web retrospective 14 大林宣彦
大林 宣彦(おおばやし のぶひこ、1938年1月9日 - )は、日本の映画監督。
1960年当時、8ミリで(趣味ではなく映画を作ろうと考えていた人は、大林と高林陽一と飯村隆彦の三人しか日本にいなかった)自主映画の上映会などをスタートさせる。当時の作品は、日本を超え世界のアンダーグラウンドの映画祭などでもなんども上映され、1963年に初の16mm作品として藤野一友と共作の『喰べた人』ではベルギー国際実験映画祭で審査員特別賞受賞する。
64年より、当時は作家気質が強く、CMをとる映画監督が少なかった中で、いち早くCMディレクターとなり数々の大ヒットを生む。高度経済成長の波に乗り、急成長したCM業界で、一日一本のペースでCMを作り続け「CM界の巨匠」となっていく。
その中でもCMの歴史に残るのが、大ヒットしたチャールズ・ブロンソンを起用したマンダムのコマーシャル。これによって、社名までをマンダムに変えさせるほどの影響力があった。
また、彼は日本で著名な世界的なスターを続々と起用し、ソフィア・ローレン、カトリーヌ・ドヌーヴ、リンゴ・スター、カーク・ダグラス、デヴィッド・ニーヴン、キャサリン・ヘプバーン、アイススケートのジャネット・リンに、CMソングにはフランシス・レイなどを起用。
その後、1977年の『HOUSE』で、商業映画を初監督。日本映画の斜陽によってその年、新人監督の登用は、ピンク映画界から以外では大林一人だった。もともと、撮影所上がりでないと、映画を撮れなかった時代に彼が先鞭をつけたおかげで自主映画出身者として大森一樹、森田芳光、CM出身者として市川準ら映画界に出て行く道筋をも作った。
映画監督としては、角川映画などとアイドル映画の先駆的な作品を作るとともに、「尾道三部作」や文芸作品やアニメに至るまで、幅広く作品を生み続けている。
自主製作映画の先駆者として、CMディレクターとして、映画監督として、日本の映像史の中で常に最先端を切り拓いていった。
まずは、CMの代表作となるマンダムのCM
大林宣彦監督映画作品 年代順
EMOTION 伝説の午後 いつか見たドラキュラ(1967年3月8日公開) - 16ミリ自主映画
HOUSE ハウス(1977年7月30日公開 東宝) - 兼製作
瞳の中の訪問者(1977年11月26日公開 ホリプロ/東宝) - 兼出演
ふりむけば愛(1978年7月22日公開 東宝)
金田一耕助の冒険(1979年7月14日公開 東映)
ねらわれた学園(1981年7月11日 東宝)
転校生(1982年4月17日公開 松竹)
時をかける少女(1983年7月16日公開 東映) - 兼潤色/編集
廃市(1984年1月2日公開 ATG) - 兼プロデューサー/企画/編集/作曲
少年ケニヤ(1984年3月10日公開) - 兼編集
天国にいちばん近い島(1984年12月15日公開 東映) - 兼潤色/編集
さびしんぼう(1985年4月13日公開 東宝) - 兼脚本/編集
姉妹坂(1985年12月21日公開 東宝)
彼のオートバイ、彼女の島(1986年4月26日公開 東宝) - 兼編集
四月の魚(1986年5月31日公開 ジョイパックフィルム) - 兼企画/脚本/編集
野ゆき山ゆき海べゆき(1986年10月4日公開 ATG) - 兼編集/音楽
漂流教室(1987年7月11日公開 東宝東和) - 兼潤色
日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群
(1988年3月29日公開 アートリンクス) - 兼脚本/編集
異人たちとの夏(1988年9月15日 松竹)
北京的西瓜(1989年11月18日公開 松竹) - 兼編集
ふたり(1991年5月11日公開 松竹 原作:赤川次郎) - 兼編集
私の心はパパのもの(1992年6月13日公開 東北新社/ギャラクシーワン) - 兼編集
彼女が結婚しない理由(1992年6月13日公開 東北新社/ギャラクシーワン) - 兼編集
青春デンデケデケデケ(1992年10月31日公開 東映) - 兼編集
第16回日本アカデミー賞優秀監督賞
はるか、ノスタルジィ(1993年2月20日公開 東映) - 兼脚本/編集
第17回日本アカデミー賞優秀編集賞
水の旅人 -侍KIDS-(1993年7月17日公開 東宝) - 兼編集
第17回日本アカデミー賞優秀編集賞
女ざかり(1994年6月18日公開 松竹 原作:丸谷才一) - 兼脚本/編集
あした(1995年9月23日公開) - 兼編集
三毛猫ホームズの推理 ディレクターズカット(1998年2月14日公開 PSC、ザナドゥー) - 兼編集
SADA〜戯作・阿部定の生涯(1998年4月11日公開 松竹) - 兼撮影台本/編集
第48回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作
風の歌が聴きたい(1998年7月17日公開 ザナドゥー) - 兼脚本/編集
麗猫伝説 劇場版(1998年8月16日公開 PSC) - 兼編集/作曲
あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜(1999年7月3日公開 東映) - 兼脚本
マヌケ先生(2000年9月30日公開 PSC) - 兼原作/脚本
淀川長治物語・神戸篇 サイナラ(2000年9月30日公開 PSC)
告別(2001年7月14日公開)
なごり雪(2002年9月28日公開 大映) - 兼脚本/編集
理由(2004年12月18日公開 アスミック・エース) - 兼脚本
転校生 -さよなら あなた-(2007年6月23日公開 角川映画) - 兼脚本/潤色/編集/撮影台本
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語(2007年8月18日 角川映画) - 兼脚本
その日のまえに(2008年11月1日公開 角川映画) - 兼撮影台本
この空の花 -長岡花火物語(2012年4月7日公開) - 兼原作/脚本/撮影台本/編集
野のなななのか(2014年5月17日公開) - 兼脚本/撮影台本/編集/脚色
唐津を舞台にした新作映画「花筐(はなかたみ)」の制作記者発表会
原作は檀一雄の同名の純文学短編小説で、戦前の若者たちの群像劇。40年前にシナリオまでできていた“幻の映画”で、今回の企画を大林宣彦監督と原作者の長男の檀太郎さんが語っている。
2017年夏に公開予定、製作:唐津映画製作推進委員会/(株)PSC) 脚本:大林宣彦・桂千穂