鈴木三重吉による児童文学誌「赤い鳥」が刊行された大正7年(1918年)――ある二人の男の友情によって、この先100年にわたり日本人の心を動かす「歌」が生まれた…。

“童謡”の誕生から100年である今年、稀代の天才詩人・北原白秋の波乱に満ちた半生を、秀才音楽家・山田耕筰との友情とともに描き出す映画『この道』。
今年2月にクランクアップし、日本映画では初の試みとなる箱根の老舗・富士屋ホテルでの撮影も実現したことで注目された本作は、2019年1月11日(金)全国公開されることが決定しました。

哀愁、笑い、そして、感動を呼び起こす珠玉の人間ドラマ『この道』

100年前、それまで日本の子供たちの唄う歌は♪通りゃんせ、♪はないちもんめ、といった伝承の「わらべうた」か、♪ちょうちょう、♪ぶんぶんぶん、といった明治開国で日本に入ってきた「ドイツ童謡」を日本語訳した歌だった。

<日本の子供たちに、日本人による「童謡」を創ろう!>と児童文学誌「赤い鳥」を発刊した文学者・鈴木三重吉は、独特なリズムがある奇抜な詩で名を馳せていた詩人・北原白秋と、ドイツ留学を経て日本で初めて交響楽団を結成した音楽家・山田耕筰に童謡創作の白羽の矢を立てる。

自由奔放な天才詩人・北原白秋、私生活では酒に溺れ、不貞をはたらくトンデモ男。洋行帰りでやたら真面目な秀才音楽家・山田耕筰。天才と秀才、性格も生き方も異なる二人に立ちはだかる時代の波に、彼らは歌で立ち向かう――。最初は才能がぶつかり反目する二人はあることがきっかけで手を取り合い、「からたちの花」や「この道」、「待ちぼうけ」や「鐘が鳴ります」など、数々の童謡を世に出していく。しかし、戦争の足音によって二人は苦悩の淵に…。

日本文学・音楽界に名を残す自由奔放な天才詩人・北原白秋を演じるのは、『ハゲタカ』(09)で日本アカデミー賞優秀男優賞を獲得し、今や日本映画に欠かせない演技派俳優大森南朋。
西欧音楽の普及に尽力し、白秋と共に数多く名曲を世に送った秀才音楽家・山田耕筰を、俳優として活躍の場を広げ、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙―サイレンス―』(17)ではハリウッドデビューも果たしたEXILEのAKIRAが熱演。
ほか、二人を引き合わせた鈴木三重吉に柳沢慎吾。白秋を見守る与謝野鉄幹・晶子夫妻には松重豊
、羽田美智子、波乱の多い白秋の人生の中、そばで支える妻に貫地谷しほり、松本若菜を迎え、更に、ラジオ本放送時に「からたちの花」を歌唱した歌手役で由紀さおり・安田祥子姉妹が出演。
『半落ち』(04)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得した日本映画界の名匠・佐々部清監督
がメガホンを取り、『かぐや姫の物語』(13)、『恋は雨上がりのように』(18)の坂口理子
が脚本を務め、キャスト、スタッフ共に映画界を代表する豪華布陣で、2019年新春映画として全国公開を迎える。

画像: ©LDH JAPAN

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この度、本作の主題歌に、日本を代表するダンス&ボーカルグループ「EXILE」ボーカルのATSUSHIが歌唱する童謡「この道」が決定した。
本作の主人公である<北原白秋>が作詩を担当し、<山田耕筰>が作曲を務め、今もなお歌い継がれている童謡を、日本が世界に誇るボーカリスト・EXILE ATSUSHIが歌い上げている。
過去、2012年に発表された、自身初となる童謡唱歌のカヴァー曲「ふるさと」や2013年発表のシングル曲「懺悔」のカップリング曲として唄われた「赤とんぼ」に続き、本作が童謡唱歌カヴァー3曲目となり、EXILE ATSUSHIの童謡唱歌カヴァー曲が映画の主題歌として起用されることは初となる。
なお、日本の音楽シーンで欠かすことのできない音楽プロデューサー・武部聡志が編曲を担当し、現代人の心に深く染み渡る彩りを放っている。

また、本作の音楽は、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』や『ラストゲーム 最後の早慶戦』などの映画音楽のみならず、「金田一少年の事件簿」や「犬夜叉」などアニメ音楽や「キングダムハーツ」シリーズなどのゲーム音楽、更にはクラシック音と、幅広いジャンルの音楽を世に送り続けている作曲家・和田薫が務めている。

北原白秋、山田耕筰の2人が紡いだ「童謡」は日本人の心の琴線に触れ、その後、日本の歌、日本人の心の故郷として親しまれ、100年を経た今でも歌い継がれている。これまで描かれることのなかった人間・北原白秋が歩んできた道…時代に翻弄されながら、自由に、且つ、奔放に生きた稀代の詩人・北原白秋の人生とは?時代を超え、100年を超えた今でも歌い継がれる名曲誕生の裏側には、現代にも通じる数々のドラマが隠されていた…。

