10/13〜25開催した『デイアンドナイト』『No Pain,No Gain』2作品上映・トークイベントが好評により延長決定!11/2(土)よりアップリンク渋谷にて再スタートする。

『デイアンドナイト』は阿部進之介さん企画・主演、藤井道人監督、山田孝之さんがプロデューサーとして参加。気鋭のクリエイターたちが自分たちの表現の形を模索して、手探りで作った映画。その背景や挑戦の数々、企画・制作・劇場公開を迎える過程を記録し、山田さんのエネルギーの根源を知れるドキュメンタリー映画が『No Pain, No Gain』。

2作品を一緒に上映することによって、互いの作品を別の角度から見直すことが出来る。
「正義とは」「善悪とは」をテーマにした今作にどのように行き着いたのか。山田さんが俳優以外の「挑戦」をすることで生まれた感動や新たな可能性。cinefilのレポート連載は続く。

画像1: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税
画像2: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

いくつもの夜をこえ、苦しみと葛藤の末に生み出された『デイアンドナイト』の脚本。
そこに書かれた台詞は、役者という肉体を通して世界へ立体的に浮き上がっていく。

“役を誰に演じてもらうか”は、映画の生命線である。

その台詞が“書かれた言葉”ではないものになるかどうか、それは役者が物語の中でどう生きるかでもある。

『No Pain,No Gain』では、山田孝之が憧れの存在だった安藤政信さんへ直接出演交渉をするシーンがある。そこでは2人の男が、1つの作品のためにお互いの本音、生き方を曝け出していく。

そして、安藤さんが演じた北村。その北村の生きる姿に山田孝之は涙を流し、役者という仕事の素晴らしさに改めて気付かされたという。

《『No Pain, No Gain』監督 牧有太》
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10 月 21 日(月)『デイアンドナイト』
安藤政信(北村役)×阿部進之介(企画・主演)×伊藤主税(プロデューサー)

■――安藤さんへの出演オファーについて
【阿部】『No Pain, No Gain』では孝之がすごく責任感を持って、真摯に作品に向き合って、強く進んでいるところが描かれていて。
【伊藤】どれくらい山田さんが安藤さんを愛していたかが分かりますよね。
【安藤】俺も本当に孝之のために頑張った。
【阿部】安藤さんの気合いは伝わっていましたよね。僕とのファーストシーンでも、奥から来る安藤さんの目がめちゃくちゃ怖かった。アドレナリンが尋常じゃなくて、すごく感動したのを覚えています。
「北村」はとても重要な役どころで、あの役が出来る人がそういない。孝之から安藤さんに声をかけることになった時には気が気じゃなかったんです。
【伊藤】山田さんが「今日、安藤さんと会ってきます」という宣言をしてから、なかなか連絡が来 なくて...。
【阿部】孝之に飲みながら出演を口説かれた時は、その場では返事されなかったんですね。最初は 悩むところがあったんですか?
【安藤】想いは本当やりたい!という気持ちなんだけど、だけどいいのかな...。山田孝之という最高の役者からの直接のオファーであって...。この人と結婚して責任取れるだろうか...みたいな。2、 3 日待ってもらって。自分の家でも考えてから彼の気持ちに応えようと思って。決めてからは、ド 直球で北村を演じた。

画像3: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税
画像4: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

■――奈々を演じた清原果耶さんは撮影当時 15 歳。共演してどうでしたか?
【阿部】求められていることに飾らずに、真摯に演技で返してくれましたよね。オーディションって良く見せようとか、出来ないことをやってみようとなってしまうんですけど、あの年齢なのに落ち着いて、本当にやるべきことをやっていた。
【伊藤】藤井監督は「清原さんは 15 歳にして 2、3回人生をやり直して今に至ってる人だ」って 面白い表現をしてました。オーディションの時も同じ条件で台本をお渡しているんですけど、理解力とか読解力があって、何なんだろうなって。

【伊藤】清原さんと安藤さんの、滝壺のシーン。映画の中でも非常に高く評価されたシーンの一つで、作品を見た方々から「サイレントのあのシーンで、北村は奈々に何を言われていたんですか?」 という質問がとても多いんです。映画の大切な要素なので皆で言わないと決めて言っていないんですけど...。安藤さんは印象に残っていることはありますか?
【安藤】あのシーンは台本に無かったところだったから、お互いの気持ちのアドリブで演じていった。正直奈々に何を言われたか全然覚えてない...。
【阿部】それくらい没入していた顔をしていましたよね。安藤さんが終わって、次が僕のシーンだったんですけど、すれ違った時にもう、疲労困憊というか...。いつもの安藤さんではなかった。滝
壺から支度部屋まで結構距離があったんですよ。その距離でも普通に戻らない、役に入っていらっしゃったんだと思う。

