オープニングはホン・サンス、クロージングはジャ・ジャンクー!
ホン・サンス「川沿いのホテル」が開幕作、ジャ・ジャンクー「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ ホワイト(原題)」が閉幕作品に選出。ホン・サンス監督「草の葉」も上映。
◎オープニング作品「川沿いのホテル」
Hotel By The River /
韓国 / 2018 / 96分/
監督:ホン・サンス(HONG Sang Soo)
漢江を望む閑静なホテルで、老詩人と二人の息子、傷心を癒すために宿泊した女性たちが繰り広げる何気ない会話の中に人生の機微、家族、老いといったテーマが投げかけられるホン・サンスの傑作。本年度ロカルノ映画祭で最優秀男優賞を受賞した。
◎クロージング作品「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(原題)」
Ash Is Purest White /
中国 / 2018 / 141分/
監督:ジャ・ジャンクー(JIA Zhangke)
配給:ビターズ・エンド
2001年、中国山西省の大同。ヤクザな稼業で金を稼いでいるビンの愛人チャオは、チンピラたちに取り囲まれて窮地に陥ったビンを救うため、ビンの銃を威嚇発砲する。警察に逮捕されたチャオはビンを庇って銃の不法所持の罪で服役する。5年後、チャオは刑期を終えて釈放されるが、ビンは大同を出て行ってしまっていた。ビンの後を追って三峡の町・奉節を訪れたチャオは、ビンが別の女性と暮らしていることを知る……。裏社会に生きる男女の関係を社会の変遷とともに描いた本作は、これまでのジャ・ジャンクー作品の集大成とも言える傑作だ。見事な撮影を見せるのはオリヴィエ・アサイヤス作品等で知られるフランスの名カメラマン、エリック・ゴーティエ。
東京フィルメックス・コンペティション 10作品
特別招待作品 16作品(短編1作品含)
特集上映 アミール・ナデリ 4作品
全 30作品※予定 (10/2現在)
下記★印は初長編監督作品
コンペティション部門で感じる、アジアからの10本の新しい風
世界最前線の映画作家たちが集結するコンペティション部門。
トルコ作品が初のコンペ選出。今年も中国語圏の映画が充実。
今年の審査委員長ウェイン・ワン監督に決定し。インドネシアの映画監督モーリー・スリヤや日本のアートディレクターエドツワキなど、国際色豊かな5名の方々に審査により決定いたします。
コンペティション部門はあらためてシネフィルで記事化いたします。
「シベル」
Sibel /トルコ / 2018 / 95分/
監督:
チャーラ・ゼンジルジ、ギヨーム・ジョヴァネッティ
(Çağla ZENCIRCI & Guillaume GIOVANETTI)
村を脅かす狼を狩ることで自分の存在意義を証明しようとする少女が、ある日山小屋の中に潜伏する若い男と出会うが…。独特の口笛で自分の意思を表現する少女を演じたダルニア・センメズが強烈な印象を残す。ロカルノ映画祭で上映された。
「アイカ(原題)」
Ayka /
ロシア、カザフスタン / 2018 / 100分/
監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ
(SergeiDVORTSEVOY)
配給:キノフィルムズ
『トルパン』(08)でカンヌ映画祭「ある視点」賞を受賞したセルゲイ・ドヴォルツェヴォイの新作。モスクワに働きにきたキルギス人女性の過酷な日々を手持ちカメラの激しい映像で見せる。主演のサマル・エスリャーモヴァがカンヌ映画祭最優秀女優賞を受賞した。
「マンタレイ」★
Manta Ray /
タイ / 2018 / 105分/
監督:プッティポン・アルンペン (Phuttiphong AROONPHENG)
ロヒンギャ難民(ミャンマーのイスラム系住民)の問題を背景に描いた、『消失点』(15)の撮影監督プッティポン・アルンペンの監督デビュー作。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、最優秀作品賞を受賞した。
「幻の土地」
A Land Imagined /
シンガポール / 2018 / 95分/
