是枝裕和・西川美和監督が立ち上げた制作者集団「分福」が満を持して送り出す新人監督、広瀬奈々子のデビュー作『夜明け』が、第19回東京フィルメックスにてスペシャル・メンションに輝いた。
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞『万引き家族』是枝監督のもとで監督助手を務めてきた愛弟子のデビュー作が審査員から高い評価を受け、「日本映画の未来への一条の明るい光」と絶賛された。また主演を務めた柳楽優弥の演技にも称賛が集まった。
世界からの熱い視線が注がれる『夜明け』は1月18日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショ。
授賞理由
審査員は広瀬奈々子監督の「夜明け」をスペシャルメンションとしたい。
本作は、見事な脚本と演出により、柳楽優弥が人生を模索する青年を力強く演じるファミリードラマである。
この若い女性監督の明晰なデビュー作品は日本映画の未来への一条の明るい光となった。
※第19回東京フィルメックス コンペティション審査員:
ウェイン・ワン(審査委員長:米国/映画監督)、モーリー・スリヤ(インドネシア/映画監督)、エドツワキ(日本/イラストレーター、アート・ディレクター)、ジーン・ノ(韓国/ジャーナリスト)、西澤彰弘(日本/東京テアトル株式会社映画興行部長)
広瀬奈々子監督 受賞の挨拶
このような素晴らしい映画祭で評価を頂けた事を大変光栄に思っています。まだちょっと信じられないのですが、今回とても力のある作品ラインナップの中で『夜明け』を選んで頂いて、本当に嬉しく思います。この賞は私ではなく、柳楽さんが受け取るべきなんじゃないかという位、柳楽さんの繊細なお芝居に支えてもらった作品です。まずは柳楽さんに報告して、一緒に喜びを分かち合いたいと思います。審査員の皆様、私の映画のキャリアの一歩を踏み出させて頂けた事を感謝いたします。本当に嬉しいです。ありがとうございます。
是枝裕和・西川美和監督が立ち上げた制作者集団「分福」が満を持して送り出す新人監督、広瀬奈々子。カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『万引き家族』是枝監督の愛弟子デビュー作に、是枝裕和代表作『誰も知らない』でカンヌ史上最年少・日本人初の主演男優賞を受賞した柳楽優弥が14年の時を経て主演する、運命の映画が誕生。哲郎役には、名俳優として圧倒的存在感を放つ小林薫。ほかYOUNG DAIS、鈴木常吉、堀内敬子ら個性的なキャスト・スタッフが集結した。
柳楽優弥主演『夜明け』特報
その他人が、昨日を消してくれるはずだった。
地方の町で木工所を営む哲郎は、ある日河辺で倒れていた見知らぬ青年を助け、自宅で介抱する。「シンイチ」と名乗った青年に、わずかに動揺する哲郎。偶然にもそれは、哲郎の亡くなった息子と同じ名前だった。シンイチはそのまま哲郎の家に住み着き、彼が経営する木工所で働くようになる。木工所の家庭的な温かさに触れ、寡黙だったシンイチは徐々に心をひらきはじめる。シンイチに父親のような感情を抱き始める哲郎。互いに何かを埋め合うように、ふたりは親子のような関係を築いていく。だがその頃、彼らの周りで、数年前に町で起きた事件にまつわる噂が流れ始める──。
出演:柳楽優弥/YOUNG DAIS 鈴木常吉 堀内敬子/小林薫
監督・脚本:広瀬奈々子
製作:バンダイナムコアーツ、AOI Pro.、朝日新聞社 配給:マジックアワー
(C)2019「夜明け」製作委員会