北米で最大の日本映画祭「ジャパン・カッツ」ネクストジェネレーション部門にて、故・大林宣彦監督の日本映画界での偉業を称えて名を冠した大林賞を受賞したアンシュル・チョウハン監督作『コントラ』、2021年春公開が決定しました!!
第一弾ポスタービジュアルも解禁!受賞コメントも到着!
昨年『東京不穏詩』で長編デビューを果たし、日本を拠点に映画製作を続ける、インド出身の映画監督:アンシュル・チョウハンの長編第2作『コントラ』の劇場公開が2021年春、新宿ケイズシネマにて決定した。
地方に住む女子高生ソラ(円井わん)は、同居していた祖父が亡くなった日、祖父が遺した第二次大戦中の戦中日記を見つける。時を同じくして、ソラの住む町に、後ろ向きにしか歩けないホームレスの男(間瀬英正)が現れる。ソラの父(山田太一)が男を車で轢いたことをきっかけに、ふたりの不思議な交流が始まり・・。戦争の記憶と地方の鬱屈、経済格差や父と娘の相克。
日本の現代社会の問題をモノクロ映像で捉えた、これまでにない幻想的なファンタジー映画が誕生した。
先月行われた、北米で最大の日本映画祭・第14回ジャパン・カッツにおいて惜しくも本年4月に亡くなった大林宣彦監督(『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』)の名前を冠し、ネクストジェネレーション部門から将来最も期待される作品を与えられる「大林賞」を授与された。
また動画インタビューでも「自分が作りたいと思ったもの自由に作っている監督には、とても感化されています。大林監督はそのうちの1人で、彼の映画の全ては彼自身の自由を象徴していると思います。」と語っている。公開決定あたり、アンシュル・チョウハン監督のインタビュー動画とコメントが到着。
アンシュル・チョウハン監督-受賞コメント動画&『コントラ』ショート予告
アンシュル監督は「大林監督が、実験的な映画作りや第二次世界大戦に関わる内容を映画で多く触れていてこともあり、私自身、この初代大林賞をいただくということを本当に光栄に思い、同時に今後の活力にも繋がっています。」とコメント。
アンシュル・チョウハン監督 大林賞受賞コメント
「JAPAN CUTSのNext Generation部門に『コントラ』がノミネートされたというニュースを聞いただけさえ、嬉しい気持ちであふれていたのですが、大林賞を受賞したと分かった時は、言葉に出来ないほどの喜びがありました。コントラチームの全員もこの朗報にとても喜んでいました。『コントラ』は私にとって個人的な感情を強く含んでいる作品で、この映画は当時の自分の感情を満たすために作ったものでした。なので、制作中は、まさかここまでの評価や映画祭で結果を出せるとは思ってもいませんでした。それが、こうして沢山の方に訴えかけられる映画になったこと、そして「この映画を作ってくれてありがとう」というメッセージを沢山いただけたことは、映画制作者にとってこれ以上ない喜びです。大林監督が、実験的な映画作りや第二次世界大戦に関わる内容を映画で多く触れていてこともあり、私自身、この初代大林賞をいただくということを本当に光栄に思い、同時に今後の活力にも繋がっています。コントラチームを代表して、JAPAN CUTS、JAPAN Society NY、そして審査員である安藤桃子氏、高松美由紀氏、そしてJulian Ross氏には感謝の気持ちでいっぱいです。」
また、大林賞の審査にあたった、安藤桃子監督らは共同コメントを発表し「受賞作品は、過去の重さと、それに一人ではなく、一緒に取り組む人たちの責任を探求しています。(中略)猛スピードで変化し、進化する。奇しくも最も大和魂を感じる一本、そしてこれからの未来に最も期待を覚えさせたのは後ろ向きに走る男を主人公にした映画だった。」と絶賛。来年の公開が待ち遠しい。
★大林賞 審査員 共同コメント
(安藤桃子監督、ジュリアン・ロス氏、高松美由紀氏)
「映画業界が危機的な変化に直面している今、ネクストジェネレーション・コンペティション部門は我々、審査員に日本映画界の未来を見据えるという意欲をかき立てました。受賞作品は、過去の重さと、それに一人ではなく、一緒に取り組む人たちの責任を探求しています。過去に根ざした作品でありながら、登場人物の少女が成長する過程の多感な状況をきめ細かく描かれていることと、少女がいかにして道導となったかに心を打たれました。この作品の監督は、映画という枠の中で彼独自の世界を創り上げるべく、日本を見ることができる双眼鏡を持ち続けることができる監督だと信じています。猛スピードで変化し、進化する。奇しくも最も大和魂を感じる一本、そしてこれからの未来に最も期待を覚えさせたのは後ろ向きに走る男を主人公にした映画だった。2020年日本映画祭ジャパン・カッツの第1回大林賞はアンシュル・チョウハン監督の『コントラ』に贈ります。」
円井わん、間瀬英正、山田太一、セイラ、清水拓蔵
監督・脚本・プロデューサー:アンシュル・チョウハン
脚本編集:ランド・コルター|撮影監督:マックス・ゴロミドフ|音響:ロブ・メイズ|音楽: 香田悠真
撮影助手 :ピーター・モエン・ジェンセン|コ・プロデューサー :茂木美那|アソシエイトプロデューサー :山田太一
製作会社:Kowatanda Films
配給 Cinemago
2019 |日本|カラー|シネマスコープ|145min