金子由里奈監督のはじめての長編作品にして、ムージックラボ2019においてグランプリを受賞した『眠る虫』が、ついに 9/5(土)よりポレポレ東中野で公開で公開となります。

画像: ムージックラボ2019グランプリ!A マッソ加納、森山直太朗、いしいしんじら多くの著名人が絶賛!破竹の勢いで独創的な作品を世に送り出す金子由里奈監督、初長編作『眠る虫』

作品を発表するごとにセンセーションを巻き起こしている
日本映画界の新星、金子由里奈

2018年、山戸結希監督プロデュース企画『21世紀の女の子』にてわずか一席だけ設けられた公募枠に200人の中から選出され、伊藤沙莉主演『projection』を監督。翌年には自主映画『散歩する植物』がPFFアワード2019に入選。破竹の勢いで独創的な作品を世に送り出す金子は、今作『眠る虫』にて見事ムージックラボ2019グランプリに輝いた。単独での劇場デビューとなる本興行では自主配給を務める。劇伴を担当するのはTokiyo。映画全体の夢心地で 不穏なムードは、Tokiyoの手によりさらなる醸成を得た。And Summer Clubのギタリストとしても活躍中の彼女は、これまでmei ehara、菅原慎一BAND(シャムキャッツ)、豊田道倫など、 幅広く様々なアーティストと共演している。

調和と不調和を紡ぐ俳優たち

儚くも圧倒的な存在感を放つ主役・佳那子を演じるのは松浦りょう。映画『渇き。』(2014) で女優デビューを果たした松浦が堂々の初主演を飾るのが今作『眠る虫』である。脇を固める 俳優陣にも注目だ。数多くの名匠作品に参加してきた五頭岳夫が、佳那子の対話相手である老人・近藤茂雄を快演。『僕はイエス様が嫌い』(2019)でのまっすぐな瞳が記憶に新しい佐藤結良が不思議な少年・けいを演じる。ほか、実力派女優・水木薫、「テラスハウスTOKYO 2019-2020」での佇まいが評判を呼んだ松㟢翔平、モデル・高橋佳子、さらには異能の映画監督・渡辺紘文の登場と、既存の枠に捉われない伸びやかなキャスティングが実現。各分野から参集した演じ手たちが、金子の詩的映画世界を生き生きと伝える。

画像1: 調和と不調和を紡ぐ俳優たち
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劇場は、なにやら異様な雰囲気に 音と画の立体的な邂逅にこだわり、音響は5.1chサラウンド、画面サイズはスタンダードを採用。
全方位を心地よい音像に包まれたまどろみの中、劇場は新しいゆりかごに変わる。観客は同時にありありと覚醒している自分を発見することだろう。『眠る虫』は思い出されなくなった記憶たちを刺激し、甘美な喜びをまとって生活に残響し続ける。すべての痕跡は愛おしく、物語のいとなみはいつまでも続く。

監督:金子由里奈

監督:金子由里奈
1995年 東京生まれ。立命館大学映像学部卒。立命館大学映画部に所属し、これまで多くのMVや映画を制作。チェンマイのヤンキーというユニットで音楽活動も行なっている。監督作『食べる虫』(2016)が第40回ぴあフィルムフェスティバル一次通過作品となる。山戸結希監督プロデュース『21世紀の女の子』(2018)公募枠に選出され、伊藤沙莉主演の短編作品『projection』を監督する。同年、自主映画 『散歩する植物』(2019)が,第41回ぴあフィルムフェスティバルのアワード作品に入選し、香港フレッシュ・ウェーブ短編映画祭でも上映される。長編最新作『眠る虫』はムージックラボ2019にて見事グランプリに輝いた。単独での劇場デビューとなる本興行では自主配給を務める。先日公開された森山直太朗のMV『ありがとうはこっちの言葉』の監督も務め、大きな話題となっている。

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『眠る虫』公開にあたり、
才気あふれる著名人たちから絶賛コメントが続々到着!

いしいしんじ(小説家)
バスをおり、物語を追いかけて歩いているつもりがいつのまにか物語のただなかへ。いくつもの時間が環のようにまわり、ぶつかり、こすれ、つながって響きあう。僕たちの現実は、生と死の溶け合わさった水に、ずっとひたっているようなものかもしれない。水のなかだから音が、思いもよらないくらい遠くから、きこえないはずの距離をこえて届くのかもしれない。

Aマッソ加納
バスの揺れの中に、夜の光に、声に。私の平穏な夏の日は、いつでも誰かの過去と交差している。見えたり見えなかったりするものの表面を自分なりにすくい取りながら過ごしていても、 こうした作品が、ふと、手のひらの外の時間を思い出させてくれます。
いつかおばあちゃんが「アランドロンが歩いてる映画、なんやったかな」と言っていました。 ヒントやばくない?と思いました。私も歳をとって、「バスのシーンがイケてる映画なんやったかな」と、孫にこの映画のタイトルを聞くかも知れません。映画はいいですね、人生への割り込み方が軽やかで。
心地良い色彩に包まれて、短いこの季節とやわらかな幽霊を、一緒に楽しみましょう。

金子修介(映画監督)
決して退屈ではない日常から、
冒険的な世界への境界線はどこなのか、
見る人の耳、そして、 光を感じてサスペンスと共に
引き込まれて欲しい。
アリスのウサギは誰なんだろう?
なんてことを思いながら見ていると、もってかれるが、
いろいろな可能性を発見出来る、
祝祭的な作品として喋り倒せたら、楽しい旅になる。

