『彼女がその名を知らない鳥たち』ワールド・プレミア in トロント国際映画祭
ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに「究極の愛とは何か」と突きつけ、
読者を虜にした沼田まほかるの 20 万部を超える人気ミステリー小説の待望の映画化!
蒼井優、阿部サダヲW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』が
10月28日(土)より新宿バルト9他、全国ロードショーいたします。
メガホンを取るのは『凶悪』(13)、『日本で一番悪い奴ら』(16)の白石和彌。
ノンフィクションを原作に骨太な社会派エンターテイメントを作り出してきた
彼が、初めて本格的な大人のラブストーリーに挑みます。
W主演の蒼井優、阿部サダヲの二人に加え、松坂桃李、竹野内豊といった
実力確かな豪華俳優陣が織りなす“全員最低なのにまぎれもない愛の物語”が描かれる本作。
蒼井優演じるクレーマーで自分勝手な女・十和子や、
阿部サダヲ演じる不潔で下劣、そのうえ十和子に異様な執着を見せる男・陣治、
松坂桃李演じる一見誠実そうな風貌ながらとにかく薄っぺらな水島、
竹野内豊演じる十和子の昔の恋人であり、自身の出世や保身のためなら
女を道具に使うことも厭わない黒崎と、全員共感度0なクズなキャラクターたちばかり。
この度、現地時間9月13日(日本時間9月14日)、
第42回トロント国際映画祭(カナダ・トロント)にて
本作のワールド・プレミアが開催され、白石和彌監督が登壇!
世界の舞台で遂にそのベールを脱いだ“かの鳥”が、
トロントを熱狂の渦に包みました!
添付にてイベントレポートをお送りさせていただきますので、
ご確認いただき、ニュース掲載をご検討いただけますと幸いです。
<イベントレポート>
米・アカデミー賞レースの始まりを告げる北米最大規模の映画の祭典“トロント国際映画祭”。
本作は、コンテンポラリー・ワールドシネマ部門(Contemporary World Cinema)という
「世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品」をセレクションする部門に選出されており、
世界初のお披露目となるこのワールド・プレミアの舞台に白石和彌監督が登壇。
注目の作品をいち早く観ようと集まった観客で埋めつくされたトロントの会場では
泣いている観客の姿が多数みられ、万雷の拍手が鳴り響くなか
現地の観客から日本語で「この映画は凄い、オメデトウ」と声をかけられると、
白石監督は「ありがとうございます。嬉しいです。」と感無量の様子で挨拶。
Q&Aコーナーでも多くの質問に1つ1つ丁寧に答え、
「個人的には特に(阿部サダヲ演じる)陣治に感情移入をしました。
陣治の愛の証明の仕方は誰にでもできるものではないし、
心が張り裂けそうな気持ちになりました。
(対する十和子役は)原作を最初に読んだときに蒼井さんが思い浮かびました。
他の人にはオファーしておらず、蒼井優さんじゃなければ成立しなかったと思います」と、
主演の蒼井さん、阿部さんの2人を絶賛しながら振り返り、
時間ギリギリまで質問が飛び交う大盛り上がりぶり。
終了後には、会場の外で観客を出迎えた白石監督が
「とても感動した!ありがとう!」とサイン攻め、握手攻めにあう光景も見られるなど、
共感度0%、不快度100%の“まぎれもない愛の物語”がセンセーションを巻き起こしました!
世界の舞台でそのベールを脱いだ、日本が誇る実力確かな豪華俳優陣の熱演、
そして白石監督が初めて挑んだ本格的な大人のラブストーリー“かの鳥”。
本映画祭の最高賞となる観客賞(People’s Choice Award)は期間中に作品を見た
一般の観客の投票によって決まりますが、過去に観客賞に輝いた作品には
『ラ・ラ・ランド』(2016・第41回)、『英国王のスピーチ』(2010・第35回)、
『スラムドッグ$ミリオネア』(2008・第33回)など、アカデミー賞作品賞をはじめ
数々の賞を総ナメにするなど大きな話題を集め、日本でも大ヒットを記録した作品ばかり。
邦画作品では北野武監督『座頭市』(03)が同賞を受賞しており、
邦画作品として14年ぶり受賞の快挙となるか、期待がかかりますー
ワールド・プレミア in トロント国際映画祭
<以下、Q&Aコーナー抜粋>
Q:監督ご自身はこの映画をどのように捉えていますか?
白石:
個人的には特に(阿部サダヲ演じる)陣治に感情移入をしました。
自分も家では奥さんに足蹴にされることがあるので(笑)。
陣治の愛の証明の仕方は誰にでもできるものではないし、
心が張り裂けそうな気持ちになりました。
タイトルが『彼女がその名を知らない鳥たち』と、
内容とばっちりシンクロしているものではないと思ったので
自分もずっと考えていたんですが、
“鳥”は彼女にとって知らないものである、知らない愛がある、
ということなのではないかなと思います。
Q:この映画のテーマは「陣治の愛」だと考えていますか?
白石:
そうですね、「陣治の愛」もそうですし、大切なものは常に隣にある。
日本の芸能スキャンダルはいま“不倫”が全盛時代を迎えていて
そのニュースが多い中で、真実の愛はフラフラっと来たいい男よりも
僕みたいなブサイクな男にあるんじゃないかと(笑)。
それがひとつの大きなテーマです。
Q:キャスティングや演出はどうしたのでしょう?
白石:
(蒼井優演じる)十和子の大事なシーンを撮っているときに、
蒼井優さんに「どういう表情していいかわからない」と言われたんです。
彼女の人生を想像した時、僕は凄い素敵だと思う、
豊かな人生が待っているんじゃないかなと、
そう話したら、少しだけ泣きながらも、何とも言えないいい表情をしていた。
素晴らしい女優です。原作を最初に読んだときに蒼井さんが思い浮かびました。
他の人にはオファーしておらず、蒼井優さんじゃなければ成立しなかったと思います。
Q:音楽や、壁が倒れたり砂が降ってきたり、
少し不思議なギミックのある演出のインスピレーションはどこから受けましたか?
白石:
日本映画は70年代や80年代の映画ではそうだったのですが、
僕も低予算の良質なアート系映画に取り組んでいて、
例えお金が無くても何かいろいろな表現方法にチャレンジしていた時期があって、
そういった時代の映画が僕も好きなので手法を少し取り入れました。
共感度 0%、不快度 100%!
蒼井優&阿部サダヲ『彼女がその名を知らない鳥たち』予告
<物語>
八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。
下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、
彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、
十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、
彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から
「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、
「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、
執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、
黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、
水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める――
蒼井優 阿部サダヲ
松坂桃李 / 村川絵梨 赤堀雅秋 赤澤ムック・中嶋しゅう / 竹野内豊
監督:白石和彌
原作:沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」(幻冬舎文庫)
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作:映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
配給:クロックワークス
(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
2017年/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/123分 【R15】