この度、7/7(金)公開映画『ボンジュール、アン』、7/22(土)公開映画『君はひとりじゃない』、8/5(土)公開映画『夜明けの祈り』という3本の女性監督が描く良質の作品がこの夏公開されます。
先日行われた第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて女性監督として56年ぶり史上2人目となる監督賞をソフィア・コッポラが受賞し、女性監督の存在感をアピールしたことで今、女性監督に目を向けられているのではないでしょうか?
そこでこの夏公開の女性監督作品を監督が俳優陣に指示をし、いきいきと仕事をする姿の写ったメイキング写真と共にご紹介致します!
まずは、
7/7(金)公開映画『ボンジュール、アン』
エレノア・コッポラ監督
家族のために生きてきた50歳のアン(ダイアン・レイン)が夫の友人であるジャック(アルノー・ヴィアール)とのひょんなことから始まったフランスでのよりみち旅の中で自分の人生に向き合う姿を描いた作品です。
こちらの作品の監督はカンヌで監督賞を受賞したソフィア・コッポラの母、エレノア・コッポラ。
彼女が80歳で長編デビューを果たした本作は彼女自身の実体験を元にしたという。だからといって彼女の旦那様フランシス・コッポラへの悪口を映画にしたわけではありません。
「悪い夫と魅力的なフランス人男性の戦いにしたくなかった。だからジャックには一貫性を亡くしたの。彼はチャーミングだけれど、不快な質問をアンにしちゃったりね。」と監督。
彼が導く旅でアンが女性の大好きな、美しいもの、美味しいものに触れ合いながら自分の人生を見つめ直す心の旅を楽しめる1本です。本作の中にはぜひとも日本男子にマネしてもらいたいデートテクがたくさん!
車が故障したから川岸で“即興ピクニック”なんて素敵なデートテクも出てきます!
続いては、
7/22(土)公開映画『君はひとりじゃない』
マウゴシュカ・シュモフスカ監督
母の死に上手く向き合えずに心が離れてしまった娘オルガ(ユスティナ・スワラ)と父ヤヌシュ(ヤヌシュ・ガヨス)、不思議な力を持ったセラピスト・アンナ(マヤ・オスタシェフスカ)が織りなす絆の再生を描いた作品です。
こちらの監督、マウゴシュカ・シュモフスカは第65回ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞し、“WE DO IT TOGETHER”という女性の権限をテーマにしたジョディ・フォスターやペネロペ・クルスも所属するフィルムメーカー組織の一員でもあります。
今作の原題は“BODY”。制作のきっかけについては「身体にはたくさんの異なる意味があるというアイディアはずっと頭にありました。身体というものは―物理的なものであれ、霊的なものであれ、死んだものであれ―物体として取り扱われることもあれば、崇拝されることもあり、憎まれることもあります。だからこの物語は身体というテーマから生まれてきたとも言えるのです。オルガは自分の身体を嫌い、不要なものとして見ています。また、ヤヌシュは検察官という仕事柄、死体を単なる物体として見ている。そしてアンナは自分のセクシャリティを失っています。3人とも自らの肉体に閉じこもっているのです。」と主要人物3人それぞれの“BODY”を繊細に描いた監督。
それぞれが抱える孤独を救う、誰もが心が温まる瞬間がラストに待っています!
最後は、
8/5(土)公開の映画『夜明けの祈り』
アンヌ・フォンテーヌ監督
フランス赤十字に属する医師マチルド(ルー・ドゥ・ラージュ)が、ポーランドの修道院でソ連軍の蛮行により身ごもり、過酷な現実と神への信仰の狭間で葛藤する修道女たちの唯一の希望となり奮闘する姿を描いた、女性の強さを伝えてくれる作品です。
こちらの監督は元女優でもあるアンヌ・フォンテーヌ。『ココ・アヴァン・シャネル』(‘09)では様々な賞の候補に名を連ね、賞レースを賑わせました。
本作は1945年にポーランドで実際に起きた出来事、実在のフランス人医師の手記をベースにしており、フォンテーヌ監督はきちんとした知識をもってテーマに取り組むため、修道院で実際に修練者として生活をしたという。
「母性と信仰に関しての自問は私が探求したかったテーマでした。この筆舌に尽くしがたい出来事を描写するために、女性たちの内面で起こっていたであろうことに可能な限り近づきたいと思いました。」と本作の主人公マチルド同様におぞましい犯罪の犠牲者となりながらも、誰をも責めず、誰をも憎まず、ただ神に赦しを請うひたむきなシスターの情感に寄り添う監督。
暗く悲惨な実話をベースにしながらも美しく仕上がった本作に観た人すべてが希望をみつけられる崇高な感動作となっています。
■7月7日(金)公開『ボンジュール、アン』
【STORY】
誰にでも、人生の分かれ道はやって来る。夫を支え、仕事に子育てに邁進し、自分のことはあとまわしにて生きてきたアンは夫の仕事仲間のフランス人男性・ジャックと、カンヌからパリへと車で向かうことになる。美味しい食事にワイン、美しい景色、ジャックとのユーモアと機知に富んだ会話を味わううちに、生きることの喜びを取り戻していくアン。本当は何が好きで、どんな才能を秘めていたか、“忘れていた自分”と出会ったアンが見つけた、この先の人生の扉を開く鍵とはー?
監督&脚本:エレノア・コッポラ
出演:ダイアン・レイン、アルノー・ヴィアール、アレック・ボールドウィン
the photographer Eric Caro
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
7月7日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショー
■7月22日(土)公開『君はひとりじゃない』
【STORY】
突然、母親を失ったオルガ(ユスティナ・スワラ)とその父(ヤヌシュ・ガヨス)。オルガは心身を病んでしまいちと屋に対して心を閉ざす。ヤヌシュは喪失感を拭えず、検察官として事件現場に立つも人の死に対して何も感じなくなっていった。オルガは父を、そして自らの体を嫌悪し、日々、やせ細っていく。父と娘の間には埋められない溝ができていた。そんな娘を見かねた父親がセラピストのアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)の元に通わせる。オルガはそこでリハビリを行っていくが、アンナのセラピーは、普通では考えられない方法だったー。
監督:マウゴシュカ・シュモフスカ
出演:ヤヌシュ・ガヨス、マヤ・オスタシェフスカ、ユスティナ・スワラほか
(C)Nowhere sp. z o.o., KinoŚwiat sp. z o. o., D 35 S. A., Mazowiecki Fundusz Filmowy 2015 all rights reserved.
配給:シンカ
7月22日(土)よりシネマート新宿、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
■8月5日(土)公開『夜明けの祈り』
【STORY】
1945年12月のポーランド。赤十字で医療活動を行う若きフランス人女医マチルドのもとに、悲痛な面持ちで助けを求めるシスターがやってくる。修道院を訪れたマチルドが目の当たりにしたのは、ソ連兵の蛮行によって身ごもり、信仰と現実の狭間で苦しむ7人の修道女だった。そこにある命を救う使命感に駆られたマチルドは、幾多の困難に直面しながらも激務の合間を縫って修道院に通い、孤立した彼女たちの唯一の希望となってゆく……。
監督&翻案:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ルー・ドゥ・ラージュ、アガタ・ブゼク、アガタ・クレシャ
配給:ロングライド
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8月5日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開