近年、“ダイバーシティ”という言葉が注目され、様々な分での多様性が認められるようになっています。
映画界でも同性の両親を持つ家庭、シングルマザーとレズビアンの祖母とそのパートナーと暮らす過程など、多様な家族が描かれています。
そのようなダイバーシティ家族を描いた映画には感動作が目白押し!
今、それらの名作を振り返って観ましょうー
『キッズ・オールライト』 (2011年4月29日公開)
Story:
カルフォルニアに、レズビアンカップルのニックとジュールス、ニックの 18 歳の娘ジョニ、同じ父親から精子提供を受けたジュールスの 15 歳の息子レイザー の 4 人家族が暮らしていた。レズビアンの母二人とそれぞれの子供という、いびつな家族だが、楽しく愛情に満ちた生活を送っていた。
しかし、大学進学のための1 人暮らしを機にジョニは、自分たちの医学上の父親・ポールに興味を持ち、レイザーと共に会いに行くことに。レストランを経営し、自由な独身生活をするポールに 親しみを感じた二人。しかし、親二人にポールと会ったことがばれ、家族崩壊の危機が訪れる。
どんな形であっても、共に生きていくことで家族になれる。何があっても家族はやり直せる。
そして、本当の愛情とは何かを優しく教えられる、感動のヒューマンドラマ。
『人生はビギナーズ』(2012年2月4日公開)
Story :
奥手な性格の 38 歳独身のオリヴァー。母が亡くなってから 5 年後、父からゲイであることを突然告白される。それと同時に年の若い男性アンディとの 恋愛や、ゲイの友人たちに囲まれて人生を楽しんでいた。オリヴァーはそんな父から影響を受けていくのだが、末期ガンに侵された父は亡くなってしまう。 父の死から数か月後、オリヴァーはフランス人女優のアナと出会う。
オリヴァーは恋愛を楽しんでいた父の姿を思い出し、勇気を出してアナに想いを告げることに。精 神的に不安定な父を持つアナと、ゲイでありながら女性と結婚した父に納得がいかないオリヴァー。
お互い父親に複雑な感情を持っているもの同士、恋愛に支障 を及ぼしていたが、少しずつ解決しようと歩みだしていく。 父の突然のカミングアウト、そして生き生きと男性と恋を楽しむ姿に、自分が変わる勇気と深く人と関わることのすばらしさを学んだ一人の男の物語。
男も女も関係ない素敵な恋に、主人公オリヴァーと同じく、恋をする勇気をもらえる作品となっている。
『チョコレートドーナツ』 (2014年4月19日公開)
Story :
1979 年のカリフォルニア。歌手を夢見ながら、ショーパブでパフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと心を通わせ 合い、交際を始める。
ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコが、危険薬物を所持し逮捕された母親のために、施設へと隔離された事実を知 る。繰り返されるマルコの脱走に心を痛めたルディは、ポールを説き伏せてマルコを引き取りともに暮らそうと提案。
同性愛の恋人同士であることを伏せ、法的手続 きによりマルコの監護者となった二人は、本当の両親のようにマルコに愛情を注ぎ、三人で幸せな日々を送るのだが・・・
1970 年代の同性愛者や社会的弱者への容赦ない差別と偏見が描き出されると同時に、同性愛者やダウン症などの枠を超え、人と人が家族になることを 求める気持ちの普遍性が描かれた話題作!!本当の両親のようにマルコを育てる、ルディとポールの姿に血のつながりは関係ない、家族の幸せな姿を感じ させられる。
『あしたは最高のはじまり』 (2017年9月9日公開)
Story :
南仏の海辺の町で、観光客を乗せるヨットの仕事をしながら、気楽な暮らしを送るサミュエル。
ある日、関係を持ったことすら覚えていない、クリスティンと 名乗る女性が現れ、生後 3 か月の赤ん坊グロリアをサミュエルに託していく。
サミュエルはクリスティンを追ってロンドンへと向かうが、子育てに自信を失くした彼女は失踪してしまう。 言葉も通じない異国でサミュエルを救ったのは、彼にひと目惚れしたゲイの TV プロデュ―サーベルニー。彼は、サミュエルにスタントマンの仕事を紹介し、大きな家にグロリア共々居候させる。
8 年後、スタントマンとして大成功を収めているサミュエルのマネージャーとして、グロリアは撮影現場に同行するようになる。二人を支えてきたベルニーは、グロリアのもう一人の父親のような存在として絆を深めていく。男手ふたつに血がつながっているかわからない子一人、‟普通で はない“家族ではあったが、幸せいっぱいの家族だった。 しかし「ママに会いたい」と懇願するグロリア。
本当のことを打ち明けろとベルニーはサミュエルに忠告するが、 サミュエルは告白できなかった。そんな時、クリスティンから突然、グロリアにメールが届く。 血縁関係があるかわからないグロリアを世話するうちに、父親としての自覚が芽生えるサミュエル、サミュエルにひと目惚れし二人を支えるベルニー、そんな二人の男手に育てられたグロリア。
3 人が少しずつ家族としての絆を深める様子に心が温かくなり、まさかのラストに涙必至の感動作!
