『ミッドナイト・イン・パリ』では 1920 年代黄金時代のパリへ、『カフェ・ソサエティ』では 1930 年代のハリウッドへと観客をタイムトリップさせたウディ・ アレン監督が、ケイト・ウィンスレットを主演に迎え、1950 年代の NY を舞台にした『女と男の観覧車』が 6 月 23 日(土)公開いたします。
舞台は 1950 年代、NY・コニーアイランド。女と男の恋と欲望、嘘と裏切りを乗せて、まわり続ける観覧車。そこから見える景色は、うっとりするほど美しいけれど、同じ場所を回転するだけで、どこにもたどり着けない―夢のように美しい映像で人生の切なさを描ききった、ウディ82歳にしての恐るべき野心作が誕生。
本作の公開を記念して、ファン投票で選ばれたウディ・アレン監督作 3 作品を上映するウディ・アレン特集を開催し、音楽家・文筆業の菊地成孔さん、映画ライターの森直人さんによるトークイベントを行いました!
数々の名作を生み出し、アカデミー賞®で作品賞1回、監督賞1回、脚本賞3回を受賞している巨匠ウディ・アレン監督。
ロマンティックでちょっとビターな人生ドラマの数々を、82 歳の今も、毎年撮り続けるウディについて、様々な視点から熱く語っています。
『女と男の観覧車』公開記念ウディ・アレン特集上映トークイベント
ほぼ満員で開催された『ミッドナイト・イン・パリ』のトークイベント付き上映。音楽家・文筆業の菊地成孔さんと映画ライターの森直人さんが大きな拍手で迎えられ登場!
菊地さんより「みなさんの中で『ミッドナイト・イン・パリ』を初めてご覧になる方いらっしゃいますか?」との問いかけで、初めて鑑賞する人が数名いることが判明。
「ひとネタの作品なので、ネタバレしないで話すのは難しいな…」と言いつつも、本作の魅力について菊地は「構造的にとても工夫がなされていて、映画のバランスが素晴らしい!ウディ・アレンの作品は凡打もあるけどこれはホームラン!」と絶賛。
ウディ・アレン作品のベスト作品について森に聞かれると、初期は『アニーホール』、『マンハッタン』。中期は『カイロの紫のバラ』。そして後期は『ミッドナイト〜』という選出をした。
そして、ウディ・アレン監督最新作の『女と男の観覧車』について話題が移ると、菊地は「ウディの作品は、いろんなジャンルでフォルダ分けできるのだけど、これは、『ブルージャスミン』と同じフォルダに入りますね!昔イケてた女性の末路は…!という話です。
ウディは、若い女性(のキャラクター)を天使のように扱うけれども、昔ブイブイ言わせていた女性にはものすごく冷たいんですよ。」「元女優のケイトがジャスティン・ティンバーレイクに引っかかったのが運の尽き、という話なのだけど、そのケイトの演技は本当に素晴らしい!」と主演のケイト・ウィンスレットをベタ褒めした。
そして、「ウディは過去のパートナー、ミア・ファローとの破局によって新しい作風が生まれたんですね。女優の高いプライドは勘弁してよ、という経験を無駄にしていない。こういうところはゴダールと似てますよね。」とプライベートでの経験を見事に映画に反映させていると解説。
最後に「毎回のようにおもしろい。『ブルージャスミン』もだいぶ残酷だけど、『女と男の観覧車』も、終わった後の苦味は半端ないです。」との熱い解説に観客はウディ・アレン監督最新作に期待をよせていました。
<ストーリー>
ウエイトレスのジニー(ケイト・ウィンスレット)は、回転木馬の操縦係を務める夫のハンプティ(ジム・ベルーシ)、そして自身の連れ子と観覧車の見える部屋で暮らしている。実は彼女は夫に隠れて、監視員のアルバイトしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と付き合っていた。
平凡な毎日に失望していたジニーは、彼との未来を夢見ていた。だが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていた夫の娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れたことから、全てが狂い始めるー。
監督/脚本ウディ・アレン『カフェ・ソサエティ』『ミッドナイト・イン・パリ』
出演ケイト・ウィンスレット『愛を読むひと』『タイタニック』ジャスティン・ティンバーレイク『ステイ・フレンズ』『TIME/タイム』ジュノー・テンプル『リトル・バード164マイルの恋』『トランストリップ』ジム・ベルーシ『K-9/友情に輝く星』『ゴーストライター』
2017年/アメリカ/英語/カラー/101分/アメリカンビスタ/原題:WONDER WHEEL
Photo by Jessica Miglio © 2017 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.