真利子哲也監督『ディストラクション・ベイビーズ』がロカルノ国際映画祭での最優秀新進監督賞受賞に続きナント三大陸映画祭にて、準グランプリとなる「銀の気球賞」を受賞したことがわかった!
審査員による受賞へのコメント
The Silver Montgolfière has been awarded to a film of todaywhich deals with violence in the world, the addiction to videogames and of the vengeance of those who are protected by nothing. It is a film of dark poetry which reminds us of Pasolini’s Accatone as much as of the world of virtual games. We are faced with chaos, which makes us hold our breath withits toxic punches. Behind this troubling and extremely wellinterpreted film, there is a demanding and intelligent filmmaker, Tetsuya Mariko, whom we will certainly hear more about in the years to come. The film is called Destruction Babies.
銀の気球賞を受賞した「ディストラクション・ベイビーズ」は、世界中に起きているバイオレンスに向き合い、更にゲーム中毒や何にも守られぬ無力な者たちの復讐をテーマにし今を映し出す。
バーチャルゲームのような世界観は、パゾリーニの処女作「アッカトーネ」を想起させるダークポエトリーであり、我々は、そのカオスと対峙し、毒々しい殴り合いに息を飲む。
刺激的かつ非常に緻密なこの映画の裏には、答えを探し求める知的な監督、真利子哲也の姿がある。
近い未来、より広く彼の名前を聞くことになるのに違いない。
グランプリとなる気球賞は、エジプトのTamer El Saïd 監督『IN THE LAST DAYS OF THE CITY』観客賞にはKivanç SEZER監督『My Father’s Wings』スペシャルメンションにはGustavo FONTÁN監督の『EL LIMONERO REAL』がそれぞれ選ばれている。
ナント三大陸映画祭はヨーロッパで開催される映画祭の中でも日本作品とは縁が深く、またよりヨーロッパを中心とした海外にアジアの監督が名前を知らしめるきっかけとなる映画祭となっている。
これまでにも是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』(1998年)、富田克也監督の『サウダーヂ』、(2011年)今年はカンヌ映画祭で受賞した深田晃司監督『ほとりの朔子』(2013年)がここでグランプリにあたる金の気球賞を受賞している。
また、準グランプリにあたる銀の気球賞には、古厩智之の『さよならみどりちゃん』(2005年)
そして、濱口竜介監督『ハッピーアワー』は、2015年に受賞している。
『ディストラクション・ベイビーズ』には、柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎などの今注目の若手俳優がそろって出演している。