監督:ヨー・シュウホァ(YEO Siew Hua)
シンガポールを舞台に、ある中国人移民労働者の失踪事件から明らかになっていく、この男の過去とは? フィルム・ノワールと社会派リアリズムが奇跡的に融合したヨー・シュウホァの監督作。ロカルノ映画祭で見事に金豹賞を受賞した。
「幸福城市」
City of Last Things /
台湾 / 2018 / 107分/
監督:ホー・ウィディン(HO Wi Ding)
近未来、2056年の台北を舞台にした刑事の物語がまず描かれ、第2部で刑事の青年期が、第3部で少年期が描かれるという、ホー・ウィディンの意欲作。トロント映画祭の「プラットホーム」部門で上映され、最優秀作品賞を受賞した。
「自由行」
A Family Tour /
台湾/ 2018 / 107分/
監督:イン・リャン(YING Liang)
中国から香港に移住して活動を続けるイン・リャンが自己の境遇を投影した作品。創作の自由のために自主亡命せざるを得なかった映画作家の葛藤が見る者の胸に突き刺さる。ロカルノ映画祭で上映された。
「轢き殺された羊」
Jimpa /
中国 / 2018 / 86分/
監督:ペマツェテン(Pema Tseden)
広大なチベットの草原を舞台に、「ジンパ」という同じ名を持つ二人の出会いを現実と幻想を入り交えながら描く。ウォン・カーウァイがプロデュースを担当。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、脚本賞に輝いた。
「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」
Long Days Journey Into Night /
中国 / 2018 / 140分/
監督:ビー・ガン(BI Gan)
配給:リアリーライクフィルムズ
『凱里ブルース』(15)で彗星のごとく現れたビー・ガンの待望の新作は、前作で試みた映画的冒険をよりパワーアップして追求した作品だ。舞台は中国貴州省の凱里。父の葬儀のために久しぶりに帰郷したルオは、ネオンに彩られた街を歩く。過去の記憶がルオの脳裏に断片的によみがえる。別れた恋人とのロマンス、ヤクザとの抗争、そして命を落とした親友の思い出。やがて、ルオは3D作品を上映中の映画館にふらりと入る……。中国の地方都市で展開されるフィルム・ノワールとも言うべき本作で何より特筆すべきは、約1時間にわたって展開されるワンカットの3D映像だ。タン・ウェイ、シルヴィア・チャンらキャストも豪華である。カンヌ映画祭「ある視点」で上映。
「象は静かに座っている」★
An Elephant Sitting Still /
中国 / 2018 / 234分/
監督:フー・ボー (HU Bo)
中国北部の地方都市に暮らす4人の登場人物たちの1日を4時間弱の長尺で描き、世界を驚かせた作品。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映されて国際批評家連盟賞を受賞したが、監督のフー・ボーは本作を撮り終えた後に自ら命を絶った。
「夜明け」★
His Lost Name /
日本 / 2018 / 113分/
監督:広瀬奈々子(HIROSE Nanako)
配給:マジックアワー
地方の町で木工所を営む哲郎は、ある日河辺で倒れていた見知らぬ青年を助け、自宅で介抱する。シンイチと名乗るその青年はそのまま哲郎の家に住み着き、彼が経営する木工所で働くようになる。シンイチは徐々に哲郎に心を開き始める。そして哲郎も、亡くなった息子と同じ名前を持つこの青年に父親のような感情を抱き始める。しかしその頃、彼らの周りで、数年前に町で起こった事件についての噂が流れ始めた……。是枝裕和、西川美和のもとで監督助手を務めてきた広瀬奈々子がオリジナル脚本を映画化した監督デビュー作。複雑な役柄のシンイチ役を好演するのは『誰も知らない』(04)で是枝裕和に見出された柳楽優弥。釜山映画祭ニューカレンツ部門で上映。
アモス・ギタイ、リティ・パン、スタンリー・クワン、ツァイ・ミンリャン。
今年、世界の映画祭 で賞賛された巨匠たちの最新作が勢揃い!
そして、ベテランから若手までの日本映画最前線!
