2019年10月10日〜10月17日に開催された山形国際ドキュメンタリー映画祭のインターナショナル・
コンペティション部門で、最高賞であるロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)と市民賞(観客賞)をダブル受賞し、話題を集めたワン・ビン監督の『死霊魂』が、2020年4月シアター・イメージフォーラムを皮切りに全国順次公開となります。
『鉄西区』『鳳鳴(フォンミン) 中国の記憶』で大賞を2度受賞、本作で3度目の大賞に輝いたワン・ビン監督、8時間15分に及ぶ渾身の大作!
『死霊魂』は、過去に2度(2003年に『鉄西区』、2007年に『鳳鳴 中国の記憶』)、山形国際ドキュメンタリー映画祭の大賞を受賞している中国人監督ワン・ビンが、フランスとスイスの資本で完成させた作品。8時間15分に及ぶ大作で、山形では各40分の休憩を2回挟み、3部に分け、1日がかりで上映された。1950年代後半の中国共産党による反右派闘争で粛清された人々が、半世紀以上を経て、それぞれの体験をカメラに向かって語る証言集で、ワン・ビン監督の2007年作『鳳鳴 中国の記憶』や2010年作の劇映画『無言歌』と同じテーマ。言って見れば、クロード・ランズマン監督の9時間30分に及ぶ伝説的なホロコースト証言ドキュメンタリー『ショア』の<ワン・ビン版>と言えよう。
政府に騙され、粛清され、砂漠の収容所に送られ、次々に飢え死んでいく中、なんとか生き延びた人々が、ある者は昨日のことを語るように熱っぽく、ある者は激情を抑えるように、証言を重ねていく。
忘れ去られた死者の声を掘り返し、忘れるものかとワン・ビン監督がこだわり続けた題材である。
山形国際ドキュメンタリー映画祭では、すでに2度大賞を受賞しているにもかかわらず、また、8時間超えの超長尺であるにもかかわらず、大賞と観客賞をダブル受賞するという快挙を果たした圧倒的な迫力の傑作を、全国の映画ファンに体験してほしい。
ムヴィオラ配給7作目のワン・ビン作品。
ワン・ビン初の長編劇映画『無言歌』(2010年製作/2011年公開)の配給を皮切りに、配給会社ムヴィオラではワン・ビン監督の作品を、『鉄西区』(2003年製作/2013年公開)、『鳳鳴 中国の記憶』(2007年製作/2013年公開)、『三姉妹〜雲南の子』(2012年製作/2013年公開)、『収容病棟』(2013年製作/2014年公開)、『苦い銭』(2016年製作/2017年公開)と配給し、『収容病棟』では製作出資も行っています。