10/27(土)〜ユーロスペースにて公開となるライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 監督の劇場未公開の2作品『13回の新月のある年に』『第三世代』の予告編が完成致しました。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。
反時代的、破壊的。
何よりも真に愛する人に捧ぐ―、たぶん?

物質的欲望の充足、無限の絶望の終焉。魂の破滅へ―。

『13回の新月のある年に』『第三世代』の予告編

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ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 監督『13回の新月のある年に』『第三世代』の予告編

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■ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー (1945-1982) RAINER WERNER FASSBINDER
1945 年 5 月 31 日、南ドイツのバート・ヴェーリスホーフェンに生まれる。
51 年に両親が離婚、 ファスビンダーは母リーゼロッテの許に引き取られる。
彼女は後にファスビンダー映画のレギュラー出演者となる。彼は高校卒業前に退学し俳優の勉強を始める。この時期ファスビンダー はベルリンに新設されたドイツ映画テレビアカ デミーの入学試験を受けるが合格しなかった。 その頃に数本の短編映画を作っている。
67 年より劇団「アクション・テアター 」に所属。そこにジャン=マリー・ストローブが演出家として招かれた上演は、映画『花婿、 女優、そしてヒモ』の一部として見ることができる。
68 年には仲間と共に劇団「アンチテアター」を設立し、俳優・演出・作家として活躍した 。
同時にこのメンバーによる挑発的かつ実験的な長編映画制作が始まる。とりわけ長編第 2 作『出稼ぎ野郎』は外国人労働者をテーマにして大きな反響を呼んだ。
1971 年アンチテアター解散の年、ファスビンダーはダグラス・サークのメロドラマ映画に感銘を受ける。彼は芸術的に様式化されしかも大衆に受ける映画を作ろうと志し、『四季を売る男』『フォンターネ・エフィー・ブリースト』等の代表作を生みだした。
1978 年『マリア・ブラウンの結婚』の成功により新しいドイツ映画をリードする存在として幅広く認められるようになった。そして 79 年には念願の企画である『ベルリン・アレクサンダー広場』映画化を実現する。
その後『リリー・マルレーン』や『ケレル』など国際的スターが共演する大作映画を撮り上げる。 ファスビンダーの映画は女性の抑圧、同性愛、ユダヤ人差別、テロリズムなどスキャンダラスなテーマが多い。それゆえドイツ国内では常に激しい論議を巻き起こしてきた。だがそうした厄介なテーマを提示しつつも、観客を飽きさせない娯楽映画の方法論を守り続けた。
彼は戦後ドイツにおいて映画産業の外部で映画活動に徹しながらプロの映画作法を身につけ、元来対抗文化であった「新しいドイツ映画」をメインストリームに押し上げた貴重な存在なのである。だが 1982 年 6 月 10 日に急死、それとともにドイツ・ニューシネマの一時代は終りを告げた。

◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden

鬼才ファスビンダーの核心をなす重要作!
製作・監督・脚本・撮影・編集・美術をファスビンダー 自身が担当した、自主製作映画!

画像1: ◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden
画像2: ◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden

7年おきに来る「太陰年」に、新月が13回巡る年が重なると、
なす術もなく破滅する者が幾人も現れる―。
エルヴィラは男性から女性へと性転換をした。
男装して街を彷徨い、男娼を求めるエルヴィラの「性」。
愛への憧憬と不安。孤独。パートナーとの別れ、
離別した妻子との対話、
幼少期を過ごした修道院のシスターが語る出生の秘密、
性転換手術を促した男アントン・ザイツとの再会…、
エルヴィラの最期の5日間。原案・製作・脚本・監督・撮影・
美術・編集をファスビンダー自身が手掛けた。
様々なイメージがセンセーショナルに提示される。
ファスビンダー、最大の「問題作」。

画像3: ◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden
画像4: ◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden

男性から女性に性転換をしたエルヴィラ。過去には結婚し娘もいるが、男装して男娼を買いに街に 出るような曖昧な性を生きている。一緒に暮らしていた男クリストフが家を出て行き、傷つくエル ヴィラを、仲の良い娼婦ツォラが支える。二人はエルヴィラがかつて働いていた精肉場を訪れ、育 て の 親 シ ス タ ー・グ ル ド ン を 訪 ね る 。エ ル ヴ ィ ラ は 過 去 を 振 り 返 ろ う と す る 。妻 イ レ ー ネ と 娘 マ リ アンとも会うが、それは昔の自分に戻れないことの確認することであった。 エルヴィラはアントン・ザイツという男に会いに行く。エルヴィラが性転換をするきっかけは、彼 へ の 愛 が あ っ た 。ア ン ト ン・ザ イ ツ は 強 制 収 容 所 を 生 き 延 び 、フ ラ ン ク フ ル ト の 大 物 と な っ て い た ...。

画像5: ◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden
画像6: ◎『13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden

・1978年/西ドイツ/124分/DCP
・製作・監督・脚本・撮影・編集・美術:ライナー・ヴェルナー・
ファスビンダー
・出演:フォルカー・シュペングラー、イングリット・
カーフェン、ゴットフリート・ヨーンほか
・日本語字幕:渋谷哲也

◎『第三世代』Die dritte Generation

「戦後世代」のファスビンダーによる、リアルな時代の ドキュメント!

画像1: ◎『第三世代』Die dritte Generation
画像2: ◎『第三世代』Die dritte Generation

意志と表象としての世界―。彼らも、我々も、
もはや何も理解できない。理解しようとはしない。
暴力で構成された社会に曝され、支配され、共感し、欲望し、
絶望する。怒りと悲しみとおかしみが横溢するこの世界は、
とっくに壊れている。革命への理念を持たず、
ただ目先のスリルだけを追い求める「第三世代」
のテロリストたち。彼らは企業と警察に利用され、
その煽動にのって誘拐事件を起こす…。言葉と音の叛乱。
ファスビンダーが放つ、「最も難解で自由な作品」。

画像3: ◎『第三世代』Die dritte Generation
画像4: ◎『第三世代』Die dritte Generation

1970 年代末期のベルリン。企業家 P・J・ルーツは、自身の事業ではるコンピューター販売の不振 を憂う中で、一つの着想を持った。この都市でテロ事件が起これば、警察が捜査用にコンピュー タ ーを導入する、というものであった。そのルーツの秘書ズザンネは地下組織のメンバーで仲間と共 にテロを計画している。夫のエドガーもそのメンバー。そのグループには「革命」のような思想や 理念はなく、ただスリルに耽溺した遊びであった。リーダーはアウグストと言う男であるが、こ の アウグストはルーツと通じており、全ては企業と権力の手中にあるのだった...。

画像5: ◎『第三世代』Die dritte Generation
画像6: ◎『第三世代』Die dritte Generation

・1979年/西ドイツ/109分/DCP
・製作・監督・脚本・撮影:ライナー・ヴェルナー・
ファスビンダー
・出演:フォルカー・シュペングラー、ビュル・オジェ、ハンナ・
シグラ、ハリー・ベア、ウド・キアー、マーギット・
カーステンゼン、エディ・コンスタンティーヌほか
・日本語字幕:渋谷哲也

10月27日(土)〜ユーロスペースにて2作品一挙ロードショー

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