原作:三島由紀夫×監督:吉田大八
三島の異色【SF】小説を現代設定に大胆脚色して放つ意欲作
キミの目にうつる世界は、キミのみたかった世界。『美しい星』
独創世界を紡ぐ孤高のアーティスト・平沢進、神曲「金星」を劇中曲を提供!
きたる5月26日(金)公開予定の映画『美しい星』(原作:三島由紀夫、監督:吉田大八)のなかで、伝説のアーティスト・平沢進の名曲「金星」が劇中曲として提供されていることを発表されました。
1979年に衝撃のデビューを飾り、80年代を席巻することになった平沢率いる伝説のテクノポップバンド、P-MODELは、その唯一無二の音楽世界観で、80年代に青春を過ごした若者たちの忘れられない音楽原体験となりました。
本作の監督・吉田大八が「ぼくのものの考え方の半分くらいを作った人」と尊敬。
撮影中、リリー・フランキーもリアルタイムで聴いていたと話していました。
89年にソロ転向した平沢は、2000年以降、今敏監督のアニメーション作品(『妄想代理人』、『千年女優』、『パプリカ』)や『ベルセルク』シリーズなどで、作品に不可欠な独自の音楽世界を提供して、熱狂的なファンを増やしていきます。
近年では、P-MODELがアニメ『けいおん!』の元ネタでは?という話題がネットを大いに賑わせました。
そんな平沢が本作に提供するのは、1989年のソロ転向時に発表された神曲「金星」。
その繊細でイマジナブルな歌詞と異国情緒あふれるメロディーは、劇中で、大杉家の長女・暁子(橋本愛)がストリート・ミュージシャンの竹宮薫(若葉竜也)に出会い、一瞬で彼に激しく惹かれるという設定に、劇的説得力を与えています。
映画のなかで「金星」は、竹宮薫(若葉竜也)とその相方・イズミ(樋井明日香)のデュオの持ち歌という設定になっており、若葉・樋井が美しい歌声と演奏を披露しています。
★劇中曲:「金星」作詞・作曲:平沢進/歌:若葉竜也、樋井明日香
■平沢進(音楽家)コメント
自分が演奏し、歌った楽曲がスクリーンから流れてくるのを聞くのは慣れていますが、今回のような経験は初めてです。
奇妙で得体の知れない現実感を味わいました。まるで知らない国で迷子になり、自分の庭に埋めたはずの種が知らない民家の窓辺で花咲いているのを目撃したような感じです。
(プロフィール)音楽家。1979年、テクノポップバンド「P-MODEL」でデビュー。1989年よりソロ名義での活動も開始。音楽活動は多岐にわたり、2000年に行われた革新的な観客参加型ライブは「デジタルコンテンツグランプリ」の経済産業大臣賞を受賞。
2017年現在、オリジナルアルバムだけでもバンド・ソロ名義併せて27作品を発表している。今敏監督の『千年女優』(02)や『パプリカ』(06)などの映画音楽、「ベルセルク」シリーズなどのアニメ音楽、その他ゲーム音楽も数多く手掛けている。
公式サイト http://susumuhirasawa.com/
■吉田大八(脚本・監督)コメント
平沢進さんは、僕が高校生の頃からずっと聴いてきて、ものすごく影響を受けたミュージシャンです。
だから金星人の暁子が竹宮と出会うきっかけを歌と決めた瞬間、その歌は平沢さんの名曲『金星』以外にありえない!と興奮しました。大好きな曲がズバリのタイトルなんだから、それは当然そうなりますよね(笑)。
そして歌詞まで勝手にシナリオに書き込んで、なんとかお許しが出るように祈ってました。ホントにそういうミ
ーハーな理由です。(談)
(プロフィール)1963年生まれ、鹿児島県出身。CMディレクターとして国内外の広告賞を受賞する。2007年『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で長編映画監督デビュー。第60回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門に招待され話題となる。その後の監督作として『クヒオ大佐』(09)、『パーマネント野ばら』(10)。『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞受賞。『紙の月』(14)で第38回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞。