「エルサレムの路面電車」
A Tramway in Jerusalem /イスラエル / 2018 / 90分/
監督:アモス・ギタイ(Amos GITAI)
様々な民族がモザイク状に混在して居住するエルサレムを東西に走る路面電車を舞台に、オムニバス風に緩やかにつながる幾つかのエピソードをコミカルに見せる作品。マチュー・アマルリックが外国人観光客の役で出演している。ヴェネチア映画祭で上映された。
「ガザの友人への手紙」
A Letter to a Friend in Gaza /イスラエル / 2018 / 34分/
監督:アモス・ギタイ(Amos GITAI)
イスラエルによるガザ封鎖の過激化を受けて発表されたドキュメンタリー。イスラエル、パレスチナの俳優たちとギタイ本人がパレスチナ問題をめぐる様々なテキストを朗読し、コラージュされたガザの写真や映像がオーバーラップする。ヴェネチア映画祭で上映。
「名前のない墓」
Graves Without A Name /
カンボジア/ 2018 / 115分/
監督:リティ・パン (RITHY Panh)
多彩な文学作品を引用しつつ、クメール・ルージュの支配がいかに無軌道であったかが語られていく、リティ・パンの表現の現在における到達点とも言うべき作品。ヴェネチア映画祭の「ヴェニス・デイズ」部門のオープニング作品として上映された。
「8人の女と1つの舞台」
First Night Nerves /
香港/ 2018 / 100分/
監督:スタンリー・クワン(Stanly KWAN)
舞台復帰をめざすかつてのスターと、同じ舞台で初出演となる人気女優など、8人の女性たちが演技合戦を繰り広げる華麗なバックステージもの。香港、中国のスター女優たちが女性映画の名匠スタンリー・クワンの下に集結した。
「アルファ、殺しの権利」
Alpha, The Right to Kill /
フィリピン/ 2018 / 100分/
監督:ブリランテ・メンドーサ(Brillante Mendoza)
マニラの暗黒街で展開される麻薬戦争を真正面から扱った衝撃的な作品。子供たちの尊敬を集める父親でもある警察官の表と裏の生活がメンドーサ得意の手持ちカメラを駆使した映像で生々しくとらえられている。サンセバスチャン映画祭で審査員特別賞を受賞。
「あなたの顔」
Your Face /
台湾/ 2018 / 76分/
監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming Liang)
12人の人々、それぞれの顔がその人の生きてきた時間を映像の中に象徴的にあぶり出していく。本年度のヴェネチア映画祭でワールドプレミアを飾った、ツァイ・ミンリャン監督待望の最新作。音楽を坂本龍一が担当。
「盗馬賊」
The Horse Thief /
中国/ 1986 / 88分/
監督:
ティエン・チュアンチュアン(TIAN Zhuangzhuang)
1980年代の中国「第五世代」映画の傑作をデジタル修復版で上映。チベットを舞台に、家族を養うために馬泥棒を繰り返す男のたどる悲劇を荒涼とした風景の中に描く。文化人類学的ドキュメンタリーのようにとらえられたチベットの様々な風習が圧倒的な印象を残す。
「草の葉」
Grass /
韓国 / 2018 / 66分/
監督:ホン・サンス(HONG Sang Soo)
クラシック音楽が流れるカフェという極めて限られた舞台設定の中、言い争う男女を契機に思いもかけぬ人間関係が次々と展開し、ホン・サンスのミニマリスト的な才能が遺憾無く発揮された作品。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映。
日本の映画監督からは、斎藤久志、篠崎誠、豊田利晃、中江裕司とベテランの野心作から、奥山大史、近浦啓と若手の意欲 作まで一挙上映!