<EXILE ATSUSHIさんコメント>

Q:「この道」を唄ってみて

この歴史的な童謡を歌えることにまず、感動と喜びを感じます。歌ってみると、意外に変拍子が入っていたり、難しさもあったのですが、日本の原風景が勝手に思い浮かんでくる感覚には驚きました。そして、”あぁ そうだよ”というフレーズが毎回出てくるのですが、同じ フレーズでも、頷く感じの”あぁ”もあれば、驚いた”あぁ”もあります。そして過去に想いを馳せる”あぁ”と、幸せなため息の”あぁ” …。すべての”あぁ”に違った感情と想いを入れるのがとても感慨深く、この歌の素晴らしさを感じながら歌うことができました。

Q:童謡とは

歌うたびに、細胞やDNAが震える感覚というか、自分が日本人であることへの誇りや、感謝などを感じるものです。
新しくできた曲とはまた少し違い、歴史も感じますし、その楽曲を作られた先人の方々の、とても深い想いを感じます。

Q:メッセージ

童謡や、美空ひばりさんの楽曲を歌わせていただくようになってから、自分の音楽への想いがまたさらに深いものになりました。
この映画を観ていただき、“この道”を聴いていただいて、また日本の素晴らしさや、先人の方々の想い、そしてATSUSHIの想いにも感じていただきながら、みなさんの人生に照らし合わせて、聴いていただけたら嬉しいです。

<音楽プロデューサー武部聡志さんコメント>

ATSUSHIとのセッションではいつも彼の圧倒的な声力(こえぢから)に驚かされる。これまでにいくつかのカバー作品を共にしてきたが、ATSUSHIの声が持つ、あたたかさ、甘さによって楽曲がオリジナルとはまた違った「輝き」を放つのだ。今回、日本人なら誰もが一度は口ずさんだ事のある、童謡の名曲中の名曲『この道』。ATSUSHIの情感たっぷりの、かといって唄いあげ過ぎない抑揚の効いたヴォーカルによって、今この時代に生まれた新曲のような「輝き」を持った作品に生まれ変わったのではないだろうか。この作品をきっかけに、日本のトラディショナルソングである童謡に再びスポットライトが当たる事を期待している。

<佐々部清監督コメント>

「この道」は子供の頃から、いろんな歌手や合唱団などで歌われてきた曲です。僕も中学の頃、同級生たちと歌った記憶があります。いろいろな「この道」を聴いてきました。
ATSUSHIさんの「この道」は聴いたことのない「この道」でした。
道がテーマなので、地面を強く踏みしめるような感覚を感じたいのです。混声合唱などが合うのでしょうか。けれども、今回の「この道」は宙を歩いている感覚。でもフワフワしているわけでなく、強いのです。不思議な感覚です。白秋と耕筰の「この道」がまた新しく蘇ったように思います。

<北原白秋・山田耕作の童謡について/作曲家 和田薫さんのコメント>

日本人にとって童謡とは、心の故郷であり、私たちの音楽の原点です。その礎を築き、日本音楽の黎明期を共に歩んできた北原白秋と山田耕筰は、我々作曲家にとってレジェンドでありヒーローです。しかしその創作活動の苦労苦難は「産みの苦しみ」だけでなく、日本音楽の創世という十字架も背負っていました。それまでの伝統邦楽から音楽への進化は、まさに“夜明け”の時代の象徴であり、日本音楽の歴史そのものです。佐々部清監督との初タッグの映画「この道」、レジェンドの二人が如何に童謡を生み出していくか、人間味溢れる展開をご期待下さい。

映画『この道』特報(主題歌入り)映像

画像: 映画『この道』特報(主題歌入り)映像 youtu.be

映画『この道』特報(主題歌入り)映像

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[STORY]
九州柳川から文学を志し上京した北原白秋。隣家の美人妻・俊子に気もそぞろ。逢瀬を俊子の夫に見つかり姦通罪で入獄。白秋の才能を眠らすまいと与謝野夫妻が奔走し釈放されるが、恩も顧みずのうのうと俊子と結婚。その刹那、俊子は家出、白秋は入水自殺を図るが蟹に足を噛まれ断念。そんなおバカな白秋と洋行帰りの音楽家・山田耕作に鈴木三重吉は童謡創作の白羽の矢を立てる。才能がぶつかり反目する二人だが、関東大震災の惨状を前に打ちひしがれた子供たちを元気づけるため、手を取り合い数々の童謡を世に出す。しかし、戦争の暗雲が垂れ込める中、子供たちを戦場に送り出す軍歌を創るよう命ぜられた二人は苦悩の淵に・・・。

◆タイトル : 『この道』  
◆監督 : 佐々部清(『陽はまた昇る』、『半落ち』、『八重子のハミング』) 
◆脚本 : 坂口理子(『マッサン』、『かぐや姫の物語』、『メアリと魔女の花』)
◆出演 : 大森南朋、AKIRA ・ 貫地谷しほり、松本若菜 ・ 柳沢慎吾、羽田美智子、松重豊 
◆配給 : HIGH BROW CINEMA 
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2019年1月11日(金)全国公開

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