「LuckyHouse のポートフォリオ」25 ドニ・ラヴァン

ファイト・ヘルマー監督の『ブラ物語』に出演した
フランスの怪優が“東京国際映画祭”で来日!

第31回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されたファイト・ヘルマー監督の『ブラ物語』(ドイツ・アゼルバイジャン合作)が去る11月1日、東京・EXシアター六本木で上映され、本作に出演したドニ・ラヴァンが登壇。

画像: 第31回東京国際映画祭で来日したドニ・ラヴァン Photo by Yoko KIKKA

第31回東京国際映画祭で来日したドニ・ラヴァン
Photo by Yoko KIKKA

フランスの超個性派俳優ドニ・ラヴァン
Photo by Yoko KIKKA

ヘルマー監督および共演女優5人(パス・ヴェガ、フランキー・ウォラック、イルメナ・チチコヴァ、サヨラ・サファーロワ、ボリアナ・マノイロワ)と共に観客からのQ&Aに応じた。

画像: 『ブラ物語』上映後のQ&A Photo by Yoko KIKKA

『ブラ物語』上映後のQ&A
Photo by Yoko KIKKA

『ブラ物語』は、定年退職した鉄道運転士のヌルラン(ミキ・マノイロヴィッチ)が、最後に乗車した列車に偶然、物干しロープから外れて引っかかった青いブラジャーの持ち主を探し出そうと、線路沿いに住む女性たちの家を訪ね歩く姿をノスタルジックかつポエティックに描いた大人の寓話で、物語は全編ほぼセリフなしで展開。

ファイト・ヘルマー監督は、ドニ・ラヴァンを主演に迎えた1999年の長編デビュー作『ツバル TUVALU』以来、架空の地を舞台にしたユーマラスなヒューマンドラマを描き続けているドイツの映画作家で、脚本とプロデュースも手がけた本作『ブラ物語』では、言葉の壁をなくすことで、国際的かつ魅力的なキャスティングを実現。

画像: ドニ・ラヴァンとファイト・ヘルマー監督 Photo by Yoko KIKKA

ドニ・ラヴァンとファイト・ヘルマー監督
Photo by Yoko KIKKA

本作でヌルランの後任運転士を飄々と演じて魅せたドニ・ラヴァンは、Q&Aで『ツバル TUVALU』にも言及し、「2つの作品には、共通点があると思う。優しさ、愛、慎み深さだ。それにどちらの作品にも、ブラジャーが登場するんだよ」と笑いを交えながらコメントした。

画像: コメントするドニ・ラヴァン Photo by Yoko KIKKA

コメントするドニ・ラヴァン
Photo by Yoko KIKKA

〈ドニ・ラヴァン:プロフィール〉

1961年6月17日、フランスのヌイイ=シュル=セーヌ生まれ。1982年の「レ・ミゼラブル」の端役で映画デビュー。1983年、ジャン=ユーグ・アングラードが主演したパトリス・シェロー監督作『傷ついた男』に顔を出した後、レオス・カラックス監督の長編デビュー作『ボーイ・ミーツ・ガール』のアレックス役でブレイク!

以降、カラックス監督作品の常連となり、『汚れた血』(86年)、『ポンヌフの恋人』(91年)でも監督の分身とも言えるアレックス役で登場。その後もカラックスとの付かず離れずのコラボレーションを続けながら、各国の映画に出演。超個性派俳優として国際的に重宝される存在となる。また、舞台活動でも知られおり、2012年にはフランス演劇「眠りのすべて」の来日公演に参加した。

その他の主な出演映画は、『ワイルド・アニマル』(97年)、『赤ずきんの森』(00年)、『ロング・エンゲージメント』(04年)、『ミスター・ロンリー』(07年)、『Tokyo!』(08年)、『残酷メルヘン 親指トムの冒険』(10年)、『ヴィオレッタ』(11年)、『ホーリー・モーターズ』(12年)、『僕とカミンスキーの旅』(15年)など。

(Text by Yoko KIKKA)

吉家 容子(きっか・ようこ)
映画ジャーナリスト。雑誌編集を経てフリーに。
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