「PLANETIST」
PLANETIST /
日本 / 2018 / 166分/
監督:豊田利晃(TOYODA Toshiaki)
配給:VAP
東洋のガラパゴスと呼ばれ、類い稀な自然に囲まれた神秘と奇跡の島が東京都に存在する。その名は小笠原諸島。その島と共に生きる男がいる。宮川典継65歳。彼は生きる伝説のサーファーで、世界初のドルフィンスイムを確立した海のターザン。ここに、各分野のアーティストが呼ばれ、宮川の案内により、感受性の強い彼らの想像力が解き放たれ、誰も見たことのない小笠原が呼び出される。本作はそんな小笠原を記録するために移住した映画監督の豊田利晃が5年間をかけて完成させたドキュメンタリー。ディジュリドゥ奏者のGOMA、俳優の窪塚洋介、渋川清彦、ドラマーの中村達也、ギタリストのヤマジカズヒデが壮大な自然の中で演奏する場面はこの映画の白眉である。
「盆唄」
BON-UTA: A Song From Home /
日本 / 2018 / 134分/
監督:中江裕司(NAKAE Yuji)
配給:ビターズ・エンド
2015年、東日本大震災から5年経過した後も、福島県双葉町の人々は帰宅することができず、避難所での生活を送っていた。そんな双葉町の人々に希望を与えたのは、100年以上前に福島からハワイに移住した人々が伝えた盆踊りがハワイの日系人に伝承されているという事実だった。双葉町の人々は双葉盆唄を披露すべく、ハワイ・マウイ島に向かう。更に映画は、200年以上前、福島の相馬地方が凶作と疫病による人口減少の危機を迎えた時、500キロ以上離れた富山からの集団移民によって救われた事を明らかにする。故郷を離れ暮らす人々にとって心の拠り所となってきた盆唄。『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』の中江裕司監督が3年の歳月をかけて、土地に根差すルーツと伝統を絶やすまいと奮闘する人々を追った感動的なドキュメンタリーだ。
「共想」
Wish we were here/
日本 / 2018 /76分/
監督:篠崎誠(SHINOZAKI Makoto)
製作:コムテッグ
東京都内の新興住宅地で暮らす幼馴染みの珠子と善美。毎年誕生日にはプレゼントを交換するほど仲の良いふたりだったが、2011年3月11日、珠子の誕生日に起きた東日本大震災をきっかけに、ふたりの間に小さな齟齬が生まれる。地震で直接的な被害を受けたわけでもないし、喧嘩をしたわけでもないのに、同じ大学に通いながら、ふたりの間の距離は徐々に広がっていく。
「僕はイエス様が嫌い」★
Jesus /
日本 / 2018 / 76分/
監督:奥山大史(OKUYAMA Hiroshi)
製作:閉会宣言
祖母と暮らすことになった小学生のユラは、東京を離れて雪深い地方のキリスト教系の小学校に転校する。初めて経験する礼拝に戸惑いながらもクラスメイトたちと親交を深めてゆくユラ。ある日、礼拝中のユラの前に小さなイエス様が現れる。小さなイエス様はユラの願いを叶える。ユラは次第にイエス様の力を信じるようになってゆく…。サンセバスチャン映画祭の最優秀新人監督賞を受賞した本作は、22歳の新鋭映画監督・奥山大史が大学在学中に制作した長編デビュー作だ。子供たちの自然な演技を導き出した演出、的確に対象をとらえるカメラワークなど、様々な点で将来の可能性を感じさせる新人映画作家の登場である。
「空の瞳とカタツムリ」
Love Dart/
日本 / 2018 / 120分/
監督:斎藤久志(SAITO Hisashi)
配給:太秦
愛とセックスに悩み、戸惑う4人の若者たちを描く
祖母の遺したアトリエでコラージュ作品を作り続ける夢鹿
むじか
は生きる実感を持てずに暮らしていた。一方、夢鹿の大学時代の親友・十百子
ともこ
は潔癖症に悩まされ、男性と関りを持てずにいた。十百子を案じた夢鹿は友人の貴也に十百子と関係するよう持ちかけるが、十百子は貴也を受け入れない。やがて夢鹿の勧めでピンク映画館で働き始めた十百子は、映画館に出入りし体を売って金を稼いでいる鏡一という名の若者と出会う…。新進脚本家・荒井美早のオリジナル映画脚本を斎藤久志が映画化した本作は、他人との関わりにおいて不器用な二人の女性の間の濃密な感情を描く。斎藤監督特有の長回しの撮影の中、二人のヒロインを演じ切った縄田かのんと中神円が素晴らしい。
「Complicity(英題)」★
Complicity /
日本 / 2018 / 116分/
監督:近浦啓(CHIKAURA Kei)
製作:クレイテプス
