「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得したサラ・ウォーターズの「荊の城」が原作となり、複数の登場人物の視点で描かれる騙し合いと、過激なエロスが、息を飲むような美しい映像で綴られた作品の集大成とも言っても過言ではなく、韓国では成人映画(R19指定)のオープニング記録を更新し、アメリカ、フランス、韓国ですでに500万人の動員を記録、外国映画として全米で映画賞を次々と受賞。
「アカデミー外国語映画賞の韓国代表になっていれば、アカデミー受賞はほぼ確実であったであろうになぜノミネートされないのか」という論議も巻き起こり、韓国代表にならなかったことを批判する意見も出ている映画『お嬢さん』の3月3月(金)公開を前にPRのためパク監督が来日。
かねてより日本の映画に深い造詣を持つことを公言するパク・チャヌク監督が、「お嬢さん」や過去作品に込めた日本映画へのオマージュや秘話について語った。
★パク・チャヌク監督が語った日本映画への愛!
「日本映画はもともと好きでしたが、年を重ねるごとに昔の日本映画が好きになっています。世界中の女優の中で最も愛する女優が高峰秀子さんです。彼女の持つ時代を先取りしている前衛的な姿、それでいてしなやかで、自分を持っている表現が好きです。特に、成瀬巳喜男監督の作品の中に出てくる高峰さんがとても好きで、本作の主人公“秀子”の名は、高峰秀子さんよりいただきました。また、全ての映画の中でいちばん好きな映画と言っても過言ではないのが同じく敬愛する成瀬巳喜男監督の「乱れる」です。「親切なクムジャさん」で出てくる青果店の名前は成瀬監督から頂き、「成瀬」にしました。増村保造監督作品も好きで、彼はシネマスコープの活用においては世界一だと思います。」
映画『お嬢さま』に登場する主人公の名前は高峰秀子からとったものだったー
パク・チャヌク監督が愛する高峰秀子そして一番好きな映画『乱れる』予告
パク・チャヌク監督最新作『お嬢さん』
物語
1939年、日本統治下の朝鮮半島。孤児の少女・スッキ(キム・テリ)は、 “伯爵”を装った詐欺師(ハ・ジョンウ)にスカウトされ、莫大な財産の相続権を持つ美しい令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドとして働くことに。秀子は世間とは隔絶した大きな屋敷で、日本文化を崇拝する支配的な叔父(チョ・ジヌン)とひっそりと暮らしていた。実は詐欺師はスッキとともに秀子を誘惑し、結婚した後、彼女を精神病院に入れて財産を奪うという計画を企てていたのだ。計画は順調に進むが、献身的なスッキに秀子が次第に心を開いていく…。
監督:パク・チャヌク (カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞『オールド・ボーイ』)
キャスト:キム・テリ、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン
配給:ファントム・フィルム
(2016年/韓国/145分/シネマスコープ/5.1ch/R-18)
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