敗戦によって台湾から強制送還された日本人は、軍人・一車属を含め50万人近かったといわれる。
20万人の「湾生」と呼ばれる日本人にとって、台湾は紛れもなく大切な「故郷」だった。
しかし、敗戦という歴史の転換によって故郷から引き裂かれ、未知の祖国・日本へ戻らされた。

本作は、「湾生」たちの望郷の念をすくい取った台湾のドキュメンタリー映画。
台湾で上映された際に足を運んだ人々は、日本統治時代を知らない若者たちが多く、「湾生」たちの台湾に寄せる望郷の念に感動し、「湾生も自分たちと同じなのだ」と涙を流す観客も少なくなかったという。

画像: https://www.iwanami-hall.com/movie/湾生回家

https://www.iwanami-hall.com/movie/湾生回家

戦争の渦に巻き込まれ、生まれた土地を離れざるをえなかった「湾生」。
彼らは、自分たちの存在が歴史の闇に埋もれ、忘れ去られようとしているなか、台湾への深い思いを語り続ける。こみ上げる失望、喪失感、涙と悔恨。歳月の壁と闘いながら、家族や友人たちを、ともに過ごした場所を、心に留めるため幾度も台湾へ向かう。

身を焦がすような台湾への愛から生まれた映画「湾生回家」は、時間と空間を超えた人間同士の友情と家族の絆の物語です。
残された時間のなかで「湾生」たちが語る言葉から、台湾に対する信頼と絆、愛、希望、そして平和への願いが、私たちの心の中に静か響く作品です。

"“湾生とは”
戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を表す言葉。下関条約の締結された1895年から1945年までの50年間、台湾は日本に統治されていた。当時、日本から公務員や企業の駐在員が台湾へと海を渡り、農業従事者も移民としてその地に赴いた。そして、彼らのほとんどが敗戦後、中華民国政府の方針によって引揚者として日本本土に強制送還された。持ち出しを許されたのは、一人あたり現金1,000円(当時)とわずかな食糧、リュックサック2つ分の必需品だけだった。

画像: ドキュメンタリー映画『湾生回家』予告篇 youtu.be

ドキュメンタリー映画『湾生回家』予告篇

youtu.be

製作総指揮:チェン・シュエンルー
プロデューサー:ファン・ジェンヨウ、内藤論

監督
ホァン・ミンチェン(黄銘正)
撮影:リン・ウェンイー、チェン・ミンダー、タン・ヒョウンソン
編集:ホァン・イーリン、クオ・ユーニン

ナレーター:クー・イーチェン
声の出演:本間岐理、ヤン・ホェイルー
キャスト 富永勝、家倉多恵子、清水一也、松本洽盛、竹中信子、片山清子

2016年11月12日(土)より岩波ホールでロードショー

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