中国河南省から技能実習生として日本に働きに来たチェン・リャンは、研修先企業から失踪し、不法滞在の身となる。故郷の母には研修を続けていると偽りながら斡旋される窃盗に手を染めていたチェン・リャンは、ひょんなことから他人になりすまし、山形の小さな蕎麦屋に住み込みで働き始める…。数々の国際映画祭で評価された短編映画を監督してきた近浦啓の長編デビュー作品は、一つの社会問題にもなった海外からの技能実習生を扱った作品だ。主役のチェン・リャンを演じるのは、グー・チャンウェイ監督作品『孔雀 我が家の風景』(03)で鮮烈なデビューを飾ったルー・ユーライ。厳格な蕎麦屋の店主を藤竜也が好演している。トロント国際映画祭でワールド・プレミア上映された。
日本でもファンの多いアミール・ナデリ初期作から最新作の特集
アミール・ナデリ監督の1970年代にイランで監督した初期作品と、今年、カンヌとヴェネチアで相次いで上映された脚本作と監督最新作を上映します。
上映作品
「ハーモニカ」
Harmonica /
イラン / 1974年 / 75分 /
監督:アミール・ナデリ(Amir NADERI)
ペルシャ湾に面した海辺の村を舞台にハーモニカの所有をめぐって子供たちが引き起こす騒動を描く。見方によっては強権的な政治体制のメタファーのようにもとれる作品。ドキュメンタリー的にとらえられたイラン南部の人々の生活の描写も興味深い。
「期待」
Waiting /
イラン / 1974年 / 43分 /
監督:アミール・ナデリ(Amir NADERI)
“映像詩”という言葉が完璧に合致する美しい作品。イラン南部の海辺の村を舞台に、氷でいっぱいにしたガラスの器を氷がとけないうちに家に持ち帰ろうとする少年の行動を一切の台詞を排して描く。少年が遭遇する神秘的な宗教的儀式が強烈な印象を残す。
「華氏451(2018)」
Fahreanheit 451 /
アメリカ / 2018年 / 102分 /
監督:ラミン・バーラニ(Ramin BAHRANI)/
脚本:アミール・ナデリ(Amir NADERI)
フランソワ・トリュフォー監督によって映画化されたレイ・ブラッドベリのSF小説「華氏451度」を『ドリームホーム99%を操る男たち』(16)のラミン・バーラニ監督が再映画化。在米イラン人監督であるバーラニが師とあおぐアミール・ナデリが脚本を担当している。主人公は、書物を読むことが禁じられた世界で、書物を燃やす職業“ファイアーマン”として働くガイ。自分の行いが正しいのかどうか悩むガイを『ブラックバンサー』(18)のマイケル・B・ジョーダンが好演。“ファイアーマン”の隊長役を演じるマイケル・シャノン(『シェイプ・オブ・ウォーター』(17))の臨場感溢れる迫真の演技も見どころだ。カンヌ映画祭でワールドプレミア上映を飾った。
提供:スターチャンネル
「マジック・ランタン」
Magic Lantern / アメリカ / 2018 年 / 88 分 / 監督:アミール・ナデリ(Amir NADERI)
ナデリが『ベガス』(08)以来久々にアメリカで撮影した最新作。古びた映画館で映写技師として働く若者を 主人公に、現実と幻想、映画へのオマージュが混淆された現代のお伽噺。ジャクリーン・ビセットが出演し ているのも見どころ。ヴェネチア映画祭で上映された。
※ もう 1 作品追加される場合がございます。追って公式サイトで発表いたします。
アミール・ナデリ Amir NADERI プロフィール
1945年、イランのアバダン生まれ。アッバス・キアロスタミやモフセン・マフマルバフらとともにイラン映画が国際的に脚光をあびるきっかけをつくった。テヘランでスチール・カメラマンとして活動後、「KhodaHafez Rafig (Good ByeFriend)」(71)で映画監督デビュー。『ハーモニカ』(74)以降は主に児童青少年知育協会をベースに活動する。『駆ける少年』(86)、『水、風、砂』(89)は両作ともナント三大陸映画祭グランプリを受賞、世界的にも高く評価された。その後アメリカに移住、現在はニューヨークを拠点に活躍している。日本でも劇場公開された『マンハッタン・バイ・ナンバーズ』(93)、カンヌやサンダンスで上映された「A, B, C ... Manhattan」(97)、『マラソン』(02)はニューヨーク三部作として高い評価を得ている。東京フィルメックスでは『マラソン』の他、『サウンド・バリア』(05)、『ベガス』(08)、『CUT』(11)は日本、「山<モンテ>」(16)を上映。『CUT』は日本、「山<モンテ>」はイタリアで撮影された。監督最新作「マジック・ランタン」(18)はヴェネチア映画祭で上映された。
そのほか各催事
国際批評フォーラム、今年も開催!
