『万引き家族』でカンヌ国際映画祭の最高賞“パルムドール”を受賞した是枝裕和監督。今や世界中で新作が待ち望まれる監督の、長編14作目となる最新作にして初の国際共同製作映画『真実』が、10月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開となります。
『シェルブールの雨傘』(63)のカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、『ポンヌフの恋人』(91)のジュリエット・ビノシュ、『6才のボクが、大人になるまで。』(14)のイーサン・ホークなど、世界のトップ俳優陣を迎え、母と娘の間に隠された「真実」を巡って物語が展開していく、是枝監督構想8年の渾身作にして初の国際共同製作である本作。
この度、本作がスペインのバスク地方にて9月20日(金)~28日(土)まで開催されている第67回サン・セバスティアン国際映画祭の パールズ部門に出品され、9月22日(日)(※現地時間)に、是枝裕和監督とジュリエット・ビノシュが、公式上映の舞台挨拶に登場いたしました!
<イベントレポート>
ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭として注目されている、サン・セバスティアン国際映画祭。昨年『万引き家族』で本映画祭に参加し、アジア人初の快挙となる、生涯功労賞に当たるドノスティア賞を授与された是枝監督。今年は最新作の『真実』が、世界の映画祭を賑わせ話題となった、その年を代表する作品を上映するパールズ部門へ出品され、ジュリエット・ビノシュとともにフォトセッションと舞台挨拶に出席しました。
■実施日:9月22日(日)
■レッドカーペット後のフォトセッション
実施時間=20:35~(日本時間23日3:30~)
■舞台挨拶
実施時間=20:45~(日本時間23日3:40~)
■場所=Teatro Victoria Eugenia
■参加者(敬称略)
是枝裕和監督、ジュリエット・ビノシュ(ファビエンヌの娘、リュミール役)
会場前のレッドカーペットでは、ジュリエット・ビノシュはクロエのエレガントなドレスを身にまとって優雅に登場。是枝監督はアルマーニのタキシードとえんじ色の蝶ネクタイ姿。
2人揃って歩きながら、集まったファンたちのサインや写真撮影のリクエストに応え、到着した公式上映会場Teatro Victoria Eugeniaの入口で実施されたフォトセッションには、地元スペインをはじめ各国からのマスコミ陣が大勢押し寄せ、「コレエダ!」「ジュリエット!」のコールとともにフラッシュの嵐が巻き起こり、監督とビノシュはマスコミ陣の歓声に笑顔で応えました。
公式上映は、劇場を埋め尽くす900人もの観客で超満員!
監督がビノシュとともに舞台上に登壇すると、映画祭に戻った監督を歓迎するかのように大きな拍手が会場を包み込みます。
是枝監督が 「ありがとうございます。こんばんは。こうしてまた新作を携えて、大好きなこの映画祭に帰ってくることが出来て、本当に嬉しく思っております。毎年、ここに来るために、頑張って映画を作っています。」とスピーチを始めると、会場ではドッと笑いが起きると同時に、更なる温かい拍手が。続けて監督は 「この『真実』という映画は、僕が初めて日本の外へ出て、日本語ではない言語で、スタッフとキャストと一緒に作った作品です。去年の秋にパリで撮りました。映画の中に何組もの母と娘が出てきます。その母と娘の関係を重ねあわせながら、映画の最後でちょっとだけ気持ちが軽やかに、温かくなるような、僕にしては珍しい作品になったんじゃないかなと思います。終わった後に劇場を出て、少し遠回りして、歩いて自宅に帰りたくような、そんな作品だと思いますので、楽しんでください。」 とにこやかにスピーチ。
続いて、ジュリエット・ビノシュは「ママはどこ?ママはどこ?(笑)」と、母役を演じたカトリーヌ・ドヌーヴが居ないことへの冗談からスピーチをスタートし、「カトリーヌ・ドヌーヴと一緒に映画を作ることができ、非常に光栄でした。今夜は残念ながら彼女の姿はありませんが、彼女はいつも私たちの心の中にいます。そして、情熱と温かさと知性を持ち合わせた、素晴らしい是枝監督と共に仕事ができるという素敵な機会に恵まれましたし、さらに、様々な役者たちともその現場を共有することが出来ました。12年ぐらい前から、映画祭などで見かけるたびに監督を追いかけてきて、ようやくこの作品の撮影に至り、夢が叶いました。またの機会があるかもしれませんが、まずは監督は、少し大変なこともあったであろうパリを一旦離れて(笑)、日本に帰ってバカンスをとらなくてはいけませんね。みなさん、良い夜をお過ごしください。」と、是枝監督との仕事を振り返り、その想いを明かしました。
こうして二人の舞台挨拶が終わり、盛大な拍手が送られる中、本編の上映が始まりました。
以上
是枝裕和監督最新作!
世界の豪華キャストと描き出す『真実』予告
【STORY】
全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。
国民的大女優ファビエンヌが自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール、テレビ俳優の娘婿ハンク、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書……お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」
そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。
原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ『8人の女たち』 撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
配給:ギャガ
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