日本人初!インデペンデント・スピリット・アワード
"ジョン・カサヴェテス賞"ノミネート!!
福永壮志監督『リベリアの白い血』
『これは移民の物語であり、アメリカンドリーム。
そしてそれをどう手に入れるかについて描いている。』
エヴァ・デュヴァネイ監督『グローリー/明日への行進』
☆ 重要で普遍的な映画だ -- IndieWire
☆ 村上涼の仕事は強く記憶されるだろう -- Village Voice
☆ 福永はシスコのシンプルかつ美しいリベリアの生活をアメリカンドリームに力強く対 位するものとして描いている。 -- LA タイムズ紙
この度、福永壮志監督長編デビュー作となる映画『リベリアの白い血』2017年8月5日より日本公開が決定いたしました。
今作によって、ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品、また、米インディペンデント映画界の最重要イベントの一つインデペンデント・スピリット・アワードにおいて日本人として初めてジョン・カサヴェテス賞にノミネートされました。
第 65 回 ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品
第 21 回 ロサンゼルス映画祭 最高賞受賞
第 31 回 インデペンデント・スピリット・アワード ジョン・カサヴェテス賞 日本人初のノミネート!
あなたの知らない“移民”の世界がここにはある。
本作は内戦の傷痕が色濃く残るリベリアで、政府公認の映画組合と共に制作された初めての映画である。後半には移民の街・NY に舞台を移し、アメリカで生きるアフリカ 系移民の日常が鮮烈に描かれる。
主人公・シスコを演じるは、自身もゴム農園で働いた経験のあるリベリア人のビショップ・ブレイ。映画初出演ながら堂々たる演技で、リベリアと NY で揺れる男の感情を見事に体現した。また日本でも根強い人気を誇る元バトルスのタイヨンダイ・ブラクストンが音楽を担当し、映画を引き立たせている。
ベルリン、カンヌが惚れた若手日本人監督と、
制作中に病死した天才カメラマンによる心魂のフィルム!
NY を拠点に活動している監督の福永壮志は、本作が長編デビュー作ながらその手腕が認められ、ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品された。また『サウルの息子』のネメシュ・ラースロー監督などを輩出した、カンヌ国際映画祭が実施する若手監督育成プログラムに選出され、いま欧米で注目を高めている日本人監督である。
そして撮影の村上涼もまた NYを拠点に世界での活躍を期待された逸材だったが、リベリアでの撮影中にマラリアにかかり、悔しくも 33 歳という若さでこの世を去った。
【 リベリアの解説 】
リベリア共和国はアメリカで解放された黒人奴隷によって建国され、国名はラテン語 の Liber(自由)に由来している。1980 年代から 2000 年代に 2 回の内戦が起きて おり、劇中でもその影響が垣間見える。内戦後リベリア政府はリベリア映画組合を設 立、本作は同組合にとって初めての共同制作作品である。完成後は『グローリー (2014 年)』の監督、エヴァ・デュヴァネイが本作を大変気に入り、自身が指揮する 配給会社 ARRAY により全米各地で上映された。
DIRECTOR’S STATEMENT / 監督より
この映画は、リベリア部分の撮影監督を務めた村上涼が自主制作していたドキュメンタリーから着想を得ています。自分にとって同じニューヨークの映像関係で活動する日 本人として先輩であり、義兄弟でもあった村上は、2007 年と 2008 年にリベリアに行き、ゴム農園の労働者のドキュメンタリーを撮影しました。プロジェクトの制作を手伝う中で、映像に写っていた、過酷な労働の中でも尊厳とひたむきさを保ち、たくまし く生きる労働者達の姿に強い感銘を受け、当時構想していたニューヨークに住む移民の映画の主人公の背景を、リベリアのゴム農園の労働者に設定することに決めました。
