森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)において2020年3月29日(日)まで「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命─人は明日どう生きるのか」が開催されています。
テクノロジーの発達は、いま、私たちの生活のさまざまな側面に大きな影響を与えようとしています。近い将来、人間は多くの判断を AI(人工知能)に任せるようになり、AIが人類の知能を超え、私たちの社会や生活に急激な変化をもたらす「シンギュラリティ」が到来すると言われています。また、ブロックチェーン技術は、社会システムに新たな信用と価値を作り出し、多様なバイオ技術は、食や医学、そして環境に多大な影響を与えることになるでしょう。私たち人間が身体機能を拡張させ、いま以上に長寿を享受する時代もそう遠くない話なのかもしれません。そうした急激な変化がもたらす未来は決して明るいものだけではないかもしれませんが、私たちは、少なくとも20-30年後の未来のヴィジョンについて考えることが必要なのではないでしょうか。それは同時に、豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何かという根源的な問いにもつながるのです。
本展は、「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成し、100点を超えるプロジェクトや作品を紹介します。AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です。
セクション1 「都市の新たな可能性」
人類が築く新たな都市は、砂漠や海上、空中へと広がりつつあります。それらの都市は、1960年代に日本の若手建築家が構想したメタボリズム(*1)の再来を思わせます。その多くは当時の技術では実現することができませんでしたが、今日では、情報技術やバイオ技術の発達により、環境に負荷をかけず持続可能な、真のメタボリズム都市が実現しつつあります。本セクションでは、最先端の都市計画や、アーティスト、建築家が描くユニークな都市像を写真や映像、模型などを通して紹介します。
セクション2 「ネオ・メタボリズム建築へ」
環境にやさしい有機的な建材の開発、3Dプリンター、ドローン、ロボット工学に代表される先端テクノロジーを駆使した新工法など、今日の建築の最新の動向を紹介します。それらによって実現する、自然と共生し、持続可能で可変的、柔軟に新陳代謝する建築は、新たなメタボリズム=ネオ・メタボリズムの可能性を示唆しているかのようです。
セクション3 「ライフスタイルとデザインの革新」
技術の革新は、私たちの衣食住のあり方を着実に変えています。コンピューターによるモデリングや
3Dプリンターの登場はデザインの歴史を大きく刷新し、人工食材の開発は、人口増加や食料不足など地球規模の問題に対する解決方法のひとつとされています。本セクションでは、最先端のテクノロジーや斬新なコンセプトから誕生するデザインやプロダクトに着眼し、新しいライフスタイルの可能性について考察します。
セクション4 「身体の拡張と倫理」
ロボット工学とバイオ技術の進歩は人間の能力を高め、不治の病を克服することを可能にしつつあります。それは素晴らしいことですが、一方で、私たち人間が自身の身体をどこまで拡張、変容させて良いのか、という倫理上の問いも浮上しています。本セクションでは、人間にとって最も大きな関心の対象である身体に焦点を当てます。
セクション5 変容する社会と人間
テクノロジーの発達に伴う新しい価値観は、これまで当たり前とされてきた人間像や社会像を大きく覆します。例えば、人間がロボットに看取られる時代や、3人以上の親の遺伝子を継ぐ子どもを「共有」する未来が訪れるかもしれません。本展最後のセクションでは、「人間」や「生命」、「幸福」の定義の再考を促し、私たちがよりよい未来に向かうためにどうすべきかを問いかけます。
2019年末で森美術館館長を退任した南條史生は、本展の実施背景についてこう語っていました。「森美術館では、ジャンル横断的な展覧会をやってきており、本展はその第3弾。2011年には『メタボリズムの未来都市展』を開催して、その後『ネオ・メタボリズム建築展』をやりたいと考えた。この成果も含め、これまでを総合的に検討した結果がこの展覧会になった。未来予測には肯定も否定もあるが、未来はいま我々の判断でつくられる。そんなことを考えながら、議論しながら一緒に楽しんでもらいたい」。
ぜひ、この展示に足を運んで、未来を楽しく想像してみましょう。
概要
未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命─人は明日どう生きるのか
会期:2019年11月19日~2020年3月29日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00)
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1200円 / 4歳〜中学生 600円 / 65歳以上 1500円
主催:森美術館
NHK
後援:在日スイス大使館
助成:アダム・ミツキェヴィッチ・インスティテュート / culture.pl
オーストラリア大使館
スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団
グレイトブリテン・ササカワ財団
協賛: 株式会社大林組
デルタ電子株式会社
忠泰集團(台湾)
MAIN
日本MGMリゾーツ
タイ・ビバレッジ
三建設備工業株式会社
株式会社ミクシィ
IHI運搬機械株式会社
株式会社久米設計
日本ピーマック株式会社
日本電信電話株式会社
アマノ株式会社
新菱冷熱工業株式会社
協力:全日本空輸株式会社
シャンパーニュ ポメリー
制作協力:株式会社竹中工務店
株式会社日建設計
日産自動車株式会社
GE Healthcare Life Sciences
アストロデザイン株式会社
個人協賛:手塚 清
企画:南條史生(森美術館 特別顧問)
近藤健一(森美術館キュレーター)
德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
オナー・ハーガー(アートサイエンス・ミュージアム館長、シンガポール)
企画協力:SymbioticA(西オーストラリア大学)
一般財団法人 森記念財団
公式サイト:https://www.mori.art.museum/
cinefil 読者チケットプレゼント
下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命─人は明日どう生きるのか」プレゼント係宛てにメールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効のこの招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。
☆応募先メールアドレス info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2020年1月26日 24:00 月曜日
記載内容
1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
当選無効となります。
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