カンヌ国際映画祭がスタートいたします。
この記事は、前回アップしたものですが、今までも、何回か更新しております。会期中にコンペティション部門で新たな予告やクリップなどが上がりましたら、さらに更新していきます。
第72回カンヌ国際映画祭のラインナップが発表されました。
オープニングは、すでにお伝えしたようにジム・ジャームッシュ監督の『THE DEAD DON'T DIE』
そして、今年のカンヌ国際映画祭の名誉パルムドール受賞者はアラン・ドロンとなりました。
さて注目のコンペティション部門は、下記のように発表され、ベテラン勢が多い中で、女性監督は初コンペに参加の監督が目立ちます。
そのほか、「ある視点」部門では、アルベルト・セラ監督やクリストフ・オノレ監督などが選ばれています。
昨年は日本をはじめ中国など、アジアの監督が目立ちましたが、今年はコンペではポン・ジュノ監督のみとなり、またアメリカもジャームッシュ監督を除けば、純粋にアメリカの監督では、常連のテレンス・マリック監督と初参加のアイラ・サックス監督のみ。
また、カンヌで改革を宣言している女性監督の増加に関しては、コンペ部門では4人となっています。ただ、その中でカンヌ国際映画祭史上初めて黒人女性マティ・ディオプ監督が選ばれていることは特筆すべきことです。
そのほか、例年追加のラインナップが発表されますが、クエンティーノ・タランティーノ監督の新作がギリギリ間に合うのかは気になるところです。
以下パルムドールを争うラインナップとなります。
オープニング作品『THE DEAD DON'T DIE』
ジム・ジャームッシュ
出演はビル・マーレイと、そしてそのゾンビ退治の相棒としてアダム・ドライバーとクロエ・セヴィニー。
そのほか、ティルダ・スウィントン、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・グローバー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ロージー・ペレス、イギー・ポップ、サラ・ドライバー、RZA、セレーナ・ゴメス、キャロル・ケイン、オースティン・バトラー、ルカ・サバトそしてトム・ウェイツなど豪華な、ジム・ジャームッシュ組常連を中心に豪華な配役が並んでいます。
詳細は下記より
http://cinefil.tokyo/_ct/17262540
コンペ
『Pain and Glory』 Pedro Almodovar
ペドロ・アルモドバル
主演はアントニオ・バンデラスとペネロペ・クルス。
ほかジュリエッタ・セラーノ、セシリア・ロスなど。
詳細は下記より
http://cinefil.tokyo/_ct/17247907
『The Traitor』
マルコ・ベロッキオ
『肉体の悪魔』(86年)『結婚演出家』(06)『眠れる美女 』(12年)『甘き人生』(16年)などコンスタントに作品を発表しているイタリアの巨匠。
カンヌの常連でもあるが、コンペ部門には『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(09年)以来の久々の登場となる。
『The Wild Goose Lake』Diao Yinan
ディアオ・イーナン
長編2作目となる『夜行列車』(07年)でカンヌ「ある視点」部門に出品。
2014年、7年ぶりの長編『薄氷の殺人』を発表して、第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したディアオ・イーナン監督新作で初のコンペ部門参加です。
『Parasite(寄生虫)』ポン・ジュノ
ソン・ガンホとは4度目のタッグとなり、そのほか、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、バク・ソダム、チャン・ヘジンなど豪華な出演陣で、ポン・ジュノ監督は今作を「SFや、ホラームービーではない。独特な家族のドラマ」であると海外メディアなどに語っている。
詳細は下記より
http://cinefil.tokyo/_ct/17264236
『Young Ahmed』 Jean-Pierre Dardenne & Luc Dardenne
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
言わずと知れたジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の新作。
1999年、『ロゼッタ』で第52回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞そして、2005年には『ある子供』で2度目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しておりますが、2014年、『サンドラの週末』2016年『午後8時の訪問者』とコンペには選ばれていますが--今作で3回目のパルムドールなるか
『Oh Mercy!』 Arnaud Desplechin
アルノー・デプレシャン
カンヌの常連で、すっかりフランスを代表する監督の風格のアルノー・デプレシャン監督。
2016年、第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の審査員に選出されたのちの初のノミネートです。
出演はレア・セドゥなど。
『Atlantique』 Mati Diop
マティ・ディオプ
