6月16日(土)より新宿ピカデリー、6月23日(土)より角川シネマ新宿にて「小津4K 巨匠が見つめた7つの家族」 を開催されることが決定致しました。
小津安二郎は、黒澤明、溝口健二と並び、世界に誇る日本の巨匠で、今もなお国内外で高い評価と支持を得ております。
その小津安二郎監督の生誕 115 年にあたる今年、来月 5 月のカンヌ国際映画祭にて『東京物語』の 4K デジタル修復版ワールドプレミア上映が決まりました。
また新たな節目として企画された本特集は、父と娘、大家族、夫と妻、親と子、夫婦と夫の愛人、父娘と母娘、旅一座(※血縁関係のない家族)の様々な「家族」の形を描いた、珠玉の 4K デジタル修復版全7作品をセレクトしたことが最大の特徴です。
「家族」という普遍的な姿を徹底的に見つめ、その姿を時にはユーモラスに、時には冷徹な視線で描いた作品が、鮮やかにスクリーンに蘇ります。
日本の映画史に燦然と輝く 7 つの名作たち。
新旧映画ファンにお楽しみ頂ける贅沢な本特集と共に、色褪せる事なく、輝きを放つ作品の魅力が詰まったポスタービジュアルが完成しました! 『東京物語』『東京暮色』『お茶漬の味』『早春』は本特集上映が 4K デジタル修復版での日本初上映の場となります!
小津安二郎
1903年12月12日、東京市深川区万年町(現在の東京都江東区深川)生まれ。
小学校の代用教員を経て、1923年松竹キネマ蒲田撮影所に撮影助手として入社、1926年演出部に移り、翌1927年『懺悔の刃』で監督デビュー。1949年『晩春』は、野田高梧との共同脚本、独自の撮影手法、原節子や笠智衆の起用など「小津調」と呼ばれる戦後の小津の作品スタイルを確立、大きな節目の作品となった。
1953年未完成だったシナリオを練り直し、『東京物語』(53)を発表。家族の在り方を問う本作は小津映画の集大成であり、後世に語り継がれる代表作となった。1958年紫綬褒章を受章、翌59年には映画人として初めて日本芸術院賞を受賞。世界レベルで評価が高まるも、病に倒れ1963年12月12日60歳の誕生日に逝去。生涯映画監督本数54本。溝口健二、黒澤明と並び国際的に最も支持される、日本が世界に誇る映画監督で、遺した作品は国内外問わず現代でもオマージュを捧げられているなど、数多の映画人に今なお影響を与え続けている。
上映作品(7作品)
東京物語
(1953年/モノクロ/ 135分/スタンダード/松竹)
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春 美術:濱田辰雄 音楽:齋藤高順
出演:笠智衆、東山千榮子、原節子、杉村春子、山村聰、
三宅邦子、香川京子
幾度もリメイクされている、映画史上燦然と輝く小津安二郎の最高傑作
尾道に暮らす老夫婦(笠・東山)が子供たちに会う為東京に出て来るが、長男・幸一(山村)や長女・志げ(杉村)らは日々の生活に追われ両親にかまってやれない。そんな寂しい思いをする2人を慰めたのは、戦死した次男の嫁・紀子(原)だったが…。
晩春
(1949年/モノクロ/ 108分/スタンダード/松竹)
原作:廣津和郎(「父と娘」より) 脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春 美術:濱田辰雄 音楽:伊藤宜二
出演:笠智衆、原節子、月岡夢路、杉村春子、青木放屁、
宇佐美淳、三宅邦子、三島雅夫
父と娘の深い愛と絆を描く、原節子記念すべき小津作品出演第1作
大学教授の周吉(笠)は娘・紀子(原)と2人暮らし。紀子は妻を亡くした父に尽くし嫁に行けずにいた。
そんな中、紀子に縁談が持ち上がり、周吉は自分も後妻を取ると紀子に告げる…。
早春
(1956年/モノクロ/ 144分/スタンダード/松竹)
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春 美術:濱田辰雄 音楽:齋藤高順
出演:淡島千景、池部良、高橋貞二、岸惠子、笠智衆、山村聰、
杉村春子、田浦正巳