今年は舞台『クヒオ大佐の妻』を5月に上演予定。18年公開作として映画『羊の木』が待機中。
■橋本愛(大杉暁子役)
最初にシナリオを読ませていただいた時に『金星』は監督がオリジナルで書いた曲だと思って、よくこんな絶妙な歌詞を書けるなあと思っていたら既存の楽曲で、それから平沢さんのオリジナルを聴いて、すごくはまりました。
映画の冒頭でライブを観に行くシーンで、若葉さんが『金星』を歌っていて、好きな歌を生で聴けて、やっぱり音楽っていいなあって思ったのが印象に残っています。
(プロフィール)1996年1月12日生まれ。熊本県出身。映画『Give and Go』(09/森英人監督)で初出演にして主演デビュー。10年、中島哲也監督作品『告白』で存在感を放ち、注目される。吉田大八監督作品『桐島、部活やめるってよ』(12)などで、第86回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。13年、連続テレビ小説「あまちゃん」にて国民的人気を獲得。近年の映画出演作に、『さよならドビュッシー』(13/利重剛監督)、『渇き。』(14/中島哲也監督)、『リトル・フォレスト 二部作』(14、15/森淳一監督)、『ワンダフルワールドエンド』(15/松居大悟監督)、『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』(16/中村義洋監督)、『シェル・コレクター』(16/坪田義史監督)、『バースデーカード』(16/吉田康弘監督)、『古都』(16/Yuki Saito監督)など。今後の公開待機作に、『PARKS パークス』(17/瀬田なつき監督)がある。
■若葉竜也(竹宮薫役)
平沢進さんの「金星」という名曲を歌うというのは、相当なプレッシャーでした。
平沢さんの唄う金星を何度も何度も聴き込んで、歌詞とメロディーはもちろん、ブレスのタイミング、歌詞の強弱も頭に叩き込んだ上で、竹宮として平然と、そしてサラッと歌いきりました。吉田大八監督からのチクチクとさり気無いプレッシャーを感じながら、必死に食らいついた「美しい星」です。
(プロフィール)1989年生まれ。東京都出身。1990年、若葉劇団にて1歳3ヶ月で初舞台を踏む。陰のある役から、アクの強い役まで作品によって180度違った表情を見せる幅広い演技力で、数多くの作品に出演。近年の主な出演作に『明烏』(15/福田雄一監督)、第8回TAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞した『葛城事件』(16/赤堀雅秋監督)など。また公開待機作に『曇天に笑う』(18/本広克行監督)がある。
<ストーリー>
ある日突然、自分たちは宇宙人であると覚醒した平凡な家族。
彼らはその手に「美しい星・地球」を救う使命があると信じ、それぞれに奮闘しはじめる。
大杉重一郎は予報が“当たらない”ことで有名なテレビ気象予報士。
悪くない仕事、悪くない暮らし、悪くない家族関係(妻・息子・娘)、悪くないはずの人生。
そんなある日、重一郎はあるものと遭遇する。それは空飛ぶ円盤!?
「自分は火星人。世界を救うためにこのホシに遣わされたのだ」
重一郎のなかに“火星人”が覚醒する。
覚醒は止まらない。息子の一雄が水星人、娘の暁子が金星人として次々目覚める。
それぞれの母星から使命を受け取った家族はそれぞれのやり方で世界を救おうと奮闘しだすが、
やがて様々な騒動に巻き込まれ、傷ついていく――。
『美しい星』特報
リリー・フランキー
亀梨和也 橋本愛 中嶋朋子 / 佐々木蔵之介
原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
脚本:吉田大八 甲斐聖太郎 音楽:渡邊琢磨
製作:依田巽 藤島ジュリーK. 市村友一 吉川英作 中川雅也 エグゼクティブプロデューサー:小竹里美
Co. エグゼクティブプロデューサー:松下剛 プロデューサー:朴木浩美 鈴木ゆたか
撮影:近藤龍人 美術:安宅紀史 照明:藤井勇 録音:矢野正人 編集:岡田久美 助監督:甲斐聖太郎
ラインプロデューサー:新野安行
製作:「美しい星」製作委員会 助成:文化庁文化芸術振興費補助金 企画・制作プロダクション:リクリ
企画・製作幹事・配給:ギャガ
監督:吉田大八
(C)2017「美しい星」製作委員会