昨年12 月7 日に全国順次公開され、全国で話題を呼んでいる映画『青の帰り道』。
監督を務めるのは山田孝之プロデュース『デイアンドナイト』、6 月28 日に『新聞記者』の
公開も控える、俊英監督・藤井道人。
監督自身“ターニングポイントになった作品”と語る『青の帰り道』は、群馬県前橋市と東京
を舞台に地元に残った者、夢を追って上京した者、過去の思いを胸に抱きながら、新しい未
来へ向かって進んでいく、7人の若者達を瑞々しく描いた青春群像劇。
『青の帰り道』が5月11 日からアップリンク渋谷にて待望の「東京再上映」決定!!
11 日から24 日まで、14 日連続のトークイベント開催されます。
公開を記念してCinefil 独占公開!
『青の帰り道』Special Talk
藤井道人監督 × 清水くるみさん × 秋月三佳さん × 冨田佳輔さん
2008 年、東京近郊の町でまもなく高校卒業を迎える7 人の若者たち。
歌手を夢見て地元を離れ、上京するカナ(真野恵里菜)。家族と上手くいかず実家を出て東京で暮らすことを決めたキリ(清水くるみ)。漠然とデカイことをやると粋がるリョウ(横浜流星)。カナとの音楽活動を夢見ながらも受験に失敗し地元で浪人暮らしのタツオ(森永悠希)。できちゃった婚で結婚を決めたコウタ(戸塚純貴)とマリコ(秋月三佳)。現役で大学に進学し、意気揚々と上京するユウキ(冨田佳輔)。
7 人がそれぞれに大人への階段を上り始めて3 年後、夢に挫折する者、希望を見失う者、予期せぬことに苦しむ者――7 人7様の人生模様が繰り広げられる。
秋月:台本を一番初めに読んだ時は、辛かったですね。
清水:私もです。ここまでの辛さは経験したことはないけど、同じような感情を持ったことはあるし、見ている人もあると思う。とても、人の心の中に入ってくる脚本だなと思いました。時代が変わっていく、その時々の政治のことも取り入れていて、「それとは全然関係ない私たち」という描き方が面白いなぁと思って読みました。
藤井:ありがとうございます。
冨田:僕は作品の内容もそうだし、主題歌のamazarashi さんが好きだったから、テンションが上がっていて…!事務所に「amazarashi ってあのamazarashi?!」って2 回確認したくらい。だから作品の内容じゃない部分でも、撮影に入る前から楽しみでした。
■主題歌はamazarashi『たられば』
清水:『たられば』は、この映画に合わせて作ったわけじゃないんですよね。それが…感動しました。
藤井:書き下ろしのオファーをしたんだけど、amazarashi の秋田ひろむさんから、これ以上合う曲は書けないんで、これどうですか?って送られてきたのが『たられば』で。まだアコースティック状態のやつで、鳥肌が立った…。「もしも僕が名医だったら」とか全部タツオの歌になってて…。『たられば』を聞いてシナリオを直した部分もあるし、すごく素晴らしいセッションができました。
冨田:『パーフェクトライフ』はめっちゃ好きな曲だったので、そんなことある?!すごくないですか?! って。ビックリしました、本当。
藤井:『パーフェクトライフ』は比較的初期の楽曲だけど、個人的に大好きで。脚本には最初
「カナが作った歌」としか書いていなかったんだけど、曲を選べることになって全部聴いたら、この曲が『青の帰り道』の7人にすごく合っていました。
■7人の群像劇――
○カナ(真野恵里菜)
藤井:真野ちゃんは脚本を読んでカナを演りたいって、すごい熱望してて。カナって真っ直ぐ過ぎるから、俺の中ではイメージにあんまりなかったんだけど、カナに共感するところが多いって話をしていて。
清水:タツオと作った曲を歌いたいという想いと、売れて話題を作るためには「無添加カナコ」をやらなきゃいけないカナの葛藤は真野ちゃんの中にもきっとあったんだろうなって、思いました。
○キリ(清水くるみ)
藤井:キリはよく「お前がいると皆不幸になる」って言われるんだけど、自分が良かれと思ってしたことが全部真逆を行っちゃう人っていて。俺の経験の中から、今その言葉はいらない、今そうしないで、ってことをやっちゃう人物を作っていった。でも正直、キリがあれだけ観客に受け入れられたことにすごく驚いていて。みんなすごくキリに感情移入してくれました。
清水:キリはずっと、カナに嫌われたくなかったんですよね。
藤井:みんなにね。
清水:それが多分、一番共感されるポイントな気がします。
○リョウ(横浜流星)・コウタ(戸塚純貴)とマリコ(秋月三佳)
藤井:リョウとコウタは、実は俺の中学からの親友の名前で、かなり被せていて。暴走しちゃうリョウ。
コウタは早いうちに結婚して子どもがいて、大人ぶる。俺みたいに夢を追ってフリーターをやっている人間からすると、コウタが言う正論が嫌いで。でも大人になろうともがいている人が羨ましく見えたし、大人になった人の人生は平凡かも知れないけど、すごい憧れる。帰って夜晩酌してテレビを見ることが生き甲斐で、その幸せもある。それをコウタとマリコに投影しました。
