金)
アテネ・フランセ文化センター 11/6(金)
併催事業:人材育成ワークショップ<Talents Tokyo 2020>
11/2(月)〜11/7(土) オンライン
作品数 :
東京フィルメックス・コンペティション 12作品
特別招待作品 14作品
特集上映 エリア・スレイマン 3作品
全 29作品 ※予定 (9/23現在)
主催:認定NPO法人東京フィルメックス
共催:朝日新聞社、東京国際映画祭(UNIJAPAN)、(特集上映)在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、(特別上映)アテネ・フランセ文化センター
助成:芸術文化振興基金
補助:JKA競輪公益資金
特別協賛:シマフィルム、コネクションズ
協賛:国連広報センター、still by hand、KODAK、関東製畳
特別協力:ゲーテ・インスティトゥート東京、NPOサポートセンター
後援:千代田区(申請中)
協力:アテネ・フランセ文化センター、インターソース、TOHOシネマズ、東京テアトル、東京学生映画祭
【共催企画Talents Tokyo 2020】
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、タレンツ・トーキョー実行委員会(東京フィルメックス)
助成:国際交流基金アジアセンター、
提携:ベルリナーレ・タレンツ(ベルリン国際映画祭)
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京
詳細は下記より