9月18日~26日にスペイン・バスク地方で開催される第68回サンセバスチャン映画祭の新人監督部門に藤元明緒の新作『海辺の彼女たち』(英題:Along the Sea)が選出されました。(スペイン現地時間8月4日発表)
サンセバスチャン映画祭は、1953年開幕から今年で68回目を迎えるカン ヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要とされる映画祭。今回の映画祭で は、メインコンペティション部門にて、日本からは河瀨直美監督『朝が来る』と佐藤快磨監督『泣く子はいねぇが』の出品が発表されています。
この度、映画祭よりラインナップが公式発表され、日本・ベトナム国際共同製作映画『海辺の彼女たち』が、新人監督部門に選出されたことが開示されました。
藤元明緒監督の2作目となる本作では、より良い生活を求めて来日したベ トナム人女性労働者たちの苦悩と葛藤が描かれています。初監督作は、2018年に劇場公開された日本・ミャンマー合作映画『僕の帰る場所』(2017)。日本とミャンマー両国で引き裂かれる在日ミャンマー人家族の実話を描き 、2017年 第30回東京国際映画祭「アジアの未来」 部門にてグランプリを獲得 。
その後 、国内外の評価を受け、5つの国際的な賞を受賞、33の映画祭にて上映されました。
本作では、藤元監督と前作の制作チームが再び結集。前作に引き続き、日本に住む移民に焦点を当て、当事者やその関係者たちに入念な取材を行い、監督はオリジナルの脚本を執筆しました。2020年2月、青森県・外ヶ浜町にて1ヶ月間の撮影が行われました。2021年に公開を予定しています。
サンセバスチャン映画祭新人監督部門(New Directors Section)は1985年(第33回)に創設され、2作目までの監督が賞を競いあうコンペティション部門。同部門の過去出品作である高橋陽一郎監督『水の中の八月』(1998)、濱口竜介監督 『PASSION』(2008)、砂田麻美監督『エンディングノート』(2011)、奥山大史監督『僕はイエス様が嫌い』(2018)、土井康一監督『よあけの焚き火』(2019)に次いで、6人目の日本人監督のノミネートとなります。
藤元明緒監督コメント:
4年前、地方に住むとある外国人技能実習生の女性からインターネットを通じてSOSを受けました。彼女は早朝から深夜まで休みもなく働く過酷な生活を送っていたそうです。私は力になりたいと幾度か連絡を取り合いましたが、「東京に行く」という言葉を最後に、突然連絡が途絶えてしまいました。その後どう過ごしているのか。不法滞在者となり危険な目にあってはいないだろうか。それからずっと頭から離れず、彼女の姿を追うように、故郷から遠く離れた場所でいつ捕まるかも分からない生活を送る女性達を取材し、この物語を書き始めました。今回、世界中の人々が集う映画祭という場で、”彼女たち”の声が届くことを願っています。
ストーリー:
技能実習生として来日した三人の若いベトナム人女性。 不当な扱いを受けた職場から逃れ違法な存在となった彼女たちは、 ブローカーを頼りに新たな職を求めて雪降る港町に辿り着く...。
脚本•監督•編集:藤元明緒
出演:ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー 他
撮影監督:岸建太朗 / 音響: 弥栄裕樹 / 録音:keefar / フォーカス: 小菅雄貴 /
助監督・制作: 島田雄史 / 演出補: 香月綾 / DIT: 田中健太 / カラリスト:星子駿光 /
アソシエイトプロデューサー: キタガワユウキ / 共同プロデューサー: ジョシュ・レビィ、ヌエン・ル・ハン /
プロデューサー:渡邉一孝
協賛:坂和総合法律事務所、株式会社ビヨンドスタンダード、長崎大学多文化社会学部
協力: 外ヶ浜町、平舘観光協会、日越ともいき支援会、日本ミャンマーメディア文化協会
後援:国際機関日本アセアンセンター / 共同制作会社:ever rolling films
企画•製作•配給:株式会社E.x.N
(日本=ベトナム/88分/カラー/5.1ch/1:1.85/ベトナム語・日本語/ドラマ/DCP)
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