現存するリドリー・スコット監督の最初の作品で16mmで撮られた短編映画『Boys on a bicycle』。
ロンドン王立美術大学に在学中の61年頃に撮影され最終的に65年に造られており、主演は弟のトニー・スコット起用しています。
リドリー・スコット監督はこの後、主にテレビなどで活躍していますが、映画では出世作の『エイリアン』が1979年ですし、長編での初監督作品と言われる『デュエリスト 決闘者』も77年とされていますから、それより10年以上前の作品ということからも、原点となる作品ですね。
単に、トニー・スコットが演じる主人公が学校をサボって、自転車に乗って浜辺の周りで1日を過ごすというシンプルな内容ですが、モノクロで叙情的なイメージの中にも非凡な才能の片鱗はこのころから感じられます。
今作はもともと、英国のBFI(英国映画協会)の実験映画基金のようなところからサポートを受けています。また、メインのタイトル曲はあの『007 ドクター・ノオ』をはじめとする007シリーズで著名な作曲家のジョン・バリーがこの若いアーティストのためにほとんどギャラなしで協力したというトリビアも残っています。
トニ・スコット主演 リドリー・スコット監督『Boy and Bicycle』 (1965)
これはリドリー・スコットとトニー・スコットがこの作品について語っている、これもまた貴重な映像です。