『ポルノ・ムービーの映像美学』(長澤 均 著)に連動して企画された
展覧会【ポルノ・ムービー・エステティカ】、京都巡回展がいよいよ始まる!
昨年9月に〈原宿VACANT〉で、開催された展覧会【ポルノ・ムービー・エステティカ】展の巡回展が京都〈シネマチック・サルーン〉で、4月14日から4月23日まで開催されることとなった。
昨年6月に刊行されて話題を呼んだ、欧米のエロティック/ポルノ映画100年にわたる歴史書『ポルノ・ムービーの映像美学~エディソンからアンドリュー・ブレイクまで』(彩流社刊)の刊行と連動して企画された〈原宿VACANT〉での展示では、著者である長澤が所有する膨大なグラフィック資料や、著者がポルノ映画の歴史100年を45分にまとめた特別映像など、ここでしか見られない稀少なものが展示されたが、開催期間は1週間と短かった。
最初期のポルノ・ムービーのスチール写真から始まり、ソフトコアのエロティック映画の名作、あるいはハードコア・ポルノ解禁後の一時期、流行ったミュージカル・ポルノやSFポルノの秀作など、滅多に見られないグラフィックが多数、展示される。
また、50年代以降のエロティック映画のポスター・グラフィックスもパネル展示。
こちらも時代風俗が分かって面白い内容である。
この稀少な展覧会が、内容を再構成して京都で開催される。
1930年代のヌード雑誌からボンデージの生写真までー
1930年代のフランスのヌード雑誌などの実物展示も充実している。30年代から60年代までの各時代のフランス、イギリス、アメリカのヌード雑誌や、エロティック雑誌に仕掛けられたギミックなどが見られるほか、アーヴィング・クロウのボンデージ生写真など、いまでは入手困難な当時のエロティック関係のものも展示される。
1910年代から1990年代までの稀少な映像、名作などをまとめた45分の映像必見!
特別映像は1910年代のハードコア・ポルノ(スタッグ・フィルム)から60年代のヌーディズム映画、70年代に流行ったキッチュなミュージカル・ポルノ、90年代のCGを多用した先鋭的でお洒落なポルノまで、20作品あまりを精選して編集したもの。会場では、各映画の概要、見所を簡単に解説した資料が入場者全員に配布される。この45分の映像はループして展示時間内はスクリーンにずっと投影される。
長澤 均 展覧会に寄せるコメント
この展覧会は昨年、原宿VACANTで開催したもののほぼ巡回展の形式になります。VACANTでやったとき、ひとりの著者がひとつの著作をテーマにグラフィックから映像からコレクションの品々まで、なんの協賛もなく個人のチカラでやるというのは無理があると思って、開催するまで自信なかったのですが、来場者には想像以上に好評を得ました。1週間と期間も短かったので、なんとか他の場所で、しかも著書そのものは全国で売られているものですから、関西での巡回展を企図したところ、ヴィヴィアン佐藤氏を始め、いろいろな方々の協力で開催できることになりました。図版を多数入れても本は本です。この展覧会は、その本という文字主体の形式から離れて、視覚的で、カラーで、しかも原資料等、すべてを立体的に見せることを企図したものです。ですから本を読んでいればより楽しめますし、読んでいなくともポルノ・ムービーが、これほどさまざまな要素を孕んだ映画的な実験をも持ち得た世界であること、そしてなによりもエロティックな想像力を拡張したものであることが、展示物によって理解できると思います。
会期中イベントも開催!
■15日(土)17:30~19:00 トークセッション:長澤 均×ヴィヴィアン佐藤
「セクシュアリティとポルノとファッションの変容」
入場料:1,000円+ドリンク
『ポルノ・ムービーの映像美学』の帯に推薦文を書いたヴィヴィアン佐藤が、自らの作品も数点、会場に展示し、エロティシズムのありよう。セクシュアリティの概念の変遷について長澤と語る。ヴィヴィアン佐藤ならではのジェンダーレスな視点や、ファッション史を専門とする長澤の映画におけるファッションへの執着などが、旧友でもあるふたりの眼差しによって交差する。
■22日(土)17:30~19:00 トークセッション:長澤 均×西田博至
「都市論からポルノにまで通底する長澤の〈視覚文化〉への偏愛」
入場料:1,000円+ドリンク
批評誌『アラザル』を拠点に鋭いモダニズム論などを展開し、映画通でもあり、またクラシックから現代音楽に造詣の深い気鋭の評論家、西田博至は、長澤の多くの著作を読んできて、早くからその一点に留まらない横断性に注視してきた。『ポルノ・ムービーの映像美学』だけでなく、長澤の過去の著作も取り上げながら、映画、ファッション、写真、視覚文化などについて縦横無尽に語り尽くす。
展覧会名: 「ポルノ・ムービー・エステティカ /ポルノムービーの映像美学」
●会期: 2017年4月15日(金)― 23日 (日)
●開館時間 : 12:00 - 19:00
●会場 : シネマチック・サルーン
(京都市中京区河原町通三条上ル下丸屋町410 ユニティ河原町ビル7F
/ TEL.075-251-0995)
入場料 : ¥500 (特製DM+ノベルティステッカー付)
●主催:パピエ・コレ
●協賛:株式会社TENGA
●監修:長澤 均
※本展には、一部性的な表現が含まれております。入場に際し予めご了承いただきますようお願い致します。
※本展覧会に関するお問い合わせ先
・パピエ・コレ(長澤 均):papiercolle@nifty.com / TEL.03-3470-4975
・シネマチック・サルーン :info@cinematiksaloon.com / TEL.075-251-0995
ポルノ・ムービー・エステティカ限定トートバッグ
【ポルノ・ムービー・エステティカ】京都巡回展のために限定トートバッグを販売。プリント図版はラドリー・メツガー監督の『Therese and Isabelle』の最も美しい構図の写真。『ポルノ・ムービーの映像美学』とのセット販売は、著者によるサイン入り。
●参考資料:
『ポルノ・ムービーの映像美学~エディソンからアンドリュー・ブレイクまで』
長澤 均(著)サエキ・けんぞう、中原昌也、ヴィヴィアン佐藤、各氏推薦(帯文)
定価(本体3,000円+税)
発売日 2016年6月29日
サイズA5 ソフトカバー
単行本: 432ページ
出版社: 彩流社 (2016/6/29)
ISBN:978-4-7791-2226-2