正式にラインナップが発表された2017年カンヌ国際映画祭。
その中で、カンヌ国際映画祭の独自のセクションに中に「シネフォンダシオン」がある。
これは、世界の学生が製作した作品から、優秀な作品を選び出すというもので、すでにこの部門から、何人もの有名な監督を排出しており、世界で活躍する映画監督となるための登竜門的なコンペティションとなる。
今年も世界から約2600作品の応募があり、その中から16作品が最終ノミネートされた。
今部門で日本人としては3年ぶりに、井樫彩監督の『溶ける』が選ばれた。
日本人では、2014年に平柳敦子監督の『Oh Lucy !』がノミネートされ2位に選ばれて以来のこととなる。
映画『溶ける』は国内ではすでに「なら国際映画祭2016」のゴールデンKOJIKA賞(学生部門グランプリ)や「PFFアワード2016」の審査員特別賞、その他にも横濱インディペンデントフィルムフェスティバル、東京学生映画祭などで様々な映画祭などでの受賞を重ねてきた作品。
また、今回の選出は、河瀬直美監督が手掛ける「なら国際映画祭2016」がカンヌ国際映画祭とパートナーシップを結んでいる中で、ディレクターへ推薦付きで応募したことでノミネートが実現したという。
今回、シネフォンダシオン部門の審査委員長はクリスティアン ムンジウ監督。
世界から選ばれた中で、どのように評価されていくのか楽しみですね。
シネフィルに寄せられたコメント
約2年前の夏、当時19歳だったわたしは、ただただがむしゃらに映画を撮っていました。
撮り終えた先のことなど、わからず、考えられず。
ただ目の前にそびえ立つ映画(と呼べるのかもわからないもの)と向き合っていました。
そんな作品が完成し、有り難いことに多くの方に観ていただくことが出来、賛否両論の反応を頂けることに大きな喜びを感じていました。
これからのほうがもっと困難で、どうなるかわからないですが、このような機会を頂けたことを糧に、今後も頑張っていきます。
井樫 彩 Aya Igashi
1996年生まれ、北海道出身。東放学園映画専門学校映画制作科卒業。
『溶ける』は監督2作目で、東放学園の卒業制作作品。次回作『真っ赤な星(仮)』の準備を進めている。
『溶ける』予告
[2016年/45分/カラー]
監督・脚本:井樫 彩/撮影:髙野隼平/照明:仁藤 咲/録音:瀬能瑞生/編集:小林美優/助監督;水野 愛/プロデューサー:川村尚寛/美術:内田紫織/記録:髙橋茉莉菜/制作:阿久津祥乃/撮影助手:井野雅貴/照明助手:岩間瑠菜/録音助手:山本 睦、西岡竜希
出演:道田里羽、ウトユウマ、小山梨奈、速水今日子、坂本雅子、赤瀬一紀、増田優子、青木三奈