処女長編作『馬々と人間たち』で鮮烈なデビューを飾り、アキ・カウリスマキやロイ・アンダーソンの後に続く、北欧の才能と目されるベネディクト・エルリングソン監督の最新作『たちあがる女』が、3月9日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開となります。
本作は、コーラス講師と環境活動家、二つの顔を持つ女性ハットラが、新しい家族を迎え入れ、母親になる決意をしたことから巻き起こる騒動をユーモラスに描くヒューマンドラマ。アイスランドの大自然と叙情的な音楽に彩られた現代のおとぎ話ともいえる物語は、とぼけた味わいとコミカルな笑いを醸しながらも、いまの人間社会において見逃してはいけない問題を皮肉たっぷりに浮かび上がらせていきます。
本国アイスランドでは大ヒットを記録、二度のオスカーに輝く、ジョディ・フォスター監督・主演でハリウッドリメイクも決定している話題作です。
そしてこの度、本作のヴィジュアルと予告編が完成致しました。新しく公開されたヴィジュアルでは、アイスランドのどこまでも続いていくような青く澄んだ空を背景に自転車に乗った笑顔のハットラ、そして、彼女の後ろには陽気な音楽を奏でる楽隊やコーラス隊たちが顔を揃え、草原で呑気に佇む犬や、可愛い屋根の北欧の小屋などが顔を覗かせています。
一見、平和で牧歌的な風景ですが、良くご覧ください。火を噴く鉄塔や、不気味に上空を旋回するヘリが見えます。これらはハットラが長年、孤独な戦いを繰り広げているアイスランドの自然を破壊する、憎きアルミニウム工場のものなのです。このヴィジュアルは、ユニークなタイトルロゴも含め、まさにハットラ自身を表しており、自然と音楽を愛する彼女の想いが込められています。
一方、予告編は、美しい合唱団の歌声から幕を開けます。リラックスした表情で指揮をする講師のハットラ。しかし、画面が切り替わると、そこはアイスランドの大平原。ハットラは厳しい顔で、冷たくそびえたつ鉄塔に向けて弓を放ち、アルミニウム工場を停電させてしまいます。なんと、彼女の裏の顔は「山女」と呼ばれる環境戦士だったのです!
そんな彼女の元に長年、希望していた養子を受け入れるチャンスが到来します。名前はニーカ。ウクライナの内戦で親を亡くした女の子です。ハットラの双子の姉アーサは「おめでとう!ついにママになるのね!」と彼女を祝福。そんな中、憎きアルミニウム工場が拡大するというニュースが届きます。「なんで、こんな時に……」溜息をつき思い悩むハットラだが、アーサは言います。「母は強し、よ!」。勇気付けられたハットラは、家族と地球を守るため、アルミニウム工場に、最後の戦いを挑む決意をするのです。
予告ナレーションを担当するのは、国民的アニメ『風の谷のナウシカ』で主人公ナウシカを演じた島本須美(しまもと・すみ)氏。彼女の凛とした強さを持つ美しい声は、自然と人間を愛する強い女性ハットラにぴったり!「自分らしく生きようとする女性」を通して、人間の強さと優しさ、寛容を謳い上げる『たちあがる女』は、爽やかな感動を呼ぶアイスランド発の痛快ヒューマン・エンターテイメントなのです。
映画『たちあがる女』予告編
【あらすじ】
風光明媚なアイスランドの田舎町に住むハットラは、セミプロ合唱団の講師。彼女は周囲に知られざる、もう一つの顔を持っていた。謎の環境活動家〝山女〟として、密かに地元のアルミニウム工場に対して、孤独な闘いを繰り広げていたのだ。そんなある日、彼女の元に予期せぬ知らせが届く。長年の願いだった養子を迎える申請がついに受け入れられたのだ。母親になるという夢の実現のため、ハットラはアルミニウム工場との決着をつけるべく、最終決戦の準備に取り掛かる――。
監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン『馬々と人間たち』
出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル、ヨハン・シグルズアルソン、ヨルンドゥル・ラグナルソン、マルガリータ・ヒルスカ
2018年/アイスランド・フランス・ウクライナ合作/アイスランド語/ 101分/
カラー/ 5.1ch /英題:Woman at war / G /日本語字幕:岩辺いずみ
後援:駐日アイスランド大使館
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