カンヌ映画祭批評家週間ディレクター、シャルル・テッソン氏の講演を始め、内外の優れた批評家 を招いたフォーラムを開催。
多様な観客に開かれた上映会「映画の時間プラス」
親子鑑賞用秀作アニメと聴覚障がい者向け日本語字幕付き上映を今年も実施。
タレンツ・トーキョー2018(TT)
今年 9 回目となるアジアの映画人材育成プロジェクト。
修了生の監督作でロカルノ最高賞受賞作「幻 の土地」とプロデュース作「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」がコンペ入り。
今年も「セブンチケット」と「vit」でチケットを11/3(土)より発売
速報!
「フィルメックス新人監督賞・シナリオ賞 supported by 木下グループ」開催決定
木下グループが 2016 年に開始した新人監督賞を継承し、シナリオ賞と合わせて実施します。
フィルメックス新人監督賞とは
撮影機材も編集方法もデジタル化が進み、誰もが簡単に映画を作れるようになりましたが、日本映画界の次代を担う新しい才能は、 まだまだ活躍する場を与えられていないのが現状です。
自主映画の映画祭などで賞を獲った後、どうすれば彼らが商業映画に進むことが出来るのか。ストーリーとアイデアがあっても、それを具現化する資金や術がない人たちは夢を実現出来ないのか。そんな才能溢れる若いクリエイターにむけて、我々は明確な道しるべを提示するために立ち上げられた<木下グループ新人監督賞>を継承し、<フィルメックス新人監督賞・シナリオ賞>として実施します。
プロ・アマ問わず、現実的な映画化を念頭においた企画を募集し、新人監督賞のグランプリ受賞作品は木下グループのバックアップにより製作・配給されます。
名称:<フィルメックス新人監督賞・シナリオ賞>
主催:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
特別協賛:木下グループ
応募期間:2018年12月1日から2019年1月31日
webサイト:2018年11月1日OPEN予定、 フィルメックスの公式サイト(filmex.jp
)にバナー設置予定
<受賞作品は>
シナリオ賞は、3の賞金を授与しますが、映画化については確約するものではありません
1.劇場公開に向けて開発!
配給会社を持ち、数多くの映画に参画する木下グループが劇場公開にむけての企画開発をバックアップします。映画化が実現した作品はキノフィルムズが配給いたします。
2. 5,000万円を上限とした製作費!
商業映画としてのクオリティを確保するための適性な予算を設定し、木下グループのプロデュースにより製作します。
3.映画製作費とは別に賞金を授与!
<グランプリ1本 賞金50万円、準グランプリ最大3本 賞金各25万円>を授与します。この賞金は映画製作費とは別に支払われます。
応募について
2018年11月1日に、公式サイトを開設します。
フィルメックスの公式サイト(filmex.jp)にバナーを設置します)。
公式サイトに掲載する「応募要項」をご確認の上、ご応募ください。
オンラインでの送信と書類の郵送の両方の送付が必要です。
応募期間:2018年12月1日から2019年1月31日まで。
審査結果は、2019年4月から5月頃に発表予定です。
第19回 東京フィルメックス / TOKYO FILMeX 2018
期間 :2018年11月17日(土) ~11月25日(日) (全9日間)
会場 :
【メイン会場】有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)11/18(日)〜11/25(日)
【オープニング/レイトショー会場】TOHOシネマズ 日比谷11/17(土)〜11/25(日)
【特別上映会場】有楽町スバル座 (11/17(土),11/18(日)のみ)
【併催事業:人材育成ワークショップ】<Talents Tokyo 2018>
11/19(月)〜11/24(土) 有楽町朝日スクエアB
主催:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
共催:朝日新聞社
助成:芸術文化振興基金、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
補助:JKA競輪公益資金
特別協賛:木下グループ
協賛:アニエスベー、エールフランス航空、バンダイナムコアーツ、関東製畳、KODAK、大韓航空、国連広報センター
特別協力:Festival Scope、ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
後援:千代田区(申請中)
協力:アテネ・フランセ文化センター、インターソース、TOHOシネマズ、東京学生映画祭
【共催企画Talents Tokyo 2018】
東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、国際交流基金アジアセンター、タレンツ・トーキョー実行委員会(東京フィルメックス)
提携:ベルリナーレ・タレンツ(ベルリン国際映画祭)
協力:ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター