6月30日から全国劇場公開中の枝優花監督『少女邂逅』が新宿武蔵野館でインディーズ映画としては異例の再延長を重ね、2ヶ月のロングラン上映中(8月31日まで公開予定)。
この度、公開直前に参加した第21回上海国際映画祭の模様のレポートをご紹介します。
登壇者
枝優花監督×モトーラ世理奈×土山茜
香港国際映画祭に続きアジア2カ国目の招待となった『少女邂逅』(英題『Girls' Encounter』はパノラマ部門に選出され、上海天山電影院や上海最大級のシネコンPalace IMAXで満席で迎えた
舞台挨拶は、終始歓声が沸き熱狂的なファンが集まった。
当初1回だった舞台挨拶が即日ソールドアウトしたのもあり、急遽もう1日追加する異例の上映となった。ある中国女性ファンはQ&A中に壇上まで飛び出してモトーラ世理奈さんと抱擁する場面もあった。サイン会も実施し、2日間とも長蛇の列に。
上映後のQ&Aでは観客から沢山の質問が飛び交いました。
枝監督へは、「映画の中で伝えたいことは何ですか?」との質問に対し、
「誰もが生きている中で自分中心に自分中心で物事が回っていると思うのですが、この登場人物たちも勝手に自分本位に想像している。見えているもの、そこに存在しているもの、その裏にあるものを混在して描きながら、本質を見つめた。」と答えた。
また、「女性の弱さが描かれていたと思いましたが、どのようなメッセージを込めていますか?」という問いには、「置かれている立場がたまたまそういう状況だっただけで、フェミニストというわけではない。10代の時期の、性についてぐるぐる考えていたものが反映されている。」
一方出演のモトーラは、「どういう役作りをされましたか?」との質問に対し、「紬役は自分とは正反対で難しいと思っていましたが、監督と話していくうちに、自分と近い部分を見つけていくことができた。」と強く語った。
映画「少女邂逅」予告編
[STORY]
いじめをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ(保紫萌香)。
ミユリの唯一の友達は、山の中で拾い「紬」と名付けた蚕。」窮屈で息が詰まるような現実から、いつか誰かがやってきて救い出してくれる──といつも願っていたミユリだったが、いじめっ子の清水に蚕を捨てられてしまう。そんなある日、絶望したミユリの学校に「富田紬」という少女(モトーラ世理奈)が転校してくる──。
「少女邂逅」
保紫萌香 モトーラ世理奈
土山茜 秋葉美希 近藤笑菜 齋木ひかる 里内伽奈 根矢涼香 杉山拓也 松澤匠 松浦祐也
監督・脚本・編集:枝優花
劇中歌・主題歌:水本夏絵
撮影:平見優子|照明:佐久間周平|録音:小川賢人| ラインプロデューサー:jon
スタイリング :松田稜平|ヘアメイク:七絵|特殊造形:土肥良成 美術:杉山拓也|映像投影:阪実莉
スチール:秋山大峰|音楽:大石峰生
企画:直井卓俊
製作:2017「少女邂逅」フィルムパートナーズ
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
カラー|ステレオ|シネマスコープ|101分
©2017「少女邂逅」フィルムパートナーズ