倦怠期にある若い夫婦の危機と再生をシリアスに描いた人間ドラマ
サラリーマンの正二(池部)と妻・昌子(淡島)は結婚8年の共働きの夫婦。子供を失って以来、関係は冷え切っている。そんな中、正二は毎朝同じ通勤電車に乗り合わせる内に親しくなったグループのひとり・千代(岸)と成り行きで一夜を共にしてしまい…。
麥秋 <ばくしゅう>
(1951年/モノクロ/ 124分/スタンダード/松竹)
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春 美術:濱田辰雄 音楽:伊藤宜二
出演:原節子、笠智衆、淡島千景、佐野周二、三宅邦子、
菅井一郎、東山千榮子、杉村春子
戦争の傷を抱え生きる家族の崩壊と再生、人間の無常を描く珠玉の名作
北鎌倉に大家族で暮らす間宮家の長女・紀子(原)は会社の上司から縁談を持ち込まれる。しかし紀子は戦死した兄の親友で、妻を亡くした子持ちの謙吉との結婚を決めてしまう…。
東京暮色
(1957年/モノクロ/ 140分/スタンダード/松竹)
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春 美術:濱田辰雄 音楽:齋藤高順
出演:原節子、有馬稲子、笠智衆、山田五十鈴、高橋貞二、
田浦正巳、杉村春子、山村聰
主人公に“光”が与えられない― 衝撃の辛口ホームドラマ
銀行員の周吉(笠)は、妻と自分の部下が駆け落ちして以来、男手ひとつで子供たちを育てて来たが、長女・孝子(原)は夫とうまく行っておらず、幼い娘を連れて実家に戻って来る。一方、短大を出たばかりの次女・明子(有馬)は男に騙され妊娠してしまう…。
お茶漬の味
(1952年/モノクロ/ 115分/スタンダード/松竹)
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春 美術:濱田辰雄 音楽:齋藤一郎
出演:佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、笠智衆、
淡島千景、津島恵子、三宅邦子、柳永二郎
身分や価値観の異なる夫婦のすれ違いと和解を描く感動作
田舎出身の茂吉(佐分利)は真面目で質素な生活を好む男。一方、上流階級出身の妻・妙子(木暮)はそんな夫の野暮さが気に入らず、友人のアヤ(淡島)や長兄の娘・節子(津島)らと遊びに出かけることで鬱憤を晴らしていたが、茂吉が海外出張に行くことになり…。
浮草
(1959年/カラー/ 119分/スタンダード/大映)
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:宮川一夫 美術:下河原友雄 音楽:齋藤高順
出演:中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、川口浩、杉村春子、
野添ひとみ、笠智衆
人の心の美しさを溢れる詩情で謳いあげ、胸打つ哀愁と感動で全編を貫く文芸巨篇
志摩半島の小さな港町に旅役者の一座の乗った船が着く。そこには団長・駒十郎(中村)が飯屋のお芳
(杉村)との間にもうけた息子・清(川口)がいる。駒十郎の連れであるすみ子(京)は彼らの関係を疑い、座員の加代(若尾)に清を誘惑させるようとするが…。
「小津4K-巨匠が見つめた7つの家族-」特集上映 予告
<トークショー> 小津作品を彩った、超豪華2大女優の登壇が決定!
ゲスト:香川京子(女優) 6月23日(土) 10:00『東京物語』 上映後
ゲスト:有馬稲子(女優) 6月24日(日) 10:00『東京暮色』 上映後
<前売鑑賞券情報>絶賛発売中!
1回券1,000円(税込)
※劇場窓口にて各種前売鑑賞券をお買い求めの方に限り、特製ポストカードをプレゼント。
※限定につき、数に限りがございます。
※前売券の販売は新宿ピカデリーが6/15(金)まで、角川シネマ新宿は6/22(金)まで。
(なお、6/16(土)以降、角川シネマ新宿にてご購入された前売券は角川シネマ新宿でのみご使用頂けます。新宿ピカデリーでは使用できません。)