世界中の図書館員の憧れの的、ニューヨーク有数の観光スポット、世界最大級の知の殿堂である「ニューヨーク公共図書館」の舞台裏を記録した傑作ドキュメンタリー『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』が、5 月18 日(土)より岩波ホールを皮切りに全国で公開となります。

画像: © 2017 EX LIBRIS Films LLC – All Rights Reserved

© 2017 EX LIBRIS Films LLC – All Rights Reserved

図書館の表も裏も見事に映像化したのは、2016年にアカデミー名誉賞を受賞したドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマン監督。
クリント・イーストウッドやジャン=リュック・ゴダールと同い年の生ける伝説です。
1967年の第1作以来、今年1月1日に89歳となった現在にいたるまで1年~1年半に1本のペース で新作を発表。昨年のヴェネツィア国際映画祭で第42作目にあたる最新作を発表したばかりの“生ける伝説”だ。本作では、第74回ヴェネツィア国際映画祭国際批評家連盟賞をはじめ、各国の映画祭で多数の映画賞の受賞&ノミネートを果たしている。
ワイズマン監督の神業のような編集によって、舞台裏からこの図書館が世界中で有名である理由を見ることができる本作。

この度、日本公開を前に、5 月10 日ワイズマン監督とスカイプ・インタビューを実施しました。
併せてワイズマン監督の貴重なオフィスでの写真も公開されました

画像1: フレデリック・ワイズマン監督

フレデリック・ワイズマン監督

Q:監督はご自身が音声を担当し、現場では機材を背負って歩き回っていると聞きますが、素晴らしい体力ですね。

ワイズマン監督(W):毎朝40 分、バイク(自転車)に乗るという習慣をずっと続けているからね。撮影クルーは、私が音声で、あとはカメラマンとアシスタントの3 人だけだ。自分に合っている仕事だから、大変とは思わないよ。

画像: ワイズマン監督のオフィス写真

ワイズマン監督のオフィス写真

Q:なぜニューヨーク公共図書館を撮ろうと思ったのでしょうか?

W:昔から「公共」の図書館が好きだった。公共図書館には、階級も人種も民族も性別も問わず、たくさんの人間が集まってくる。そうした人々に分け隔てなくサービスを提供する施設だ。
私はこれまでも多くの施設を題材に映画をつくってきたが、公共図書館は、アメリカの精神の最良のものを表している施設のひとつだと思うよ。ニューヨーク公共図書館を選んだのは、行ったことはなかったが、42 丁目にある素晴らしい本館のことは知っていたし、世界有数の図書館と称されるニューヨーク公共図書館に興味があったからね。

Q:いつも事前にリサーチはせず、撮影しながら発見していくと言っていますが、今回も同様ですか?

W:これまでと同じやり方で事前にリサーチはしなかった。本館や、グリニッジヴィレッジ、スタテン島やブロンクスの分館を見てまわったくらいだ。撮影しながら興味をもったものを撮っていくほうが、クオリティの高いものが撮れるんだ。撮影は驚きと発見の連続だった。これほど図書館の活動が広範囲に及んでいるとは思ってもいなかったからね。

画像: ワイズマン監督の机

ワイズマン監督の机

Q:12 週間の撮影と約1 年の編集期間を経て完成したと聞いていますが、編集作業はどのようにすすめたのですか?

W:150 時間ほどの撮影素材を6〜8 週間かけて全部を見て、あまり重要でないと思ったものを一時的に外して、素材を半分くらいに絞り込んだら、半年くらいかけてそれぞれのシークエンス作りをし、それから全体を構成していく。なぜこのシークエンスの後にこのシークエンスが来るのか、冒頭の10 分と最後の10 分はどんな関係性を持っているのかを何度も自問しながら、自分が納得できる「語り方」になっていなければ、また見直しをする。

Q:最も印象的な場面を教えていただけますか?

W:選ぶのは難しいね。でも最後近くにハーレムの図書館のシークエンスがあるが、あそこが好きだな。自分たちの生活にいかに図書館が必要なのかを訴える住民がいて、それに耳を傾けているスタッフの姿がある。とても感動的だった。

画像: オフィスでのワイズマン監督

オフィスでのワイズマン監督

Q:今後の企画は?

W:次は、夏にフランスで舞台をやる。『リアリスティック・ジョーンズ(The realistic Joneses)』といういい戯曲があってね。秋にはまたドキュメンタリー映画を始めるつもりだよ。私は、舞台とドキュメンタリーが好きなんだ。

Q:日本では間もなく『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』が公開になります。

W:幸運を祈っているよ!映画は説明を聞くより、見なきゃわからない。たくさんの人が見てくれるといいね。

画像2: フレデリック・ワイズマン監督

フレデリック・ワイズマン監督

*オフィスでの写真は、配給スタッフが昨年、監督の事務所を訪れた際に撮影。
*副題の「エクス・リブリス」は、「~の蔵書より」という意味のラテン語で「蔵書票」「図書票」の意味

巨匠フレデリック・ワイズマン監督
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』予告

画像: 巨匠フレデリック・ワイズマン監督『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』予告 youtu.be

巨匠フレデリック・ワイズマン監督『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』予告

youtu.be

監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン

アメリカ|205分|DCP|カラー

配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ

公式FB:@wisemanjp

5月18日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー!

This article is a sponsored article by
''.