2017年カンヌ国際映画祭。
パルムドールを決めるコンペティション部門の作品19作品の中から、現在見ることができる予告、もしくはクリップを18本集めました。
(2017年5月25日現在)
(唯一、アメリカのインディーズの星ノア・バームバック監督作品だけが、現在表に出ているクリップがありませんでした)
コンペ作品19本。
パルムドールはどの作品に?
In Competition
Opening Film / Out of Competition
オープニング上映作品
アルノー・デプレシャン監督 Arnaud DESPLECHIN
『LES FANTÔMES D’ISMAËL 』
オープニング作品はアルノー・デプレシャン監督の『LES FANTÔMES D’ISMAËL 』(コンペティション除外作品)に決定しました。
出演はマリオン・コティヤール、シャルロット・ゲンズブール、ルイ・ガレルなど。
コンペティション部門:上映作品(全19本)
ファティ・アキン監督 Fatih AKIN
『AUS DEM NICHTS』(IN THE FADE)
『そして、私たちは愛に帰る』や『ソウル・キッチン』などで36歳にしてすでに世界三大映画祭すべてで賞を獲得しているドイツのファティ・アキン監督の最新作。主演はダイアン・クルーガー。
ノア・バームバック監督 Noah BAUMBACH
『THE MEYEROWITZ STORIES』
『イカとクジラ』『フランシス•ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』などのノア・バームバック監督の新作。カンヌ初の出品となるニューヨークのインディーの代表格監督。
出演はアダム・サンドラー、エマ・トンプソンなどに加え名優ダスティン・ホフマンが出演していることでも話題にー
ポン・ジュノ監督 BONG Joon-Ho
『OKJA』
『殺人の追憶』グエムル-漢江の怪物-』『スノー・ピアサー』などのポン・ジュノ監督。
シネフィルでも紹介したNETFLIXと組んでの話題の作品『OKJA』です。主演はアン・ソヒョン共演はティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、ジェイク・ギレンホール。
なんと、カンヌは初出品。
ロバン・カンピヨ監督 Robin CAMPILLO
『120 BPM (120 BATTEMENTS PAR MINUTE)』
『奇跡の朝』で監督デビュー。2013年『Eastern Boys』でヴェネツィア国際映画祭ホリゾンで作品賞を受賞して、今作は監督として三作目となります。また、2008年に脚本作品として参加したローラン・カンテ監督の『パリ20区、僕たちのクラス』でカンヌのパルム・ドールを受賞しています。
出演はアルノー・ヴァロワ、ナウエル・ペレス・ビスカヤルト、アデル・エネル。
ソフィア・コッポラ監督 Sofia COPPOLA
『THE BEGUILED』
クリント・イーストウッドが主演し、ドン・シーゲルが監督した『白い肌の異常な夜』のリメイク。
南北戦争の時代を舞台にした、ドラマ。
出演はコリン・ファレル、ニコール・キッドマン、キルステン・ダンスト、エル・ファニングなどの豪華な配役です。
ジャック・ドワイヨン監督 Jacques DOILLON
『RODIN』
ジャック・ドワイヨン監督が彫刻家オーギャスト・ロダンと愛人だった女性彫刻家カミーユ・クローデルとの関係を描きます。彫刻家のロダンを演じているのはヴァンサン・ランドン、共演はイジア・イジュラン。
ミヒャエル・ハネケ監督 Michael HANEKE
『HAPPY END』
今まで、カンヌ国際映画祭に6度出品され、パルム・ドール2回、グランプリ1回、監督賞1回を受賞しているミヒャエル・ハネケ監督。今回はフランスの港町に住む家族を通して難民問題を描くという。『白いリボン』『愛、アムール』に続いて、三回目のパルムドールなるか?
