カンヌ国際映画祭受賞作『幸福なラザロ』が、4月19日（金）よりBunkamuraル･シネマほか全国順次ロードショーとなります。
監督は、前作『夏をゆく人々』がカンヌ映画祭グランプリに輝き世界が注目したイタリアの新しい才能、アリーチェ・ロルヴァケル。今最も新作が期待される監督のひとりと言われる彼女の待望の新作である『幸福なラザロ』は、2018年カンヌ国際映画祭で上映されるやいなや「異彩を放つ傑作！」と話題を呼び、世界各国から配給権のオファーが殺到した話題作だ。
北米公開時には、巨匠マーティン・スコセッシが絶賛し、映画完成後にプロデューサーに名乗りを上げる異例のバックアップをするなど、世界の著名人をも動かし感動の輪を広げてきた。
この度、この話題作の冒頭映像が解禁になりました！
©2018 tempesta srl・Amka Films Productions・Ad Vitam Production・ KNM・Pola Pandora RSI・Radiotelevisione svizzera・Arte France Cinema・ZDF/ARTE
村に住む若いカップルの慎ましいプロポーズシーンから始まる映画冒頭。
イタリアのインヴィオラータ（“汚れなき村”の意）と呼ばれる深い渓谷で隔たれた小さな村。街頭もない暗闇の夜にひとりの若者が仲間を引き連れ恋人の住まいを訪ね、プロポーズをしようとしていた。若者は恋人に捧げる歌を披露し、ふたりはついに結ばれる。村人たちは小さな家に集まってワインを分け合い祝福する…。
古典的なプロポーズや村人たちの暮らしぶりから、まるで100年前のお話のように見える冒頭シーンだが、時はすでに20世紀後半の現代。
実は村人たちは騙され、外の世界を知らずに支配されていることが次第に分かっていく。
その驚くべき展開は是非映画本編を観て確認してほしい。
また、村人たちの端っこで祝福の音楽を奏でる、“目立つこともない”主人公の青年ラザロの独特の佇まいにも注目だ。
本作はスーパー16mmフィルムで撮影されており、この場面でもその独特な質感を感じることができる。ロルヴァケル監督は、「この映画は小さな尊厳についての物語です。奇跡は起こらないし、巨大な権力も出てこないストーリーが、特殊効果を使わずに語られます。映画が伝えるのは、この世で生きていく上で、誰のことも疎まず、人を信じ切ることの尊さです」と語り、この手法を採用した理由について、ノスタルジックな映像スタイルに寄与するだけではなく、「映画というマジックの力を最大限に発揮させるための手法」であると狙いを語る。
この場面でも描かれるように、本作のラザロはいたって平凡で立派な英雄でもなければカリスマ性もない。何も持たず、何も望まず、目立つこともない。そんな人物が映画の中で起こすとてつもなく大きな奇跡とは――？ぜひ映画館で確かめてほしい。
『幸福なラザロ』本編冒頭映像
『幸福なラザロ』本編冒頭映像
youtu.be【STORY】
月明かりの下、聞こえてくるセレナーデ。農作業の合間にのどを潤わせるワイン。狼の吠える声が響く渓谷…。
イタリアの小さな村に、純朴なラザロと村人たちはひっそりと暮らしている。まるで100年前のような暮らしぶりだが、時はすでに20世紀後半。その土地を牛耳るデ・ルーナ侯爵夫人に騙され、彼らは外の世界を知らずにいた。ところが夫人の息子タンクレディが起こした誘拐騒ぎをきっかけに、村人たちの存在と、侯爵夫人による大掛かりな隠蔽工作が明るみに出る。そして、ラザロにある事件が起き･･･。
【監督・脚本】アリーチェ・ロルヴァケル
【出演】アドリアーノ・タルディオーロ、アニェーゼ・グラツィアーニ、アルバ・ロルヴァケル、ルカ・チコヴァーニ、トンマーゾ・ラーニョ、セルジ・ロペス、ニコレッタ・ブラスキ
2018年／イタリア／イタリア語／127分／1.66:1
原題：Lazzaro Felice／英題：Happy As Lazzaro／日本語字幕：神田直美
配給：キノフィルムズ／木下グループ
©2018 tempesta srl・Amka Films Productions・Ad Vitam Production・ KNM・Pola Pandora RSI・Radiotelevisione svizzera・Arte France Cinema・ZDF/ARTE
4月19日（金）よりBunkamuraル・シネマ他全国順次ロードショー
