11月9日(土)から池袋シネマ・ロサで劇場公開される「ヌンチャクソウル」のご出演の柴田明良さんにお話しをうかがいました。
『仮面ライダー アギト』などのTV番組をはじめ舞台、映画などで活躍する柴田さんの原点と魅力に迫りました。
俳優になったきっかけ
僕は高校の時にバスケ部だったんですけど、スポーツ推薦をいただいた大学に、なんと!バスケ部がなかったんですよ(笑
それで大学行けずに東京に出てきて(笑
バスケットやったり予備校通ったり、そんな時たまたま求人情報誌みていたら、俳優の陣内孝則さんの事務所のスタッフ募集があったので受けてみたんです。
そしたら、その日に決まって、次の日に陣内さんの家に迎えに行けって言われて(笑
一番最初の日に車の運転させてもらったんですけど、シボレーのシェビーバンていうでっかい車で、すぐに車のサイドミラーぶつけちゃったり。
そっから二年半、付き人やっていろいろ失敗もしましたね。
陣内さんの誕生日にでっかいバースデーケーキをみなさんからプレゼントされたんですけど、車に乗せるときに落としちゃったり(汗
先日、20年ぶりに陣内さんにお会いした時もそのことを覚えていただいていて「こいつだよ、俺の誕生日ケーキ落としたの!」なんて冗談交じりに言われたり。
怪我をして車の運転できなくなったときに陣内さんにご迷惑をおかけしてはまずいと事務所を辞めました。
その後、Vシネやいくつかの映像のお仕事させていただいて、そこからですかね、アクションもやるようになったのは。
原点はインディ・ジョーンズ
『インディ・ジョーンズ』が大好きすぎて。
それで考古学者になろうとおもって、勉強してみたんですけど、3日で投げ出して……。
その時、ふと気がついたのは、あ、インディ・ジョーンズってハリソン・フォードだよな、役者じゃんって。
役者だったら、勉強しなくても考古学者になれるし、いろいろなことできるじゃん、て(笑
浅はかですよね~そこがもしかしたら、役者の道を考えた原点だったかもしれないですね。
アクションとアクター
僕はアクションだからとかアクターだからとか、あんまり分けていないんですよ。
役者であるからには与えられた役をこなさなければいけないと思います。本番が来るまでに与えられたものをマスターしなきゃいけないし、それがアクションだったら本番までに動けるようにならなきゃいけない、そうやって引き出しを増やしていくのかな、って思ってます。
舞台などで後輩にアクション指導することも多いんですけど、女の子の場合はアクションできると重宝がられるんですよ、役者として生き残るひとつの武器になるから頑張ってと伝えております。
映像の場合スターさん以外、できなきゃその役はまわってこないですから、色んな引き出しをいくつも増やすことで、俳優の価値は上がるものだと思います。
僕、実は日本舞踊の師範であったり、ハイチュウアーティストとして全国を回ったりもしています。
すべてが俳優の道につながっていると思ってます。
今回の「ヌンチャクソウル」ではアクション指導をさせていただいたんですけど、決められた時間の中でどう指導するのが一番効率よく、映像映えするか、そう考えながらアクションの振付をしました。
僕はヌンチャクできないんですけど、黒木正浩さんがヌンチャク得意なので、動きを見せていただいて、ああ、こう動くんだなあ、それに合わせてみんなの動きをこうしようとか、リハーサルをしっかりさせていただけたのでやりやすかったです。
俳優業について
今までに経験した難しい役・・・・最初に主役をさせていただいたときにものすごい長い台詞を通しでやることがあって、周囲からのプレッシャーもあり辛かったですね。
台詞を覚えよう、覚えようとしているとこめかみに筋肉がついちゃって(笑
台詞筋(笑
僕たち役者は不安定だし、仕事決まって仕事して仕事終わって、すぐに次の役探し、常に就職活動を行っているような感じです。
どの役も勝負なので、そういった意味ではどんな役も難しいのかもしれないですね。
常に不安と緊張の戦い、よっぽど強い心を持っているか、ちょっと抜けているか・・・
舞台は大好きなんですけど、舞台だけにのめりこまないようにしてます。
舞台に向かうまでの準備や稽古は大変ですがそれが醍醐味であったり、役を止めずに通して演じれるので役者は発散でき、舞台に立った高揚感や終わった後の充足感が半端ないんです。
でももっと、しんどい所に自分を置いていかないと……
映像の場合も充足感はあるんですけど、シーンシーンで別々に演じ撮っていくので別なストレスがかかったり、とてつもない集中力が必要だったり、それになかなか発散できる役をいただくことができなかったり……。
でもそこでやっていけるようにならないと、生業にしていかないといけないと思ってます。
なので仕事決まった時とギャラもらったときが一番うれしい、あとは全部辛いことばっかりですね(笑
俳優業で食べていくってことはとても大変なことで、その充足感と生活のバランスをとっていくことが大切なんじゃないかなって思います。
人生をリセットするなら・・・・俳優業をもう一回選ぶかと思います。
柴田明良
栃木県出身。
TV、舞台、映画などで活躍する俳優。特技は殺陣、アクション、ハイチュウパフォーマンス。
「ヌンチャクソウル」では、自身の出演の他、アクション指導を行う。
「ヌンチャクソウル」予告
出演:黒木正浩、高橋篤、黒須杏樹、大沢真一郎、吐山ゆん、中山雄介、及川莉乃、小宮凜子、Jun-Bay、鯨井未呼斗、藤井太一、柴田明良
監督:木場明義|日本|2019年|76分|
製作・配給:ガチンコ・フィルム