2017 年 8 月 19 日(土)より映画『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』がシアター・イメージフォ ーラムほか全国順次公開いたします。

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1933 年、日本統治下の台湾。 日本語で台湾文学を創造しようとした若き台湾詩人たちは、 二二八事件、白色テロ、時代のうねりに巻き込まれていく――。

80 年以上の時を経て、台湾で注目を集めるモダニズム詩人団体「風車詩社」(ふうしゃししゃ)。
日本近代詩の先駆者であり世界的評価を得ているモダニスト西脇順三郎や瀧口修造などの、日本文学者たちから刺激をうけ、日本文学を通してジャン・コクトーなどの西洋モダニズム文学に触れる中で、台湾の若きシュルレアリストたちの情熱は育まれていった。

近年、懐日ブームの台湾では、『KANO 1931 海の向こうの甲子園』『湾生回家』など日本統治時代に関連する映画が多く作られている。ホアン・ヤーリー監督は台湾でも忘れられた存在であった「風車詩社」の美しく軽やかな詩に魅せられ、関係者への取材、綿密な資料調査を行い、台湾、日本の忘れられた文学の 1 ページに新たな光をあてた。

忘却の彼方に置き去りにされていたモダニズム詩人団体「風車詩社」の文学を通して、当時の台湾と日本の関係、文学的交流、そして政治弾圧という社会的な側面を浮き上がらせてくる。 台湾発・社会派文芸映画!

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僕たちは日曜日、台南の街を散歩しながら詩を語る。 日本語で新しい台湾文学を作ろうとした、僕たちの時代。

1933 年、日本統治下の台湾に登場したモダニズム詩人団体、「風車詩社」。日本の文学者たちとの交流や、留学先の日本で最先端の文化や芸術に触れる中で、西洋モダニズム文学の波は、台湾の若き詩人たちに大きな衝撃をもたらした。彼らは、仕事が休みの日曜日になると、古都・台南を散歩しながら、シュルレアリスム詩について語り合った。母国語ではない日本語で詩作する事への葛藤と哀しみを抱きつつ、彼らは自分たちの台湾文学を築こうと模索した。1945 年、日本の敗戦を経て、戦後は蒋介石の中国国民党による独裁時代へと移っていく。1947 年の二二八事件では、風車詩社の主要メンバーであった楊熾昌(よう・ししょう)と張良 典(ちょう・りょうてん)が無実の罪で入獄させられ、1952 年には白色テロによって李張瑞(り・ちょうずい)が銃殺された。植民地支配、言論弾圧という大きな時代の渦の中に埋もれていった創作者たち。その情熱は現代を生きる私たちに、何を問いかけてくるのか。

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■60 年代以来シュルレアリスムの研究と実践を進めながら、多岐にわたる分野で自由な執筆を続けている、 巖谷國士氏よりのコメント

■巖谷國士 (仏文学者・批評家・作家)
1930 年代、帝国日本の圧制と差別と治安維持法のもとで、日本語の表現しかできなかった台南の若い詩人たちは、日本経由で西欧のモダニズムに目ざめ、美しい「共謀」を試みて挫折した。シュルレアリスムは未消化に終ったが、80 年後、新しい映像の冒険が彼らを蘇生させ、独自のシュルレアリスムの方法で一篇の叙事詩を実現する。貝殻や果実や蝶、絵や写真やオブジェたちの驚異。ソルヴェイグの歌の切なさ。いまファシズム再来の危機を拒もうとしている隣国で、ホアン・ヤーリーの明敏な歴史感覚と詩的精神を称えたい。

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■カンヌ国際映画祭を揺るがす若き俊英・映画監督・深田晃司氏よりのコメント

■深田晃司 (映画監督)
風車詩社の詩人たちの日本語はとても美しい。 美しいがゆえに、私たちの胸を痛みとともに締めつける。 詩人たちが生まれたとき、そこはすでに日本の植民地であった。 詩の輝きは彼らのものだ。しかしそこには常に同化政策の影と不条理が付き纏う。 映像も音響も詩もまるで等価であるかのようにただスクリーンに差し出されてゆく。 物語としての熱狂を糊塗することなく恐ろしくシンプルに差し出される日本と台湾の歴史の断片。 これは過去の話ではない。今を生きる私たちと地続きの映画である。

画像: 文芸版・悲情城市-『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』予告 youtu.be

文芸版・悲情城市-『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』予告

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監督:黃亞歷(ホアン・ヤーリー)
プロデューサー:黃亞歷(ホアン・ヤーリー)、張紋佩(チャン・ウェンペイ)、張明浩(チャン・ミンハオ) 撮影:黃亞歷(ホアン・ヤーリー)、蔡維隆(ツァイ・ウェイロン)
出演:梁俊文(リァン・チュンウェン)、李銘偉(リー・ミンウェ イ)、沈君石(イアン・シェン)、沈華良(イーブン・シェン)、何裕天(デヴン・ホー)
原題:『日曜日式散歩者』 / 制作:本木工作室 、目宿媒體
配給:ダゲレオ出版
配給協力/宣伝:太秦
監修:大東和重
協賛:株式会社遊茶
後援:台北駐日経済文化代表処、台湾新聞社
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2015|台湾|カラー|DCP|5.1ch|162 分

8 月 19 日(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開!

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