秋月:私は地元に残って、コウタと家庭を築く、という素敵な役をいただきました。私は高校生の時からお母さん役をやることが多くて母親についてすごく考えていたので、その集大成を見せれればと思って演じました。
○ユウキ(冨田佳輔)
藤井:俺はユウキに思入れがあったんです。地元は東京なんですけど、大学に入った時に「地元を捨てた」って非難されたんですよね。距離じゃなく、どっちのコミュニティの方に移ってしまうか、ということで。大学が楽しくて、彼女が出来てサークルに入って、映画を作って。地元の人たちがどれだけ大変でも、相談乗るよって言っておきながら隣には大学の友達がいて。自分を浅ましいとも思って。ユウキも心配しているフリだったり、自分の軽薄さ、都合の良さに気付きながら生きてたんだろうな。
○タツオ(森永悠希)
冨田:僕にはちょうどクランクインの2年前に亡くなった友達がいて。一緒に自主映画を作ろうと言っていて、彼が監督して、僕が主演でやって、みたいな。その彼がすごい仲良かった訳じゃないんですけど、一緒に作品をやったのもあって亡くなってショックだったのと、重なった部分があって。タツオに対しては個人的にもすごい感情移入していたし、役もユウキとタツオって、僕の経験とすごく近かったので、親近感が湧いていて。タツオは感情移入しやすい人が多いと思いますけどね。みんな誰しも葛藤があって。彼はそういう結果になっちゃったけど…。
■映画が完成して
冨田:この作品をやる前と後じゃ役者として考え方が全然違う。答えになるか分からないけど、ヒントになるものはあると思うので、僕自身も見返す作品になってるし、自分が悩んだ時、壁にぶつかった時にこそ見て欲しい映画ですね。
清水:この映画はキャストとスタッフの気持ちが強かったから完成した作品ですし、20 代前半、私たちにしか出せない色が出ていると思います。私自身も救われたし、この作品を見た方々全員が救えれたら良いなって思うような、辛い経験をしている人を救ってくれる映画だと思うので、そういう人たちに見てもらいたいと思います。
秋月:7人の友情ってなかなかないですよね。大人になるほど友達って出来ないと思うし、敵を知ったり、いろんな葛藤があると思うんですけど、何年か経って成長して環境が変わって、自分で何か興せるようになった時に、ああいう風に悩んでた時もあったとか、今も同じことで悩んでいるなとか、懐かしいと思えるような、私にとって人生の1ページみたいな映画になっています。見ている人にもそんな映画になったらと思います。
藤井:この映画は自分がもう一回スタートラインに立つために撮ったものでもありました。20 代でデビューした時と今では、この映画があったから考え方が変わっていて。映画が完成するってすごいことですよね。それをお客さんが見て、何かを感じるということはすごい大きな出来事で、それがいつまでも出来ると思うなという自戒も込めて、『青の帰り道』という映画には10 年後も、20 年後も見られる、思い出される映画になって欲しい。こう感じてくれとか、こういうストーリーですって説教がましく作った映画ではなく、色々な人生があるんだということを再認識できる、みんなの映画になってくれれば良いなと思っています。
冨田佳輔 シャツ¥6900/ROIR (03-3314-2750)
清水くるみ スタイリスト私物
ヘアメイク:鍵山あきこ 衣装:松田稜平 撮影:坂功樹
【東京再上映トークイベント 概要】
日程:5 月11 日(土)~5 月24 日(金)
時間:レイトショー上映予定 ※トークイベントは上映終了後
場所:アップリンク渋谷 https://shibuya.uplink.co.jp/
料金:劇場通常料金
登壇者(予定):藤井道人監督、映画にゆかりのある人物(日替わりゲスト)
※レイトショー上映時間、登壇者情報は、映画公式サイト等、アップリンク渋谷公式サイト
にて随時発表予定。
※チケット販売に関して、
【5/11~16】アップリンク渋谷公式サイト及び劇場窓口で5月8日(水)10:00~
【5/17~23】アップリンク渋谷公式サイト及び劇場窓口で5月15 日(水)10:00~
【5/24】アップリンク渋谷公式サイト及び劇場窓口で5 月22 日(水)10:00~
映画「青の帰り道」特報
出演:真野恵里菜
清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔
山中崇 淵上泰史/嶋田久作
工藤夕貴 平田満
主題歌:amazarashi『たられば』
監督:藤井道人
原案:おかもとまり 脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
制作プロダクション:and pictures
制作協力:BABEL LABEL/プラスディー
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ
©映画「青の帰り道」製作委員会