第41回ぴあフィルムフェスティバル コンペティション部門PFFアワード2019にてひかりTV賞、第20回TAMA NEW WAVEある視点部門入選と自主映画ながら高い評価を得た映画『アボカドの固さ』が4月11日(土)よりユーロスペースにて劇場公開となります。
チラシビジュアルと予告編を解禁!
主人公・俳優の前原瑞樹(まえはらみずき)は5年間付き合った彼女から距離を置きたいと言われるも、どうにかヨリを戻したい一心で周囲の人に失恋相談をしては嘆く日々。1ヶ月後に迎える自身の25歳の誕生日までは彼女からの連絡を待つと決めるが、待てど暮らせど、彼女からはなんの音沙汰もなく…。代わり映えのしない、けれども何かが決定的に変わってしまった男の「愛と執着の30日間」を描く。
今回公開されたチラシビジュアルは、幸せだった頃の恋人たちのたわいもない光景と、熟れたアボカドの種から発芽する花のイラストがどこか噛み合わない怪しさを放っている。
主人公・前原瑞樹を演じるのは、劇作家の平田オリザが主宰する劇団 “青年団”所属の俳優・前原瑞樹本人である。実際に経験した失恋を下敷きに、フィクションを混ぜ込み構想が練り上げられた。自身の記憶が生々しく残る東京・明大前〜下高井戸で、かつての自分を演じ直す。現在放送中のNHKよるドラ「伝説のお母さん」でクウカイ役を演じて注目を集める前原は、2/28より配信開始となるAmazon Prime Videoオリジナルドラマ「湘南純愛組!」(走真役)にも出演。これまでには
多くの舞台出演する傍ら、『友だちのパパが好き』『あの日々の話』『ウィーアーリトルゾンビーズ』など様々なジャンルの映画にも出演する実力派俳優。
監督は、是枝裕和や三宅唱に映画を学び、本作が長編処女作となる26歳の俊英・城真也。
優しく寄り添うのでなく、かといって完全に突き放すわけでもなく、失恋男のどうしようもない日常を醒めた目で見つめる。PFFアワード2017入選作品の中編映画『さよなら、ごくろうさん』への出演をきっかけに、監督の才能に惚れ込んだ前原がラブコールを送り、本企画が実現。ロロ、ワワフラミンゴなどの注目舞台に出演する多賀麻美をはじめ、小野寺ずる、並木愛枝など、舞台や映画で活躍する実力派俳優が脇を固める。
音楽を担当したのはD.A.N.の櫻木大悟。また、4人組ロックバンドTaiko Super Kicksが主題歌「感性の網目」を書き下ろした。
誰しもが経験したことのある“失恋”というプライベートな出来事を非常にリアルに描いた本作は、人間が持つ救いようの無い傲慢さや弱さを映し出し、失った愛を求めて執着する男の姿には可笑しみすら感じさせる。その姿はまさに過去の、もしくは今の自分かもしれないと思わせるリアルな演出と演技が見どころである。
俵万智の短歌「アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン」から着想を得て“アボカド”を映画のモチーフにしたという縁で、歌人の俵万智からのコメントも寄せられた。
■俵万智(歌人)コメント
大のアボカド好きから言わせてもらうと、アボカドの食べごろを見極めるのは、とても難しい。熟れぐあいは、そっと触れて想像するしかない。人と人との関係も、またそうだ。
前原君は、まだ固い実を前のめりに味わおうとしたり、せっかくのタイミングを逃したり、熟れすぎの危うさに無頓着だったりする。イタくて愛おしい数々のエピソード。でも、はじめからの達人なんて、いないのだ。人類がどんなに進化しても、アボカドは(つまり恋愛は)、食べて失敗してみないとわからない。
もどかしさや切なさを感じながらも、ラストの超ささやかな笑顔から、私は温かなものを受け取った。
ー俵万智(歌人)
城 真也監督『アボカドの固さ』予告編
<STORY>
ある日突然、5年付き合った恋人・清水緑に別れを告げられた俳優・前原瑞樹。どうにかヨリを戻したい一心で、周囲に失恋相談をして回り、ひとまずは1ヶ月後に迎える25歳の誕生日まで待つと決める。しかし、待てど暮らせど緑からはなんの音沙汰もない。復縁への淡い期待を抱きながら右往左往する男の<愛と執着の30日間>。
2019年/日本/カラー/アメリカンビスタ/100分
監督・脚本・編集:城 真也
脚本:山口慎太朗、前原瑞樹/撮影:新藤早代/照明:山岸 元/録音:浅井 隆/美術:花村優香/衣装:7A/メイク:田部井美穂、ホンダナオ/助監督:村松優翔、西邑匡弘/制作:吉田大樹、石川泰地/製作:井上 遼
出演:前原瑞樹、多賀麻美、長谷川洋子、小野寺ずる、空美、並木愛枝、兵藤公美、山口慎太朗、西上雅士、日下部一郎 ほか
Twitter:@avokatas