先進国の中では突出して「相対的な貧困状態」にある子どもが多い現代の日本。
厚生労働省発表の「子供の相対的貧困率」は16.3%に上り、6人に1人の子どもが貧困状態にあるという。こうした中、子どもの貧困対策として注目を集めているのが 「こども食堂」である。

食材は寄付、調理は地域のボランティアが手掛けることが多く、無料または数百円で食事を提供。都内を中心に、こども食堂を手掛ける団体が集まる「こども食堂ネットワーク」には、17の食堂が登録されており、食材、寄付金、 ボランティアの情報が集まる。

経済的な理由から、家で満足な食事を取れない子どもに暖かい食事を提供する――。
趣旨に賛同した地域のボランティアや子育て支援などに携わる大人が運営に参加し、 こども食堂は社会運動のトレンドになりつつある。

“子ども食堂”が必要とされる現代社会を 子どもの視点から描いた物語。

映画「こどもしょくどう」は、このこども食堂をテーマに、現代のこどもたちを描く完全オリジナルの劇映画作品です。

画像: “子ども食堂”が必要とされる現代社会を 子どもの視点から描いた物語。

監督:日向寺太郎✖️脚本:足立紳✖️撮影:鈴木達夫!
吉岡秀隆と常盤貴子の温かい眼差しと
瑞々しい姿でダブル主演の藤本哉汰、鈴木梨央!

豊かに見える今の日本社会のひずみを受け、満足な食事をとることのできない子ども達がいることをご存知でしょうか。
そんな子どもたちの拠り所となる“子ども食堂”が、地域の新たなコミュニティの場として全国各地に 広がっています。
なぜ今子ども食堂が必要とされているのか...。
そのテーマを子ども視点から描き出したのは、『火垂るの墓』で戦禍のなか精一杯生きる兄妹と向き合った日向寺太郎監督と、2014年『百円の恋』(武正晴監督)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した脚本家の足立紳。

2年に渡る脚本づくりを経て、弱者に不寛容な現代社会でも、子どもの純粋な気持ちは社会を変えることができるかもしれない、という希望が見える作品が誕生しました。
そしてダブル主演の藤本哉汰、鈴木梨央らの瑞々しい姿、ユウトの両親を演じる吉岡秀隆と常盤貴子の温かい眼差しが心を打ちます。

企画意図:日向寺太郎

子供たちは本来、私たちが生きている社会の未来であり、希望である。 しかしながら、そうであるべき子供たちが社会のひずみを受けている。生活の基本は「衣食住」だと言われるが、給食だけが唯一の食事であったり、インスタント食品を一人で食べたりと、食のひずみが目につくようになった。

そのような子供たちを見かねてできたのが、「こども食堂」であるl
数年前、東京にできた「こども食堂」は当初、隔週一回、一食子供300円、大人500円で始まった。反響は大きく、マスコミで取り上げられたこともあり、その動きは現在も全国各地へ広がっている。共感した人たちは、「こども食堂」という名前を継承しているが、食事の料金、催される回数(週一回、隔週一回等)、場所(自宅、店舗、公民館等)など、そのシステムはまちまちで、各自の色を出している。
本作は、そのような「こども食堂」をモチーフに、子供たちから見た世界を描こうとするものである。ある子供たちにとって現在は、孤絶し分断された世界であろう。そのような世界を生きていくためには、人は一人では生きられないという原点に返る必要がある。
劇映画『こどもしょくどう』で、そのことを力強く描きたいと思う。

監督:日向寺太郎(ひゅうがじたろう)
1965年宮城県仙台市生まれ。日大芸術学部映画学科卒業。
卒業後、黒木和雄、松川八洲雄監督に師事する。
1998年『黒木和雄 現代中国アートの旅/前後編』(NHK)を監督。2005年『誰がために』で劇映画監督デビュー。少年犯罪とその遺族を真正面から描き、新人監督ながらも人間の本質に迫り、主演の浅野忠信が第60回毎日映画コンクールにて男優主演賞を受賞するなど高い評価を得た。2008年『火垂るの墓』が全国約80館で公開され、松坂慶子が毎日映画コンクールにて女優助演賞を受賞、松田聖子が日本映画批評家大賞審査員特別賞を受賞。2009年、ドキュメンタリー『生きもの―金子兜太の世界―』紀(伊國屋書店よりDVDとして発売)は、映文連アワード2010グラ ンプリ、教育映像祭で文部科学大臣賞。
2013年『爆心 長崎の空』が第16回上海国際映画祭コンペティション部門にて上映される。
2014年には、リアリズム画家野田弘志の創作過程を捉えたドキュメンタリー映画『魂のリアリズム
画家 野田弘志』が公開。2010年から日大映画学科で非常勤講師も務める。

画像: (C)2018 「こどもしょくどう」製作委員会

(C)2018 「こどもしょくどう」製作委員会

[STORY]
小学5年生の高野ユウト(藤本哉汰)は、食堂を営む両親と妹と健やかな日々を過ごしていた。一方、ユウトの幼 馴染のタカシの家は、育児放棄の母子家庭で、ユウトの両親はそんなタカシを心配し頻繁に夕食を振舞ってい た。

ある日、ユウトとタカシは河原で父親と車中生活をしている姉妹に出会った。ユウトは彼女たちに哀れみの気持ちを抱き、タカシは仲間意識と少しの優越感を抱いた。

あまりに“かわいそう”な姉妹の姿を見かねたユウトは、怪訝な顔をする両親に2人にも食事を出してほしいとお願いをする。久しぶりの温かいご飯に妹のヒカルは素直に喜ぶが、姉のミチル(鈴木梨央)はどことなく他人を 拒絶しているように見えた。

数日後、姉妹の父親が2人を置いて失踪し、ミチルたちは行き場をなくしてしまう。これまで面倒なことを避けて事なかれ主義だったユウトは、姉妹たちと意外な行動に出始める――。

キャスト
藤本哉汰、鈴木梨央、浅川蓮、古川凛、田中千空/降谷建志、石田ひかり/常盤貴子、吉岡秀隆

監督:日向寺太郎
脚本:足立紳、山口智之
撮影:鈴木達夫
照明:三上日出志
美術:丸山裕司
録音:橋本泰夫
編集:川島章正
音楽:Castle in the Air(谷川公子+渡辺香津美)
主題歌:「こどもしょくどう」作詞/俵万智 作曲/谷川公子 編曲・演奏/Castle in the Air
製作:パル企画/コピーライツファクトリー/バップ
配給:パル企画 (C)2018「こどもしょくどう」製作委員会
(C)2018 「こどもしょくどう」製作委員会

2019年3月23日(土)岩波ホールにてロードショー、ほか全国順次ロードショー

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