アカデミー賞の前哨戦として知られる英国で最も権威のある映画賞である第 71回英国アカデミー賞のノミネーションが発表され、『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』にて、 大富豪ジャン・ポール・ゲティを演じた名優クリストファー・プラマーが、助演男優賞にノミネー トされた。
クリストファー・プラマーは、本作の中で重要人物としてかなりの大部分に出演しており、セクハ ラ問題により降板したケヴィン・スペイシーのピンチヒッターとして急遽代役で演じたにもかかわらず、 見事乗り切り、アカデミー賞有力俳優に上り詰め、まさに映画俳優としての実力を見せつける 形となった。
“世界中のすべての金を手にした”と言われた大富豪ジャン・ポール・ゲティ(C・プラマー)。
愛する 17 歳の孫ポールが誘拐され 1700 万ドル(約 47 億円※)という破格の身代金を要求されたゲティは、こともあろうかその支払いを拒否。彼は大富豪であると同時に、稀代の守銭奴だったのだ。
離婚によりゲティ家から離れ中流家庭の人間となっていたポールの母ゲイル (M・ウィリアムズ)は、息子のために誘拐犯のみならず世界一の大富豪とも戦うことに。
一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫る。しかし、事件は思いもよらぬ展開へと発展していく。昨日まで普通の母親だった人間が、世界中の金(All the Money in the World)を手にした男と手段を選ばない犯人グループにどう立ち向かうのか?
息子の命を救えるのは母の愛か、金の力か?
重厚なドラマと最後まで目が離せないスリリングな展開に期待が高まる(※事件が発生した 1973 年 11 月当時の 為替レート 1 ドル=278.263 円で算出)。
出演は、実力派のミシェル・ウィリアムズ、マーク・ウォールバーグに加え、アカデミー賞受賞のケビン・スペイシーがゲティ役で出演・・・するはず だった。しかし、ハリウッドの大プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラ告発に端を発した一連の騒動から派生し、12 月の全米公開を目前に、あろうことかケビン・スペイシーの降板劇が発生。
お蔵入りすらささやかれた本作だが、急遽、オスカー俳優のクリストファー・プラマーをゲティ役に抜擢。
ミシェル、マーク、そしてスタッフが一致団結して短期間での再撮影を敢行、この再撮影には 1000 万ドルもの費用がかかっ たが、C・プラマー以外のキャストはなんとギャラなしで臨んだ。
また、ハリウッドでは、ゴールデングローブ賞授賞式にて女優たちが黒いドレスを着用するなど、セクハラ問題に対して抗議したが、こうした動きに合わせ今回のクリストファー・プラマーとリドリー・スコットの再撮影という決断は、今後も注目を集めそうだ。
監督:リドリー・スコット
脚本:デビッド・スカルパ
出演:ミシェル・ウィリアムズ クリストファー・プラマー ロマン・デュリス チャーリー・プラマー and マーク・ウォールバーグ
原作:ジョン・パーソン ”Painfully Rich: The outrageous Fortunes and Misfortunes of the Heirs of J.Paul Getty”
配給:KADOKAWA
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