講談社『アフタヌーン』にて1997年から2003年に連載され、『シドニアの騎士』で第39回講談社漫画賞を受賞した弐瓶勉氏のデビュー作『BLAME!』。今なお世界中のクリエイターを魅了し続ける鬼才・弐瓶勉の原点――。
遂に、劇場アニメ『BLAME!』が、2017年5月20日(土)より2週間限定で全国公開いたします。
「シドニアの騎士」で知られる漫画家・弐瓶勉氏のデビュー作をアニメ映画化する「BLAME!(ブラム)」が、最新サウンドシステム「ドルビーアトモス」を採用した立体音響で上映されることが決定した。
観客の周囲に力強い現実さながらのサウンドを演出する、濃密極まる音!
問答無用の圧倒的説得力。まさしく次元の違う臨場感‼
同システムが日本のアニメに採用されるのは、本作品が初‼
ドルビーアトモスは、従来の劇場サラウンドスピーカーに加え、高さの要素を含めることで、3次元的な音響表現を実現したサウンドシステム。天井スピーカーの配置により、劇場のあらゆる方向から観客を包み込むように音が聞こえるほか、音を自在に移動させることで、臨場感あふれる映像体験が楽しめます!
つきましては、5月20日の公開に先立ち、日本最速となる3月14日(火)、イオンシネマ幕張新都心にて、ドルビーアトモス体感試写会を行いました。
上映後には、本作品の音響監督でもある岩浪美和さん、そして本作品の監督の瀬下寛之さん、副監督の吉平“Tady”直弘さんをお迎えし、ドルビーアトモスならではの楽しみ方を伝授いただくトークイベントも実施。本イベントレポートです。
■日時:3月14日(火)18:45~20:45(上映~トーク)
■場所:イオンシネマ幕張新都心
■登壇者:瀬下寛之(監督)、吉平“Tady”直弘(副監督)
、岩浪美和(音響監督)
「BLAME!」日本アニメ初・ドルビーアトモス試写開催! オフィシャルレポート
3月14日、千葉県イオンシネマ幕張新都心にて、『BLAME!(ブラム)』の試写会が開催された。今回、上映劇場がイオンシネマ幕張新都心となったのには理由がある。実は『BLAME!(ブラム)』は、日本アニメでは初となるサウンドシステム「ドルビーアトモス」を採用している。「ドルビーアトモス」の立体音響を体感すべく、最新の設備が用意されたイオンシネマ幕張新都心のスクリーンが選ばれたのだ。
会場には、瀬下寛之監督、吉平“Tady”直弘副監督、岩浪美和音響監督が駆けつけ、『BLAME!』の作品の魅力、そして音響と音楽の魅力を紹介した。5月20日の公開を前に、早くも大きな盛り上がりを見せた。
上映に先立って、岩浪美和さんが音響効果の小山恭正さんらと共に劇場の音響システムを入念にチェック。そのうえでスタッフも劇場で聴くのは初めてという「ドルビーアトモス」での上映がスタートした。
「ドルビーアトモス」は、従来の立体サウンドシステムに天井スピーカーを加え、オブジェクトサウンドにより音を劇場全体のどこでも自在な位置に配置することが可能になる。迫力の大音量やささやくような微かな音まで的確に再現され、天井を含め劇場全体が音に包まれる。さらにそれがどの場所から発しているのかが正確に感じられる。映画のなかに入り込むような音響体験が得られる。
そんな「ドルビーアトモス」は、まさに『BLAME!』のためにあったかのように今回ぴったりとはまった。無限に広がる階層都市、一体どこから何が現われるのかも分からない。そのなかで音の距離感が実感を伴って表現されることで、主人公の霧亥らの緊張感もよりリアルに伝わる。菅野祐悟さんによる音楽は、緊迫感や情感を音で導き観るものの感情を揺さぶる。
ポリゴン・ピクチュアズの創り出す最新のデジタルアニメーションとリアルな音の体験が重なることで、まさに日本アニメ初、これまでにない作品となった。原作・弐瓶勉の『BLAME!』の世界が、まさにそこにあるかのようだ。
上映後には、瀬下監督、吉平副監督、岩浪音響監督の熱いトークを展開。
瀬下監督は本作について「弐瓶勉さんのコアなSFの世界の入門編とした」「個人的にもハードSFファンが大好き」と重厚な作品の背景を語る。「僕もこうしたハードSFは大好きです」と、岩浪音響監督もこれに応じた。
吉平副監督は、「原作にある広大な世界を映像化するために、精一杯力を尽くしました」、また「ドルビーアトモスを採用したことで奥行きも出ました。満足していただける映像に近づけたのではないか」と。また制作にあたっては、霧亥の派手なアクションだけでなく、雨宮天さんが演じる少女・づるたちの人間ドラマも大事にしたと、本作の見どころの多さを窺わせた。
