金馬奨最優秀ドキュメンタリー映画賞2018
台北映画祭最優秀ドキュメンタリー映画賞2018

2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。陳為廷(チン・ウェイティン)、中国人留学生で台湾の社会運動に参加する蔡博芸(ツァイ・ボーイー)。

彼らが最前線に突き進むのを見ながら「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。

それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく—。

画像: それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく—。

この度、台湾アカデミー賞こと金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したドキュメンタリー映画『私たちの青春、台湾』が 2020年10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開する運びとなった。

アジア初の同姓婚法制化、蔡英文総統の歴史的再選、女性議員がアジアトップ水準の4割を占め、世界も注目した新型コロナ対策などで関心を集める台湾。金馬奨授賞式で傅楡(フー・ユー)監督が涙を流しながら、「いつか台湾が“真の独立した存在”として認められることが、台湾人として最大の願いだ」とスピーチをしたことは大きなニュースとなった。

ひまわり運動は、23日間の及ぶ立法院占拠、統率の取れた組織力、全世界に向けたメディア戦略、まれにみる“成功”をおさめたといわれている。しかし立法院内では、一部の指導者たちによる決議に対する不満など、理想の“民主主義”の困難さに直面し、多くの課題を残していた。雨傘運動前の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)、周庭(アグネス・チョウ)との交流など、カメラは台湾、香港、中国の直面する問題、海を越えた相互理解の困難さ、民主主義の持つ一種の残酷さを映し出していく。

台湾という息吹の中で、ともに未来を描き、迷い、空っぽになり、ともに理想求めもがく、“私たち”の青春の物語は、何を問いかけてくるのか——。

画像1: ©︎7th Day Film All rights reserved

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台湾出身の直木賞受賞作家の東山彰良(ひがしやま・あきら)さんからの映画応援コメント

東山彰良 (作家)
突き進む者と、それを記録する者。その裏側にある個人的な憂鬱と後悔。
それでもなにかを正したいと願う若者たちの想いは、こんなにも純真でまぶしい。

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STORY

2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。
台湾学生運動の中心人物・陳為廷、台湾の社会運動に参加する人気ブロガーの中国人留学生・蔡博芸。やがて為廷は林飛帆と共に立法院に突入し、ひまわり運動のリーダーになった。“民主”が台湾でどのように行われているのか伝えたいと博芸が書いたブログは、書籍化され大陸でも刊行される人気ぶりだ。
彼らが最前線に突き進むのを見ながら、「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。
しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。
ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は、国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ずに敗北する。
それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく——

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傅楡監督の人生と台湾の民主化の歩みを書いた、「わたしの青春、台湾」(五月書房新社)邦訳版が、映画公開にあわせ10月23日に発売が決定した。 

書籍発売情報

画像: 台湾、香港、中国の社会運動を通して見つけた “私たち”の青春と挫折、未来への記録映画『私たちの青春、台湾』公開決定&書籍発売決定&メインビジュアル解禁!傅楡監督の人生から、民主化への歩みを書く

傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。しかし台湾語を話せない傅楡は、小学校のクラスメイト達からいじめにあった。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行していた。そしてアイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた――。

戒厳令は解除され、台湾は民主化へと歩みはじめたが、その道程は困難の連続であった。

本書では民主化への歩みと共に、葛藤、挫折を繰り返しながら成長した、傅楡の人生を振り返る。彼女は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と、読者へ語りかける。

画像: 書籍発売情報

書籍情報 ※書籍情報及び書影は変わる可能性があります
書籍名:わたしの青春、台湾
発売日:10月23日
翻訳監修:関根謙(慶應義塾大学名誉教授)、吉川龍生(慶應義塾大学教授)
本体価格:1,800円+税 ISBN:978-4-909542-30-4 
発行:五月書房新社

ひまわり運動とは

2014年3月17日、国民党がサービス貿易協定をわずか30秒で強行採決した。翌18日、これに反対した学生たちが立法院(国会)に突入し、23日間にわたって占拠した。占拠直後から多くの台湾世論の支持を集め、与党側は審議のやり直しと、中台交渉を外部から監督する条例を制定する要求を受け入れた。議場に飾られたひまわりの花がシンボルとなり、この一連の抗議活動を「ひまわり運動」と呼ぶ。

ひまわり運動は一定の成果を残し、同年11月の統一地方選挙での国民党大敗を導き、台湾政治の地殻変動を引き起こした。翌年にはひまわり運動を起こした若者らが中心となり、政党・時代力量が設立された。ひまわり運動は、近年の台湾アイデンティティの興隆を象徴する出来事となったのである。

画像7: ©︎7th Day Film All rights reserved

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監督:傅楡(フー・ユー)
出演:陳為廷(チェン・ウェイティン)、蔡博芸(ツァイ・ボーイー)
製作・出品:七日印象電影有限公司 7th Day Film
プロデューサー:洪廷儀(ホン・ティンイー)
主題歌:《我們深愛的青春 Our Beloved Youth》詞 /曲 / 演唱 : 楊彝安(ヤン・イーアン)
原題:我們的青春,在台灣-Our Youth In Taiwan
後援:台北経済文化代表処台湾文化センター
日本語字幕:吉川龍生
台湾語協力:劉怡臻
提供・配給・宣伝:太秦
©︎7th Day Film All rights reserved

映倫:G48630
2017|台湾|カラー|DCP|5.1ch|116分

2020年10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開

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