奇想天外なサバイバル・アドベンチャー『スイス・アーミー・マン』で長編デビューを飾り、世界中の映画祭で絶賛を浴びたダニエル・シャイナート監督最新作『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』が、8月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国公開となります。
『ムーンライト』や『ミッドサマー』など映画ファン最注目のスタジオとなった「A24」と再びタッグを組み挑むのは、アメリカの片田舎を舞台とした“とある事件”の顛末を描いたミステリー仕立てのダーク・コメディ。
実際に起きた事件から着想し、ひた隠しにしてきた秘密が白日のもとに曝け出された時に起こるドタバタぶりと悲哀が絶妙なバランスで描かれる。
隠され続けた”衝撃の真相”が曝け出された時、「冗談でしょ!」と叫びたくなること間違いなし!
誰もが知り合いの小さな田舎町で、徐々に明らかになる驚きの“ディックの死の真相”とは…?
ダークな笑いのインスパイア元には根強いファンに愛される傑作の影響があった。
ダニエル・シャイナート監督が明かしたインスパイアの源は、コーエン兄弟がミネソタ州を舞台に、ブラックユーモアたっぷりに田舎町の事件を描いた名作クライムサスペンス映画の『ファーゴ』、家族を守るために秘密裏に違法ドラッグ作りに手を染める高校教師を描き、2010年代最高のTVドラマと評される「ブレイキング・バッド」、クエンティン・タランティーノ監督の初期の傑作『レザボア・ドッグス』と『パルプ・フィクション』、そして世界的大ヒットコメディ映画の『ハングオーバー!シリーズ』だ。
カンヌ国際映画祭 監督賞受賞、アカデミー賞作品賞にもノミネートされた『ファーゴ』は、コーエン兄弟の出身地のミネソタ州ミネアポリスが舞台。主人公が狂言誘拐を起こそうと画策するも、歯車の掛け違いから事態が思いもよらない大騒動に発展していく様を、ユーモアたっぷりに描いているが、シャイナート監督は、「敬愛するコーエン兄弟が出身地を舞台にして『ファーゴ』を撮っていたから、僕も故郷のアラバマ州を舞台にすることに決めたんだ。脚本家のビリーと『ファーゴ』の事は沢山話したけど、狭い町の小さなコミュニティの混乱をシニカルさたっぷりに描いているところや大真面目な登場人物の思いとは逆に話が転がっていく事、気の抜けたキャラクター達の造形など、インスパイアを受けた点は沢山あるよ。南部版ファーゴと呼んでもらってもいいけど、あの作品でさえ起らなかった事を描いているから驚くと思うよ!」と、多大な影響があった語りつつ、本作への自信ものぞかせる。
「ブレイキング・バッド」は、批評サイト「Metacritic(メタクリティック)」でTVドラマ史上最高の100点満点中99点という高評価を獲得し、ギネス世界記録にも認定された海外ドラマの金字塔。末期の肺ガンと宣告された冴えない高校の化学教師が、危険なドラッグ製造・販売に手を染める様が描かれる。監督は、「ウォルター(※ブレイキング・バッドの主人公)は、大切な家族を守りたいが故に家族に言えない悪事を働いてしまうけど、守るどころか家族まで巻き込んでしまう。 “人に言えない秘密が周りにどんなの影響を与えるか”というテーマは同じなんだ。ジークもウォルターと同じように、家族の為にディックの死をひた隠しにする。だけど、やっぱり周囲を巻き込んで、事は悪い方向に進んでいくんだ。まぁ、ディックの死を隠したい理由は、家族を守る為だけじゃないけどね。」
と、同じテーマを扱っている事を明かした。
クエンティン・タランティーノのデビュー作品『レザボア・ドッグス』、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール、アカデミー賞脚本賞を獲得した『パルプ・フィクション』。映画史に残る2つの傑作2作ついて、「タランティーノからの影響は、深刻なシーンにもユーモアを盛り込むという手法だよ。人は切羽詰まった状況に置かれると、その状況を映画に例えたりするだろ?リアリティを持たせる為に、彼の作品の要素を入れようと思ったんだ。OP後に血にまみれた後部座席のシーンを映すのは『レザボア・ドッグス』と同じ構成、その血だらけの車内を清掃する時に『パルプ・フィクション』の掃除屋の話をするのは、具体的なオマージュだ。」と、両作へのオマージュを明かした。
続いて世界的大ヒットコメディ映画『ハングオーバー!』シリーズ。登場人物達の判断ミスやコミュニケーションミスが思わぬ事態を引き起こしていく物語だが、監督は「この作品は、大好きな『ハングオーバー!』への僕なりのアンサーでもあるんだ。共通点はいつまでたっても精神的には子供のままの大人達が、羽目を外してやらかしてしまう。結託して秘密を守る。秘密を抱えた代償や心理的影響、それが大事に発展していく様、この作品ではよりリアルにドラマティックに描いたつもりだよ!」と明かした。
『ファーゴ』、「ブレイキング・バッド」シリーズ、『レザボア・ドッグス』、『パルプ・フィクション』、『ハングオーバー!』シリーズで共通するのは、人には言えない秘密をひた隠しにすることによって事態が想像を超えて大きくなる様や、深刻になればなるほどあからさまになる人間の滑稽さ。本作もディックの死を隠し続けたために、事態がどんどん大きくなる。そして、ひた隠しにする理由は一体なんなのか!?その事実が明らかになった時・・・・知らない方が良いこともあるー。
“知らない方がいい”秘密を描く不思議&問題&衝撃作!
『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』予告
ヤバい、大変なことになった!ディックが死んでしまった。
舞台はアメリカ南部の片田舎。この事件の真相、深堀り厳禁―。
■STORY
ジーク、アール、ディックの3人は売れないバンド仲間。ある晩、練習と称しガレージに集まりバカ騒ぎをしていたが、あることが原因でディックが突然死んでしまう。やがて殺人事件として警察の捜査が進む中、唯一真相を知っているジークとアールは彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。誰もが知り合いの小さな田舎町で、徐々に明らかになる驚きの“ディックの死の真相”とは…?
監督:ダニエル・シャイナート(『スイス・アーミー・マン』)
脚本:ビリー・チュー
出演者:マイケル・アボット・ジュニア ヴァージニア・ニューコム アンドレ・ハイランド サラ・ベイカー ジェス・ワイクスラー ロイ・ウッド・ジュニア スニータ・マニ
原題:The Death of Dick Long│2019年│アメリカ映画│ビスタサイズ│上映時間:100分
映倫区分:PG12│字幕翻訳:佐藤恵子│
提供:ファントム・フィルム/TCエンタテインメント
配給:ファントム・フィルム
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公式twitter:@dicklong_jp