ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞 スペシャル・メンションを W 受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞!
29 歳の俊傑 フー・ボー監督の長編デビュー作にして、遺作となった『象は静かに座っている』の公開日 が 11 月 2 日(土)に決定(シアター・イメージフォーラム他にて順次公開)。
この度、ヴィジュアルと予告編が解禁、また日本公開を祝し、坂本龍一、タル・ベーラ、市山尚三より応援コメントが到着しました!
今回解禁されたヴィジュアルでは、意味深なタイトルが大胆にあしらわれ「29歳で命を絶った若き才能、デビュー作にして遺作。世界を 熱狂させた魂の234分」という衝撃的なコピーが書かれている。中国の新人監督フー・ボーは4時間弱の大作を世に送り出た直後、 自ら命を絶ち、世界が本作に熱狂する様を見ることは叶わなかった。そして、交わらない方向へ視線を投げる4人の登場人物たち、それぞれの人生が複雑に絡み合っていくのを暗示させる印象的なヴィジュアルとなった。
坂本龍一、タル・ベーラ、市山尚三からの応援コメントが到着!
日本公開を祝し、坂本龍一(音楽家)、フー・ボーが師と仰いだタル・ベーラ(映画監督)、昨年の東京フィルメックスで本 作を招致した市山尚三(東京フィルメックス・ディレクター)から応援の言葉が到着。※敬称略/順不同
坂本龍一(音楽家)
この映画のペースが好きだ。4時間近くと長い映画だが、無駄なショットがあった記憶はない。昨今、目にすることの多い、金満でIT先進国で資本主義的な中国とは全く違った日常が映し出される。その暗いけれど、甘く懐かしいトーンが好きだ。それは音楽からも来ていると思う。歪んだギターを中心に、昔聴いたことのあるチープなシンセのシンプルな絡み。20歳台の若い監督が作ったのに、とてもノスタルジックだ。好きな映画だ。29歳で自殺した監督、フー・ボー(胡波)の映画を、たくさん観たかった。
タル・ベーラ(映画監督)
私の“生徒”であり、私の友、私の家族である君がいないことを残念に思う。何百人もの中国人監督が私と働きたいと出願してきたが、彼に会い、すぐに心が決まった。一切の迷いもなく!
彼は気品に溢れ、共に素晴らしい仕事をすることができた。
彼の目には並々ならぬ、強い個性が表れていた。
クソ!彼をちゃんと守れなかったことに、私は責任を感じている。残念でならない。
彼は、両方の端から彼というろうそくを燃やしていたのだ。今ここにあるすべてを手に入れようとした。
私たちは彼を失ったが、彼の映画は永遠に私たちと共にある。
フー・ボーの映画を迎えてください。そして私と同じように彼を愛してください。
市山尚三(東京フィルメックス・ディレクター)
「象は静かに座っている」は次々と新たな才能が登場しつつある近年の中国映画の中でも稀有な傑作である。まずは、この作品が日本で劇場公開されることを喜びたい。これほどの才能ある監督の新作をもはや見ることができないという事実は悲劇でしかないが、一つ一つのショットに刻み込まれた魂の記録とも言うべき本作に心揺さぶられないものはいないだろう。
合わせて解禁された予告編では、フー・ボー監督が師と仰ぐタル・ベーラからの「彼の映画は永遠に私たちと共にある。」という強烈なコメントが目に映る。中国の田舎町、孤独な”4 人の運命”が交差するある1日の物語。
音楽に呼応するように、それぞれにある想い を抱えた表情を浮かべ、4人の登場人物・ブー、リン、チェン、ジンの顔が順に映る。プリミティブなサウンドで、シンプルながら耳に残る本作の楽曲を手掛けたのは、中国の人気バンド「ホァ・ルン」。規格外な長尺に、一切の妥協も見えない挑戦的な長回し、日中の自然光にこだわったライティング、細部に渡るこだわりを垣間見る予告編だ。クライマックスになるにつれ、徐々に沈みゆく陽の光。彼らの行く先には何が待ち受けているのだろうか。先の気になる予告となった。
フー・ボー監督最初で最期の最高傑作
『象は静かに座っている』予告
監督・脚本・編集:フー・ボー
出演:チャン・ユー、ポン・ユーチャン、ワン・ユーウェン、リー・ツォンシー
撮影:ファン・チャオ 録音:バイ・ルイチョウ
音楽:ホァ・ルン 美術:シェ・リージャ サウンドデザイン:ロウ・クン
2018 年/中国/カラー/234 分
配給:ビターズ・エンド