「ドルビーアトモス」への挑戦について、岩浪音響監督は映画『ゼロ・グラビティ』を観て以来の夢だったと感慨深げであった。当時、「日本の音響は大きな後れをとった」と衝撃を受けたのだという。「今回の『BLAME!』で世界と戦える」と手応えを感じている様子。また、「日本の国内で「ドルビーアトモス」の認知度はまだ十分でない。『BLAME!』で劇場ならではの体感をしてもらい、さらに広がって欲しい」との気持ちを語った。
瀬下監督は、「3DCGアニメーションにこだわっているのは、視聴するだけでなく、体験してほしいと考えているから」と。「その際、構図の外に広がる空間を作るのは音で、ノイズや反響といった要素が重要になるが、そこで岩波さんチームの音響が大きな役割を果たしている」と話した。
吉平副監督は、「「ドルビーアトモス」で音に立体感が出ることで、いままで出来なかった表現が実現した。より没入出来るようになったことに感動した」と話す。「音が動いていくことで、非現実のSFの世界が現実の世界に感じられる新しい視聴体験になるのではないか」と、『BLAME!』ならではの魅力を語った。
【イントロダクション】
世界中のクリエイターやSFファンを虜にした伝説のコミック、待望の劇場アニメ化―
人類が「違法居住者」として駆除・抹殺される暗黒の未来。無限に増殖を続ける超巨大な「階層都市」における探索者・霧亥(キリイ)の孤独で危険な旅路を描いたSF漫画の金字塔『BLAME!』(講談社「アフタヌーン」所載)。その独特の世界観や圧倒的なスケール感、そしてソリッドでハードなアクション描写で、国内だけでなく、海外の映像クリエイターやアーティストからも圧倒的な支持を得て、難解と言われながらも、幾度となく映像化への期待が高まっていた。そんな本作が、連載開始から20年の時を経て、遂に全世界に向け劇場アニメ化される。
監督には「シドニアの騎士」で緻密でハードな新感覚のSFバトルを表現し、「亜人」を スピーディーでスリリングなサスペンスバトルへと進化させた瀬下寛之が担当。アニメーション制作は「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」や「トランスフォーマー プライム」など海外でも圧倒的な存在感で数々の賞を受賞し、「シドニアの騎士」で世界を震撼させたポリゴン・ピクチュアズ。さらに本作では、原作者・弐瓶勉がシナリオやキャラクターデザインをはじめとした、クリエイティブディレクションの中核を担い、自らがプロジェクトへフルコミットをしている。
映像革命と称された「シドニアの騎士」のスタッフが再結集し、 原作者・弐瓶勉による全面協力・総監修の元で再構成した完全新作ストーリーとして創り上げる『BLAME!』が、再び世界を驚愕させるー
【ストーリー】
テクノロジーの果て、極限まで発達した超高度ネット文明。
過去の「感染」よって、正常な機能を失い無秩序に、そして無限に増殖する巨大な階層都市。
都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除・抹殺される存在へと成り下がってしまっていた。
都市の片隅でかろうじて生き延びていた「電基漁師」の村人たちも、セーフガードの脅威と慢性的な食糧不足により、絶滅寸前の危機に瀕してしまう。
少女・づるは、村を救おうと食糧を求め旅に出るが、あっという間に「監視塔」に検知され、セーフガードの一群に襲われる。 仲間を殺され、退路を断たれたその時現れたのは、“この世界を正常化する鍵”と言われている「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)であった。
キャスト
霧亥 CV:櫻井孝宏、シボ CV:花澤香菜、づる CV:雨宮天、おやっさん CV:山路和弘
捨造 CV:宮野真守、タエ CV:洲崎綾、フサタ CV:島﨑信長、アツジ CV:梶裕貴
統治局 CV:豊崎愛生
スタッフ
原作:弐瓶勉『BLAME!』(講談社「アフタヌーン」所載)
総監修:弐瓶勉
監督:瀬下寛之
副監督/CGスーパーバイザー:吉平"Tady"直弘 脚本:村井さだゆき
プロダクションデザイナー:田中直哉 キャラクターデザイナー:森山佑樹
ディレクター・オブ・フォトグラフィー:片塰満則 美術監督:滝口比呂志
色彩設計:野地弘納 音響監督:岩浪美和 音楽:菅野祐悟
主題歌:angela「Calling you」 音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:クロックワークス
製作:東亜重工動画制作局
©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局