ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞したフランソワ・オゾン監督最新作『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』の公開記念として、公開直前の1週間のあいだシネ・リーブル池袋にて旧作を一挙上映する「鬼才フランソワ・オゾンの世界」を開催することが決定。
ジャンル、テーマ、作風が作品毎に変幻し、挑発的なサスペンスから生々しいエロティシズムまで、ジェンダーの垣根を越えた強烈な映像美とストーリーテラーで観客を幻惑してきたフランソワ・オゾン監督。世界の映画祭常連の作家性の高さと、娯楽を忘れないサービス精神に熱烈なファンが多く、日本でも新作は必ず公開される数少ないフランス人監督の近年の代表作を一挙上映する。
実際にあった“神父による児童への性的虐待事件”という重苦しくも危ういテーマで、初めて実話に挑戦した新作『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(7/17公開)ではどんなオゾンを魅せてくれるのか。ぜひ「鬼才フランソワ・オゾンの世界」に浸り、心待ちにしてほしい。
『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』公開記念
鬼才フランソワ・オゾンの世界
〇会場:シネ・リーブル池袋
〇料金:1100円均一
〇スケジュール
7/10(金)『2重螺旋の恋人』
7/11(土)『しあわせの雨傘』
7/12(日)『彼は秘密の女ともだち』
7/13(月)『17歳』
7/14(火)『危険なプロット』
7/15(水)『婚約者の友人』
7/16(木)『しあわせの雨傘』
※上映時間は未定。決まり次第シネ・リーブル池袋HPに掲載されます。
作品一口紹介
『しあわせの雨傘』(10)
カトリーヌ・ドヌーヴに赤いジャージを着せた可憐で心浮き立つサクセス・ストーリー!
『危険なプロット』(12)
高校生男子と男性教師との危険な個人授業は、いつしか息詰まる心理戦となっていく。
『17 歳』(13)
名門校に通いながら売春に手を染める17歳の少女の大きく変化していくセクシュアリティ。
『彼は秘密の女ともだち』(14)
亡き親友の夫が“特別な女友だち”になっていく。自分らしく生きるとは?
『婚約者の友人』(16)
戦争で亡くした婚約者の“友人”の正体は? カラー×モノクロの映像美ミステリー。
『2重螺旋の恋人』(17)
中身は正反対の双子の兄弟を巡る、エロティック・心理サスペンス。
『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』作品紹介
フランスを震撼させた、神父による児童への性的虐待事件。 深いトラウマを抱え生きてきた男たちの、告発のゆくえは──?
鬼才フランソワ・オゾンが挑む、衝撃の実話。
フランスでは今現在も裁判が進行中の「プレナ神父事件」
一人の勇気ある告発者から端を発した児童への性的虐待事件は、結果的に80人以上もの被害者が名乗りをあげ。プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴力を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。フランスのみならずヨーロッパを震撼させたこの衝撃の事件に、今やフランス映画界のトップにして最先端に立つフランソワ・オゾン監督が挑む。
出演は、若き天才グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』で圧倒的な存在感と美しさを発揮したメルヴィル・プポー、『ブラッディ・ミルク』でセザール賞を受賞したスワン・アルロー、ヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞した『ジュリアン』の父親役が記憶に新しい実力派のドゥニ・メノーシェ。本作で3人揃ってセザール賞にノミネートされ、心をうがつ傷を繊細かつリアルな演技で表現したアルローが見事助演男優賞を獲得した。
オゾンはこれまでのスタイリッシュな映像と、挑発的かつ幻惑的な作風を封印、子供時代の健やかであるべき日々を奪われた被害者たちの魂の慟哭に寄り添いながら、彼らが人間としての尊厳を取り戻す戦いを、緻密かつ緊張感の漂う演出で描き上げた。ベルリン国際映画祭では銀熊賞(審査員グランプリ)の栄誉に輝き、本国フランスで公開されるや、心を震わせるヒューマンドラマとして絶賛され、91万人を動員する大ヒットを記録した。
なぜ、オゾンは本作をフィクションで撮ったのか? 証言や事実を忠実に再現しながらも、それを見つめるのは唯一無二の〈オゾン・アイ〉だ。私たちは最後に映し出された男たちの瞳の中に、オゾンからの鋭い問いかけと深いメッセージを見るだろう。
鬼才フランソワ・オゾンが挑む、衝撃の実話
『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』予告
◾️STORY
妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。アレクサンドルたちは信仰と告発の狭間で葛藤しながら、沈黙を破った代償──社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは──?
監督/脚本:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン
2019年/フランス/2時間17分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Grâce à Dieu/日本語字幕:松浦美奈/G
提供:キノフィルムズ
配給:キノフィルムズ/東京テアトル
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