今、最も若手監督に愛される俳優、木村知貴
インディペンデントからメジャーまで数多くの映画作品に出演し続けている魅力に迫る
cinefil独占インタビュー

画像: 木村知貴

木村知貴

酒とたばこと音楽をこよなく愛するイメージの俳優、木村知貴。
彼は、インタビューの場所である渋谷の映画館の前のタイ料理屋に普段着のままふらりと現れた。
飾らない魅力、俳優、木村知貴のインタビュー。

◎俳優になるきっかけ

直接、自分からではないんですよ。関西の大学、卒業してふらふらしてたんですけど、自主映画をつくっている友人に声をかけられて、ちょっと出演したのがきっかけですね。

それまで映画は沢山観ていたんですけど、演技の勉強も全くしてないし、それまで俳優になろうなんてこれっぽっちも思ってなかったです。
しばらくそんな感じで友人の作品に出ていたりしたんですけど、だんだん興味を持ち始めて、自分で探しはじめて、大阪のCO2のオーディションに応募したりとか。

こんな感じで関西圏で活動していて、それから上京しました。
東京のほうがオーディションなんかも多いし活動の幅を広げようと思って。
柄本明さんの『東京乾電池』の研究生になって1年間くらいやってました。

学生の時はシンガー・ソングライターになりたかったんですけど。自分の身体をつかって何か表現できるっていうか。
いざ、自分で詩を書こうとしても何も出てこなくて、俳優は、脚本もあるし監督の考え方もあるし、台詞を自分の中に入れて外に出すっていう表現が、ぴったりはまったんですね。

◎映画・俳優について語る

やはり自分は、映画が好きだから映画に出ているんでしょうね。
自分にとってみれば、映画はメジャーもインディペンデントも一緒だと思っています。
役に向かう気持ちや演技も自分自身では、現場の大きい、小さいで、変わることはないですし、映画にかける想いっていうのは、監督もスタッフも予算の大小はあれど関係ないんじゃないかなあ。

映画館の暗闇って、非日常的じゃないですか。自分の知らなかった世界や、時に実生活では見ちゃいけない世界を観せてくれる。

そもそも「人間」って何なんだろう?ってのがずっと根底にあって、それが知りたくて、でも未だに分からなくて、だから親から貰ったこの身体を通して人間っていうのを知るために俳優を続けている気がします。 俳優を始めるのが遅かったんで、本格的に始める前に鏡の前で自問したんです。もしダメだったら公園に住む覚悟あんのかって。今もその覚悟は変わりません。

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◎これまで出演した作品で印象に残っている作品

大阪芸大の卒業製作の作品で『籠魚』っていう作品があるんですけど、その作品は、1ヶ月位、合宿撮影していて自分の中ではとても印象深い作品ですね。
1ヶ月、ほぼ軟禁状態(笑)で奈良や大阪で撮影して、その期間は自分でも役を演じるという事を深く考える時間だったんですね。
今でも、ああ、自分はあの時の自分の芝居を超えられているのかな、なんて、よく考えます。
上映される機会も少ない作品なんですけど、自分にとっては転機となる作品でしたね。

画像2: ✴︎cinefilインタビュー  今、最も若手監督に愛される俳優、木村知貴。インディペンデントからメジャーまで数多くの映画作品に出演し続けている魅力ー

◎夢はおじいちゃん役

最終目標は、おじいちゃん、笠智衆さんみたいなおじいちゃん役やりたいです。
早くおじいちゃんを演じたくて、今は役者を続けてます。
これから積み重ねていく時間や経験が積み重ならないと、おじいちゃん役ってできないと思っていて。
だから今の年齢で出来る役を一つ一つ真剣に向き合って年齢を重ねていきたいです。

■後記
「普段の生活?酒呑んで、映画観て(笑)
新宿が近いんで、自転車で映画、観に行ったり。
夜は寝るのは遅い方かなあ、あんまり寝れないんですよ、大体、酒呑んでます。
で、昼くらいにムクムク起き上がって」
ちょっと照れながら煙草を吸う仕草が様になる。

今後の出演作は、

『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(二宮健監督)
新宿武蔵野館|2017年10月21日~

『世界を変えなかった不確かな罪』(奥田裕介監督)
新宿K’s cinema|2017年12月9日~

『枝葉のこと』(二ノ宮隆太郎監督)
第70回ロカルノ国際映画祭、第36回バンクーバー国際映画祭、
第22回釜山国際映画祭

『犬猿』(吉田恵輔監督)テアトル新宿ほか|2017年2月~

『菊とギロチン』(瀬々敬久監督)2018年夏~公開予定


■撮影協力:クルン・サイアム渋谷文化村通り店
 http://www.krungsiam.info/shopinfo_dougenzaka.html

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