映画市場に関係なく、あくまでアート作品として実験的に取られているフランスの現代美術家ロリス・グレオー(Loris Greaud)の発表した映画『Sculpt』の海外予告が公開されています。
ともかく、予告を見るだけで、彼の世界観だけは感じることができます。
予告すでに1,2と公開されていますが、全て赤と黒だけの映像で日本の縛りを取り入れたSM的なシーンや、アヘン窟のようなシーン、カルトな宗教的なシーンなどが混じり合った不思議な世界へ誘っていきます。
ロリス・グレオー(Loris Greaud)はすでに、ルーヴル美術館の現代美術の特別プログラム展示に抜擢されたりしておりアーティストとして世界で活躍し注目を浴びており、近年ではフランスのアーティストとして最も期待されている存在。
この映画の出演者もウィレム・デフォー、シャーロット・ランプリングのほかフランスのマイケル・ロンズデール、パスカル・グレゴリーなどの手堅い役者陣に加え、アメリカの監督アベル・フェラーラや2016年に亡くなった著名な建築家クロード・パランも参加しています。
その他にも、ファッション界からはファッション・アイコンとなりイヴ・サンローランとトム・フォードのミューズとなったベティ・カトルー。音楽は、これまた前衛音楽・実験音楽とビジュアル・アーツで有名だが正体不明なグループ「ザ・レジデンツ」が担当しています。
これだけ個性的な面々が揃っている中で、一番謎なのが、ニューオリンズにあるブードゥー教の著名な寺院で女性聖職者の最高の存在とされる”マンボ”となっているMiriam Chamaniがサポートし出演しているということです。
映画自体が、魔術的なことには違いありませんがー。
すでに海外では美術館などで、たった一人の観衆のために観せていく企画などで上映しており、彼自身にとっての実験的な映画なのでしょうが、謎に包まれています。
アルハンドロ・ホドロフスキーやデヴィッド・リンチ好きな方には、予告をお勧めしますが、その他の方は見ない方がいいかも---ホラーじゃないけどうなされるかも。
現代美術家から、監督になっていく傾向はジュリアン・シュナーベルなどの成功例もあり、これだけ、濃い世界観だと気になる存在になる可能性も---気にとめておきましょう。