インターネットで何もかも知ることができる現代では、“知らない”ということも一つの選択として違う意味を持つようになったと感じます。普段の日常品をただ使って捨てるのではなく、その裏側に関心を持ち、そこで働く人たちを想像することで、消費に対する向き合い方が変わるのではないかと思います 。そのように広い思いやりの気持ちを持つことは、アメリカをはじめとした世界各国が排他主義に移行している近年、より一層必要とされていることのように感じます 。
僕が生まれた場所や文化は、リベリアのそれとは大きく違いますが、この映画を通して伝えようとしているテーマは普遍的なものです。日本人がリベリア人の映画を撮るというのではなく、同じ人として人間を描くということを念頭に、この映画の制作に取り組みました。それぞれの背景にかかわらず、映画を見て頂いた方々に共感を持って鑑賞して頂けることを願っています。
監督•脚本:福永壮志 – Takeshi Fukunaga
北海道出身でニューヨークを拠点にする映画監督。 2015 年に初の長編劇映画となる本 作『リベリアの白い血』(原題:Out of My Hand)がベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品される。同作は世界各地の映画祭で上映された後、ロサンゼルス映画祭で最高賞を受賞。米インディペンデント映画界の最重要イベントの一つ、インディペンデ ント・スピリットアワードでは、日本人監督として初めてジョン・カサヴェテス賞にノ ミネートされる。2016 年には、カンヌ国際映画祭が実施するプログラム、シネフォン ダシオン・レジデンスに世界中から選ばれた六人の若手監督の内の一人に選出され、長編二作目の脚本に取り組む。
撮影監督:村上涼 - Ryo Murakami
香川県出身、徳島県育ちでニューヨークを拠点にしていた撮影監督。撮影した作品の多くは世界中の著名な映画祭で上映され、数々の賞を受賞している。2013 年にリベリアで本作撮影中に重度のマラリアに感染し、ニューヨークの自宅で死去。享年 33 歳。村 上の他界後、 村上自身の自主制作作品で、本作に着想を与えたリベリアのゴム農園で撮 影されたドキュメンタリーが未完成のままになっていたが、福永壮志の製作、村上と多数の制作を共にしたジャド・エールリッヒ監督により再編集され、村上の撮影中の体験を追憶する短編映画『Notes from Liberia』として完成される。村上の映像、写真作品 の多くが鑑賞できるウェブサイトも公開されている。
【 STORY 】
西アフリカ・リベリアからニューヨークへ、自由を求めて生きる男がいた。
リベリア共和国のゴム農園で働くシスコは過酷な労働の中で家族を養っていた。仲間 たちと共に労働環境の改善に立ち上がるが、状況は変わらない。そんな時シスコは従兄 弟のマーヴィンからニューヨークでの生活のことを聞き、より良い生活のために愛する 家族の元を離れ、自由の国アメリカへ単身で渡ることを決意する。
NY のリベリア人コミュニティに身を置き、タクシードライバーとして働き出したシ スコ。移民の現実を目の当たりにしながらも、都会の喧噪や多種多様な人々が住むこの 地に少しずつ順応していく。しかし、元兵士のジェイコブとの予期せぬ再会により、リ ベリアでの忌々しい過去がシスコに蘇ってくるのだった...。
原題: Out of My Hand
出演:ビショップ・ブレイ/ゼノビア・テイラー/デューク・マーフィー・デニス/ロ ドニー・ロジャース・べックレー/ディヴィッド・ロバーツ/シェリー・モラド
監督:福永壮志
撮影:村上涼/オーウェン・ドノバン
音楽:タイヨンダイ・ブラクストン (元 BATTLES)
製作総指揮:ジョシュ・ウィック/マシュー・パーカー
製作:ドナリ・ブラクストン/マイク・フォックス
共同製作:早崎賢治/マーティー・ラング
脚本:福永壮志/ドナリ・ブラクストン
照明:ロイ・ノウリン/トム・チャベス
録音:マイク・ウルフ・シュナイダー
音響:アン・トルキネン/イーライ・コン
編集:ユージン・イー/福永壮志
美術:スティーブ・グリセ/イオアニス・ソコラキス
衣装:キャシディ・モシャー
配給・宣伝:ニコニコフィルム
協力:Uplink /Normal Screen/松下印刷/蔦 哲一朗
後援:アフリカ日本協議会/アジア・アフリカ協会
2015 年/米国/88 分/リベリア語・英語/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/DCP/