【安藤】感情が溢れ出た。雪が一気に世界観を変えて、本当に美しいと思ったんだよね。あれには持って行かれた。(予定外の雪だったけれど)前シーンの繋がりとか関係なく、感情と、印象深いシーンが重なりあえば、見る人の気持ちに絶対突き刺さると思った。

画像5: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税
画像6: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

【伊藤】雪のシーンの前日、安藤さんがイヤホンを無くしたんですよね。安藤さんが音楽を聴けなくなってしまう「それはヤバイ!」ということで、皆で買いに行ったんですよね。
【安藤】やっぱり音がないと...。
【阿部】次のシーンに向けて曲を変えたりするんですか?単純にその時の感情だったりとか?
【安藤】うん、今の感情、余白はこの曲だろうなとか。
【阿部】自分の感情が動くものを選んでいるんですね。
【安藤】(頷いて)
奈々のシーンは何を聴いてたんだろうな?いつもラップとか何でもかんでも聴いてるから...。

画像7: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

■[会場からの質問]
――北村は昼間は優しい顔をしていて、夜は怖い顔をしている。でも「昼と夜」の点描のシーンで明石と北村が歩いて来る時、夜なのに北村が嬉しそうな顔をしている所があって。 明石を善と悪が分からなくなる世界に引きずり込んだ、悪魔の笑顔のような、怖い笑顔だなと見ていたんですけど、どういう意図ですか?
【阿部】その時の感覚や情緒で演られていたりするので、作為的な感じではなかったと思う。
【安藤】どんな顔をしていたんだろうな...。(撮影は)2 年前だしな...。その時生まれた感情って分からないよね。自分でも考えていないところの表情にいっちゃったり...。

――私は『デイアンドナイト』を 29 回見ているんですけど、見る度にまだ毎回新しい発見があって...
【安藤】29 回?! なんでそんなに...見ているんですか?俺が聞きたい...。山田孝之も出てないの に...どこに惹かれたんですか?

――とにかく映画館のスクリーンで見たいんです。
【阿部】嬉しいですね。僕は今回初めて企画から携わらせてもらって、それが無かったらこうして皆さんとお会いしていないし、29 回も足を運んでくれるようなこともないと思うと、感慨深いと 思いました。
【安藤】29 回見て自分の中で大好きな映画になったって聞くと、本当に幸せな気分になる。俺も 自分の中で好きな映画、チェン・カイコー監督の『さらば、わが愛』を何十回も見ていて。毎回毎回惹かれて「とんでもない映画を作ってくれた!ありがとうございます」と監督に対する感謝の気持ちがある。『デイアンドナイト』を沢山見て、作った自分たちに対して感謝してくれてると思うと、そんな人に出会えて嬉しいです。ありがとうございます。

画像8: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

■――これから何か表現をしよう、実行しようという方々にメッセージお願いいたします
【阿部】こうやって皆さんに見ていただける映画を作ることが出来た。その経験として、単純に「諦めない」ということが大事だと思います。 自分の表現したいことがブレて破綻してしまった映画ってあるけど、自分がやりたいと思う直感が、周りの人の言うことや色んなことで惑わされるんですよね。でも『デイアンドナイト』は最初のプロットに書いたテーマが、そのまま完成した映画の核になっている。脚本の改稿を何十回も重ねて途中はブレたけど、結局戻れた。本当に自分が初期衝動を忘れないで表現できたんじゃないかなと。それが僕の経験です。

画像9: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

【安藤】俺はこの仕事をやるまではブラブラしていて、何も考えてなかった。まさか自分がこういう仕事をして北野武さんに会えて、その映画(『キッズ・リターン』)を見て役者になりました、映画に興味を持って監督になりましたと言われて、自分は知らず知らずに、色んな人に影響をちゃんと与えているんだなって。
30 代の時もそうだったけど 40 代になって、役者として責任感を持って若い役者や監督、ずっと可愛がってくれている阪本順治監督や石井隆監督、みんなの思いにちゃんと応えて、自分の感情や、経験して積み重ねてきた美意識を捧げるっていう風に演っていて。写真家としては自分が捧げるというよりは、色んな人たちの感性や美意識を吸収して、自分の美意識に変えていて。そのバランスで生きている。

