マット・デイモン制作、ケイシー・アフレック主演、ケネス・ロナーガン監督・脚本『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(5月13日よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほかにて全国公開)が、第89回アカデミー賞主演男優賞・脚本賞を受賞しました!
本作は、ケイシー・アフレック演じる、ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公リーが、兄の死をきっかけに故郷“マンチェスター・バイ・ザ・シー”へと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく―というストーリー。
第74回ゴールデン・グローヴ賞主演男優賞受賞、第88回ナショナル・ボード・オブ・レビュー主要賞4賞受賞(作品賞、主演男優賞、オリジナル脚本賞、ブレイクスルー・パフォーマンス男優賞)、第70回英国アカデミー賞主演男優賞、オリジナル脚本賞受賞、第82回ニューヨーク批評家協会賞主演男優賞、助演女優賞、脚本賞受賞などアカデミー賞前哨戦、そして世界各国で映画賞を総なめし、俳優マット・デイモンがプロデューサーを務めたことも大きな話題となっている本作は、主人公リーの絶望と再生を、時折ユーモアを交えながら丁寧に紡ぎ出した珠玉の人間ドラマです。
☆主演男優賞ケイシー・アフレック!
~ベン・アフレックの弟、兄の親友マット・デイモンに役者人生最大のチャンスをもらい、オスカー初受賞!~
主人公リーを演じるのは、本作のプロデューサーであるマット・デイモンの幼い頃からの親友であり盟友であるベン・アフレックの実弟、ケイシー・アフレック。主人公リーの孤独と哀しみを体現した渾身の演技は、「素晴らしい!」「偉大な俳優たちの仲間入りを果たした」と各メディアがこぞって絶賛し、ゴールデン・グローブ主演男優賞をはじめ40以上の主演男優賞を独占!アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『ジェシー・ジェームズの暗殺』(07)に続き2度目のオスカーノミネートで、本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞しました!
当初、プロデュース・監督・主演をマット・デイモンが務める予定だったが、スケジュールの都合により主演をケイシー・アフレックが引き継ぐことに。「今まで読んだ中で最も素晴らしい脚本、そして役だった。もし誰かに譲るとしたら、ケイシーしかありなかった」とデイモン。
ロナーガンも、「ケイシーは素晴らしい。初めて一緒に仕事したのは2000年で、以来大好きな役者の一人であり、とても特別な存在だ。彼は役者なのに決して自慢したり目立とうとしない。彼は演技に重点を置いた芝居に興味を持ち、自分の感情表現を大切にしていて笑いのセンスもある。今、最も旬な役者の一人である彼が、この困難な役を引き受けてくれたことをとても幸運に思っている。」と彼に賛辞を送っている。
ケイシー・アフレックの名が呼ばれた瞬間、後ろに座っていたマット・デイモンが飛び上がり、隣に座っていた兄のベン・アフレックがしっかりと弟ケイシー・アフレックを抱きしめた。
授賞スピーチでケイシー・アフレックは、「とにかく私にとって大きな意味をもつものです。最初に演技を教えてくれた一人がデンゼル・ワシントンでした。今日はじめてお会いしました、ありがとうございます。ほかの候補の方もとてもよいお仕事でした。私がここにいるのは、多くの人たちの才能があるからです。なによりこういう役柄をケネス・ロナーガンが書いてくれたのでここに立つことができました。もっと意義ある大きな事を言いたいのですが、とにかくこのコミュニティの一員であることを誇りに思っています。マット・デイモン、チャンスを与えてくれてありがとう」と語り、客席のマット・デイモン、ケネス・ロナーガン、そして兄のベン・アフレックは目に涙を浮かべながらそのスピーチを聞いていた。
☆脚本賞ケネス・ロナーガン!
~スコセッシ、マット・デイモンが絶大な信頼を置く監督・脚本家3度目のノミネートでついに受賞!~
本作の監督・脚本を務めたケネス・ロナーガンは、戯曲を手がけた作品が、軒並みドラマ・デスク・アワード賞やピュリッツァー賞候補になるなど演劇の世界で成功をおさめた後、ロバート・デ・ニーロ主演で大ヒットした『アナライズ・ミー』(99)の脚本で映画界でも成功。
その後も、マーティン・スコセッシに抜擢され、『ギャング・オブ・ニューヨーク』の脚本でアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネート。自ら脚本を書き、監督した長編「ユー・キャン・カウント・オン・ミ―」(未/00)、「マーガレット」(未/11)も高く評価され、「ユー・キャン・カウント・オン・ミ―」では2度目のアカデミー賞脚本賞にノミネート。
「彼には人間を理解する素晴らしい才能がある―彼は登場人物の“心”を、状況の核心を、創り上げることができる。そこには感情がある。そして並外れて知的な視点がある」と、マーティン・スコセッシがその才能を絶賛するほか、ハリウッドには彼と仕事をすることを切望するスターが多くいる。
ロナーガンの演劇「This is Our Youth」(02)に主演し、自身もアカデミー賞受賞経験のある脚本家でもあるマット・デイモンは、「ケニー(ケネス・ロナーガン)の脚本は、唯一無二」とかねてより絶賛。自身の監督デビュー作として企画をあたためていた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の脚本を、いの一番にケネス・ロナーガンに依頼した。
出来上がった脚本があまりに素晴らしく、監督も彼でなくてはと考えるに至ったという。そして、プロデューサーとして、映画の完成まで、完全にバックアップをした。
脚本賞のプレゼンターはマット・デイモンとベン・アフレック。本作に最も縁のあるふたりが、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』!と、デイモンにとっては自身のプロデュース作、アフレックについては自身の愛する弟の主演作の名を共に読み上げた。
受賞スピーチでロナーガンは、「わたしは映画が大好きです。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、人と人が手を差し伸べ合うお話です。映画のように、わたしも多くの人に手を差し伸べてもらって、いまここにいます。マット・デイモン、ケイシー・アフレック。大好きです。ありがとう」プロデューサー陣や妻への感謝と共に、この映画の発案者でプロデューサーのマット・デイモン、そして主演のケイシー・アフレックに感謝の意を表した。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』について、プロデューサーのマット・デイモンは「僕たちは、ケニー(ケネス・ロナーガン)のビジョンを全面的にバックアップして、この偉大なストーリーテラーが望む通りに、物語を紡がせたかった。これは真の作家による映画だ。そしてこれは、人々の心にずっと残る映画だ。力ある役者と脚本、演出によって、この映画は忘れられないものになった」と語っている。
デイモンが、ケイシー・アフレックに主演を、ケネス・ロナーガンに監督・脚本の機会を与え完成したこの珠玉の一作は、見事にオスカー賞を受賞。デイモンの言葉通り、「人々の心にずっと残る映画」になるだろう。
監督・脚本:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、カーラ・ヘイワード
2016年/アメリカ/137分 ユニバーサル作品 配給:ビターズ・エンド/パルコ
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