北田瑞絵(写真家)
穏やかな調子で核心を突き刺している。それが眠る虫と金子監督についての印象だ。
劇中いくつも好きな場面があるが、その中でも印象に残っているのが
松浦りょうさん演じる主人公とコンビニ店員とのやり取りである。
その場面から金子監督が社会に向けている眼差しの強度を感じ取れたが、その強さゆえに生じる怒り、生傷は絶えないのではないだろうかとも思った。

だが金子監督は自身の眼差しを放棄しない。
時には他人をも巻き込み、しかし最も翻弄されているのも監督自身ではないか。
それでも放棄せず、逃げない。
そんな金子監督を、私は尊敬し、信頼する。

そして俳優の松浦りょうさんの存在感が素晴らしかった!
松浦りょうさんを眺めていると田んぼの稲のそばを風が通って揺れている情景が浮かぶ。
浮遊感がありながらも土臭さがあって、 だけどシティ感があって、
きっと松浦りょうさんの中にいくつものカルチャーがあるのだろう。
眠る虫の中で、幽霊も生者も有機物も無機物も極めて等しく生き生きと音を放っているように。

乗代雄介(小説家)
目を凝らし、耳を澄ます。それだけでは見えも聞こえもしないものがある。
 例えばカセットデッキが準備される横で、水槽の亀が水に飛びこむ。砂利を掻く音が耳の底に残り、なぜかその亀がまだ石の上にいた数秒前、引っ込めていた頭を出してこちらへ反射させた微かな光を思い出す。そこにはなかった音を頭がさがす。
 そういう時は――目を澄まし、耳を凝らす――そんな風にしか言いようがない仕方で世界にさぐりを入れるほかはない。
 その仕方が板についた珍しい人が映画を作ると、こんな映画になるのだろう。

ふくだももこ(映画監督・小説家)
私が今までの人生で目にしてきた景色や風や温度は、映画にならないと思っていた。
それらが完璧にスクリーンに映し出されていたことが、うれしくてたまらなかった。
この映画をつくってくれてありがとう。
いつか「眠る虫」を観ながら、目を瞑って死にたい。

細馬宏通(早稲田大学文学学術院教授・人間行動学)
鼻歌は漏れる。幽霊の鼻歌がきこえるとき、幽霊はきこえがよしに歌っているのではない。幽 霊の機嫌が漏れているのだ。この映画、バスのシーンがいい。乗り合いバスで、鼻歌をキャッ チするにはどうすればよいか。特等席はない。たまたま座った席で、漏れ来る歌を捕まえた い。歌の捕虫網は夢。降車ボタンを押すのも忘れて乗り続ける。バスは揺れ、夢見にふさわし い。

森山直太朗
心の中には言葉では
到底追いつけない景色や静寂があって、
彼女の作品はそれを空間や響き、
五感を通して教えてくれる。
どこか生々しく、それでいてファンタジックに。
そしてそれは行間となって
見聞きするものに優しく問い掛けてくる。
生きてくってなあに、と。
つくづくすごい女の子が現れたものだ。
彼女みたいな人が創り続ける限り
この先の映画の未来も絶対、大丈夫。

山戸結希(映画監督)
0.
未来を呼び覚ます映画作家〈金子由里奈〉が、数え切れぬほどこの世界に誕生する。複製芸 術を逆探知する、固有の瞳をたずさえて。
1.
ひいてはLOVElyな森羅万象にまつわる記憶装置、FILMとVIDEOの時代錯誤にこそ屹立する 緊張感、持ちつ持たれつ六十二分のかなしき喜劇。

ゆっきゅん(アイドル)
『眠る虫』を観てから映画館を出ると、それまで聴こえていなかった声が聴こえてくるだろう。人の声だけを指すのではない。コンビニの表情も、植物のスタンスも、風の出自も。何も かも声のように自分に届いてしまう、そんな感覚になる。何を気にしてるかって、全部を気に してる。これは自分の見ている世界、だったらちょっと悲しい、これが自分の居る世界なのだと信じてみたいよね。
 金子監督の作る物は今後全部観ます。

映画『眠る虫』予告編

画像: 映画『眠る虫』予告編 youtu.be

映画『眠る虫』予告編

youtu.be

【STORY】
<幽霊って、どこから声を出しているんだろう>バンド練習に向かうバスの中、芹佳那子が遭遇したのは、とあるメロディ。歌を口ずさむ老婆が抱える木箱に興味を惹かれた佳那子は、練習をすっぽかして彼女のストーキングを開始。乗客が少なくなっていくバス。夜に包まれた終着駅。名前のわからない街で佳那子がたどり着いた先は――。
これは、“死者”と”声”を巡る、小さくも壮大な旅の記録

出演:松浦りょう 五頭岳夫 水木薫 佐藤結良 松㟢翔平 髙橋佳子 渡辺紘文

監督・脚本・編集:金子由里奈
音楽:Tokiyo(And Summer Club)主題歌「なめたらしょっぱいのか」
助監督:古田智大 撮影:平見優子 照明:日比野博記
録音/整音:五十嵐猛吏 特技監督:青井泰輔 美術:中村哲太郎
ヘアメイク:石松英恵 衣装:川崎祐美 スチール:北田 瑞絵
ビジュアルデザイン:原野萌
企画:直井卓俊
プロデューサー:藤田直哉
製作・配給:yurinakaneko
2019|カラー|5.1ch|スタンダードサイズ|62 分

ポレポレ東中野で 9/5(土)より公開

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