出演はイザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニャン、マチュー・カソヴィッツ。
(映像はクリップ映像です)
トッド・ヘインズ監督 Todd HAYNES
『WONDERSTRUCK』
『ベルベット・ゴールドマイン』でカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、芸術貢献賞。『アイム・ノット・ゼア』では第64回ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞。
そしてカンヌではルーニー・マーラに女優賞をもたらした『キャロル』が記憶の新しいですね。
童話作家ブライアン・セルズニックの小説の映画化で脚本も手がけている。1922年と1977年の時代。予告の舞台はニューヨークの自然科学博物館か--。
出演は、ジュリアン・ムーア、ミッシェル・ウイリアムス、エイミー・ハーグリーヴスなど。
ミシェル・アザナヴィシウス監督 Michel HAZANAVICIUS
『LE REDOUTABLE』
シネフィルでご紹介したジャン=リュック・ゴダールと女優アンヌ・ヴィアゼムスキーとの恋愛を映画化した『LE REDOUTABLE』。ゴダールをルイ・ガレルが演じている。『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督がどのように当時の60年代、70年代のパリを描くのか--
コンペに関係なく、シネフィルにはともかく気になる映画です。
ホン・サンス監督 HONG Sangsoo
『GEU-HU』
(THE DAY AFTER)
ホン・サンス監督の新作です!最近、多作になってきていますがやはり気になってしまう監督。コンペ以外にも特別上映作品として、イザベラ・ユペールが出演している作品もあり、話題となっています。今年はすでに、2月のベルリン国際映画祭で『夜の海辺で一人』で主演のキム・ミニが主演女優賞を受賞しており、勢いがあるだけに期待がかかります。
また今作は、モノクロで撮影されていることがわかりました。
河瀬直美監督 Naomi KAWASE
『光』HIKARI
(RADIANCE)
日本からは、河瀬直美監督の『光』がコンペティションに出品されます。
カンヌの申し子と言っていい河瀬監督はコンペの常連ですが、主演の永瀬正敏も、シネフィルの別の記事で既に掲載しましたが、3年続けて出演作がカンヌで上映されるという快挙となりました。
また、今回はやはりフランスでは大島渚監督の『愛のコリーダ』など出演で著名な藤竜也も出演していることからも、注目が集まっています。
ヨルゴス・ランティモス監督 Yorgos LANTHIMOS
『THE KILLING OF A SACRED DEER』
ギリシャの映画監督ヨルゴス・ランティモスの最新作。『籠の中の乙女』で「ある視点」部門のグランプリ受賞、そして『ロブスター』で審査員賞を受賞しました。
ニコール・キッドマンとコリン・ファレルが出演して話題を呼んでいます。
セルゲイ・ロズニタ監督 Sergei LOZNITSA
『A GENTLE CREATURE』
3度目のコンペティション出品作となるウクライナのセルゲイ・ロズニタ監督。12年には2作目となる『霧の中』で国際映画批評家連盟賞受賞。今作はドストエフスキーの短編を元にしている。
コーネル・ムンドルッツォ監督 Kornél MANDRUCZÓ
『JUPITER’S MOON』
シネフォンダシオンから頭角を出したコーネル・ムンドルッツォ監督。2014年には「ある視点」部門に出品した『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』である視点賞を受賞している。今回の作品は近未来を描いている。
フランソワ・オゾン監督 François OZON
『L’AMANT DOUBLE』
監督自身の3月22日のツィートで、最初のイメージを発表しています。
カンヌ国際映画祭コンペティション部門には03年『スイミング・プール』13年『17歳』につづき三回目の出品となります。世界三大映画祭のその他の二つ、ベルリン国際映画祭には『焼け石に水』、『8人の女たち』、『エンジェル』、『Rickey』で4回、ヴェネツィア国際映画祭には『ふたりの5つの分かれ路』、『しあわせの雨傘』、『フランツ』の3回と今までに出品していますが、まだ受賞ならず--そろそろ、ですかね?!
マリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レニエが共演でエロティックなスリラーということです。
リン・ラムジー監督 Lynne RAMSAY
『YOU WERE NEVER REALLY HERE』
イギリスからはリン・ラムジー監督が『モーヴァン Morvern』『少年は残酷な弓を射る』以来に 久々に新作で登場します。
出演はホアキン・フェニックス、エカテリーナ・サムソノフ、アレッサンドロ・ニヴォラなど。
ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ監督 Benny SAFDIE&Josh SAFDIE
『GOOD TIME』
ニューヨークのインディペンデントシーンからは、第27回東京国際映画祭にて『神様なんかくそくらえ』東京グランプリと最優秀監督賞を獲得したジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ兄弟の新作がコンペティション出品作として選ばれました。コンペは初。製作にはA24が参加しており、気になる作品です。
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督 Andrey ZVYAGINTSEV
『LOVELESS (NELYUBOV)』
ロシアからはアンドレイ・ズビャギンツェフ監督が選ばれました。初の長編となる『父、帰る』を発表し第60回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞以降、2作目『ヴェラの祈り』からはカンヌを中心に作品を発表しています。
3作目となる『エレナの惑い』カンヌ国際映画祭のある視点部門で審査員特別賞を受賞。
2014年には4作目の『裁かれるは善人のみ』で第67回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞で今回が4作目。
リューベン・オストルンド監督 Claes Olle Ruben Östlund,
THE SQUARE
スウェーデンのリューベン・オストルンド監督の新作。追加でコンペティション部門に滑り込んできました。2011年『プレイ』で東京国際映画祭監督賞受賞、2014年『フレンチアルプスで起きたこと』が「ある視点」部門審査員賞を受賞。出演はエリザベス・モス、ドミニク・ウェスト等。