皆が役者をやっているわけじゃないし、写真家をやっているわけじゃないから表現方法は人それぞれ違うけど、多分生きていたら「出す」ということと「吸収する」ことのバランスを見つけることが大事だと思うんだよね。吸収するだけでも溜まり過ぎて爆発すると思うし、出すばかりだと干からびる。職業なんか関係なく、人だから経験するし、そういう風に生きることが大事だと思う。

画像10: 【なぜ『デイアンドナイト』は生まれたのか?第 7 回】「山田孝之という最高の役者からの直接オファー」安藤政信×阿部進之介×伊藤主税

なぜ「デイアンドナイト」が生まれたのか?
山田孝之ら 気鋭のクリエイターたちが映画界に新風吹かす

【日程】11 月 2 日(土)~上映延長決定!
「デイアンドナイト」「No Pain, No Gain」の順番で、2 作品日替わり上映

【チケット販売】詳細は劇場オンライン/劇場窓口にて
アップリンク会員先行販売 10/29(火)・一般販売 10/30(水)(11/2~7 までの分)
【会場】東京・アップリンク渋谷
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町 37-18 トツネビル
https://shibuya.uplink.co.jp/

映画『デイアンドナイト』
善と悪はどこからやってくるのか。

画像: 映画「デイアンドナイト」予告 youtu.be

映画「デイアンドナイト」予告

youtu.be

父が自殺し、実家へ帰った明石幸次(阿部進之介)。父は大手企業の不正を内部告発したことで死に追いやられ、家族もまた、崩壊寸前であった。そんな明石に児童養護施設のオーナーを務める男、北村(安藤政信)が手を差し伸べる。孤児を父親同然に養う傍ら、「子供たちを生かすためなら犯罪をも厭わない。」という道徳観を持ち、正義と犯罪を共存させる北村に魅せられていく明石と、そんな明石を案じる児童養護施設で生活する少女・奈々(清原果耶)。しかし明石は次第に復讐心に駆られ、善悪の境を見失っていく——。

■出演/阿部進之介 安藤政信 清原果耶
小西真奈美 佐津川愛美 深水元基 藤本涼 笠松将 池端レイナ
山中崇 淵上泰史 渡辺裕之 室井滋 田中哲司   

■企画・原案/阿部進之介
■脚本/藤井道人・小寺和久・山田孝之
■監督/藤井道人
■プロデューサー/山田孝之・伊藤主税・岩崎雅公
■制作プロダクション/and pictures inc.
■制作協力/プラスディー・BABEL LABEL 
■配給/日活
©2019「デイアンドナイト」製作委員会

12 月 13 日(金) Blu-ray&DVD 発売

映画『TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY「No Pain, No Gain」』
節目の 30 歳を迎えた 2013 年~2019 年まで、激動の 5 年=2045 日に完全密着!

画像: 俳優・山田孝之がもがき、苦しみ、涙し、走り続けた5年間|TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY 劇場版「No Pain, No Gain」予告|新宿シネマカリテのみ限定上映中 youtu.be

俳優・山田孝之がもがき、苦しみ、涙し、走り続けた5年間|TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY 劇場版「No Pain, No Gain」予告|新宿シネマカリテのみ限定上映中

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山田孝之が 30 歳を迎えた 2013 年から直近の 2019 年まで約 5 年間=2045 日の長期に渡って、所属事務所スターダストのグループ会社 SDP が主導となり完全密着。 人生の節目を迎えた一人の男が、信念の元に絶えず挑戦を続け、懸命に生き、苦悩を繰り返しながら「人生を楽しもう」と必死にもがく、実直な山田孝之の姿が収められている。彼は一体、何を考え、感じ、どんな未来をみていたのか。山田孝之の 5 年間の全記録とともに、本心が垣間見えてくる。

■出演/山田孝之
■監督・撮影・編集/牧 有太
■制作/テレビマンユニオン
■企画・制作・配給/S・D・P
©2019・SDP/NPNG

Blu-ray&DVD 絶賛発売中

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