カンヌ国際映画祭で初めての黒人系女性監督としてノミネートとされたMati Diop。長編の劇映画のデビュー作となります。
女優としても活躍しており、2010年にはリュミエール賞の有望ノミネートされており、同年のロッテルダムにおいて短編部門の最優秀賞も受賞しています。
また、彼女の叔父はセネガルの映画監督として著名な故ジブリル・ジオップ・マンベティ。
カンヌ国際映画祭やモスクワ国際映画祭など国際的に高い評価を受けた監督です。
『Matthias and Maxime』 Xavier Dolan
グザヴィエ・ドラン
カンヌの申し子グザヴィエ・ドランの最新作にして自身が出演した作品。
共演は『ブルックリンの片隅で』などのハリス・ディキンソンと、グザヴィエ・ドランの監督デビュー作『マイ・マザー』に出演し、2014年には『Mommy/マミー』で主演を務めたアンヌ・ドルヴァル。
『Little Joe』 Jessica Hausner
ジェシカ・ハウスナー
オーストリア、ウィーン生まれ。卒業作品がにカンヌ映画祭シネフォンダシオン部門の特別賞に輝き『Lovely Rita』(01) 『HOTEL』(04) 『Amour fou 』(14) と長編として撮った三作を「ある視点」部門に選出され、今作が初のパルムドールへの出品となる。
『Sorry We Missed You』Ken Loach
ケン・ローチ
労働者階級や移民、貧困などの社会問題に焦点を当てた作品で知られる巨匠ケン・ローチ監督の最新作。今回もフランチャイズの運搬業に加盟したことで、債務を持った家族の苦難を描くという。『わたしは、ダニエル・ブレイク』で2度目のパルムドール受賞しているだけにやはり3度目の期待がかかります。
『Les Miserables』 Ladj Ly
ラジ・リ
クレルモンフェラン国際短編映画祭やセザール賞の短編部門に選出され話題になった作品の長編映画化。Ladj LyはもともとKourtrajméという集団でドキュメンタリーを撮って活動しており、アーティストのJRなどの作品なども協力している。都市の暴動をドキュメンタリー風な形で描いた作品か?!長編デビュー作。
『A Hidden Life』
テレンス・マリック
近年、多作になったテレンス・マリック監督の最新作。
第二次世界大戦でナチスの徴兵に逆らって投獄・ 処刑された実在の人物聖フランツ・ヤゲルシタッターを描く。今回、自身によるとより脚本を練った作品であることが伝えられている。
初の公開クリップ!
「Bacurau」
クレベール・メンドンサ・フィリオ&ジュリアーノ・Dornelles
2016年カンヌ国際映画祭のパルムドールに『アクエリアス』で選出されたブラジルのクレベール・メンドンサ・フィリオ監督と初長編となるJuliano Dornelles監督による共同監督作品。
映画監督がブラジルの奥地に映画を撮りに行き、そこの村で起こる秘密を描く。
『The Whistlers』Corneliu Porumboiu
コルネリユ・ポルンボユ
カンヌではシネ・フォンダシオンから上がってきた監督で「ある視点」部門で受賞など重ねてきたにルーマニア・ニューウェーブを代表する監督。初のコンペ部門選出。
『Frankie』Ira Sachs
アイラ・サックス
『ミシシッピの夜』『あぁ、結婚生活』などで知られるニューヨーク出身監督で主にサンダンスなどアメリカで活躍。今回カンヌのコンペには初参加となる。
イザベル・ユペールが主演で、ジェレミー・レニエなどが出演し、ポルトガルの歴史的な町での休暇の1日の間に、人生を変える経験に取り組んだ家族の話。
『Portrait of a Lady on Fire』 Céline Sciamma
セリーヌ・シアマ
2007年に長編『水の中のつぼみ』で映画監督デビューで第60回カンヌ国際映画祭のある視点部門に、2作目『トムボーイ』(11) は第61回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門のオープニング作品に選ばれる。
また2016年にはクロード・バラス監督の『ぼくの名前はズッキーニ』の脚本を手がけ、アカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされた。
今作は18世紀を舞台にした女性たちの物語。主演はアデル・エネル。
『It Must Be Heaven』 Elia Suleiman
エリア・スレイマン
『D.I.』(03)『それぞれのシネマ』(08)『時の彼方へ』(09)『セブン・デイズ・イン・ハバナ』と日本でも紹介されることが多い、エリア・スレイマン監督の最新作。
今作は、パレスチナに生まれた映画監督エリア・スレイマンが異なる都市、ニューヨークやドーハなどに移動し、故郷との予想外の共通点を見つけていく--。
『Sibyl』Justine Triet
ジュスティーヌ・トリエ
『 ソルフェリーノの戦い』『ヴィクトリア』のフランスの期待の女性監督ジュスティーヌ・トリエの長編3作目となる最新作。
心理学者が主人公の物語。
出演は、アデル・エグザルホプロス、ギャスパー・ウリエル、Virginie Efira
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
クエンティン・タランティーノ
『Mektoub, My Love: Intermezzo』
アブデラティフ・ケシシュ
コンペティションの最後を飾るのは、『アデル、ブルーは熱い色』でパルムドールを受賞したアブデラティフ・ケシシュ監督の4時間の最新作。