同性の両親を持つ家庭、血の繋がっていない親子、すこし変わった家族でも、‟普通“の家族と同じように愛し愛され生活している。ときにはその変わっている点がトラブルを呼び寄せても、家族の力で乗り越えるという名作たちです。
新たなダイバーシティ家族を描く感動作『アバウト・レイ 16歳の決断』
そんなダイバーシティ家族の感動作に新たな名作が生まれました。
2月3日公開される『アバウト・レイ 16歳の決断』です。
『マレフィセント』のオーロラ姫役で一躍人気を博し、ソフィア・コッポラの新作など出演作が相次ぐエル・ファニングがトレンドマークのロングヘア―から一転、本当の自分を求め、心も身体も男になると決断したトランスジェンダー(FTM)の主人公・レイを熱演。
そして、アカデミー賞に 2 度のノミネートを誇るナオミ・ワッツが、 恋多きシングルマザー・マギーに、名優スーザン・サランドンが、破天荒なレズビアンのおばあちゃん・ドリーに扮します。
最初は「レイの決断」に戸惑いながらも、次第に誰よりもレイの一番の理解者となっていく二人。
ぶつかり合い、傷つけ合っても、家族だから何度でもやり直せる―。新しい時代の新しい家族の形が、観る者に大きな愛を惜しみなく与えてくれる、感動の物語の誕生です。
レイの‟心身共に男として生きるという決断“に戸惑いながら、わが子の幸せを真剣に考え、 悩み、様々な問題を乗り越えていく家族たちの優しさを感じられる”今”の家族を描き切った作品となっている。
そしてこの度、エル・ファニングが本作の魅力について語る、インタビュー映像が到着!!
エル・ファニングは「ティーンエイジャーのレイは様々な悩みを抱えている。母親とレズビアンの祖母たちとニューヨークで暮らしているの。ティーンというだけでも 悩みは絶えないでしょ?レイはさらに悩みを抱えていて、女性の体で生まれて きたものの男性になりたいと思っているの。だから数年ほど前から男性のように 振舞っている。男性っぽい格好をしたり髪を短く切ったりしてね。」と思春期の悩みに加えて、性別の悩みも抱えているレイというキャラクターの複雑さ語った。
そしてエルは「大人は 10 代の子と話す時よくこう言うわ。“若いから何も分かっていない。重要な決断を下せるはずがない”と。でも彼らも何が大事かは分 かっているのよ」と本作にも描かれる、母と子の衝突について応えた。
「母親はレイの決断を応援してくれていて、レイはそれに救われる。親は必ず しもそうではないしね。」と本作に描かれる家族の優しさについて語ると「悩みや問題だけに焦点を当ててない点が気に入った。トランスジェンダーの話ではなくどちらかというと家族の物語なのよ。」と本作はレイ一人の物語ではなく、レイの決断にみんなで向き 合う家族の物語であることを語ると、続けて「コメディの要素もあるわ。客席からは、きっと笑い声が沸き起こるはずよ。」とコメディ要素も詰まった本作が笑いを起こすことを自信たっぷりに語った。
本編映像と併せたエル・ファニングのインタビュー映像は笑いと感動の物語の本作への期待感を高める映像となっている。
(園田恵子)
エル・ファニングの特別映像『アバウト・レイ16歳の決断』
STORY
「誕生日の願い事は毎年同じだ。“男になれますように”」
16 歳になり、身も心も男の子として生きたいと決断した主人公・レイ(エル・ファニング)。医者から受け取ったホルモン治療に ついての見慣れない資料に呆然とするシングルマザーのマギー(ナオミ・ワッツ)は、「突然、息子を育てることになるなんて・・」 と、動揺を隠せない。共に暮らすレズビアンのおばあちゃんのドリー(スーザン・サランドン)もレイのカミングアウトをイマイチ 理解ができないでいる。一方、髪を短く切り、身体を鍛え、少しずつ“本当の自分”に近づいていくことで生き生きしてくるレイ。 そんな姿を見てマギーは意を決して、治療の同意書のサインをもらうために、何年も会っていない別れた夫に会いに行くのだが、そ こでまさかの“家族の秘密”が明らかになる―!
<自分自身に正直に生きる>ためのレイの決断とはー? 新たな人生を歩き出す人へ贈る、希望の物語
原題:3 Generations 監督:ゲイビー・デラル
出演:ナオミ・ワッツ、エル・ファニング、スーザン・サランドン、リンダ・エモンド、テイト・ドノヴァン、サム・トラメル
配給:ファントム・フィルム
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