ウォルト・ディズニーとサルバドール・ダリ
信じられないコラボレーション作品『Destino』
元々この企画は、1945年後半と1946年の8ヵ月の間に、ディズニー・スタジオのアーティスト・ジョン・ヘンチとサルバドル・ダリによって最初のストーリーボードが描かれました。
ただ、この企画は、当時のディズニーの会社が戦争などで経営が不振だったこともあり途中で頓挫。
しかし、その後58年後にウォルト・ディズニー・カンパニーによって制作が再開されたのです。
それは、1999年に、「ファンタジア2000」に取り組んでいる時に、ウォルト・ディズニーの甥のロイ・E・ディズニーが休止中のプロジェクトを甦らせることを決めたことから始まりました。
そこで、ディズニー・スタジオ・フランスで、プロジェクトを完了させるために、 およそ25人のアニメーターがダリとヘンチの残された謎めいたストーリーボードをもとに制作を進め、ダリの妻だったのガラとヘンチ自身からの助言などを頼りに解読し、『Destino』を完成させました。
二人は生前この企画に対し「エンターテイメントは芸術をより目立たせます、その可能性には終りがありません。」とダリは語り、ウォルト・ディズニーは、それが「真実の愛を捜す少女についてのシンプルな話」であると言いました。
初上映は、世界的なアニメ映画祭のアヌシーで2003年6月2日に初演され、2003年のアカデミー賞アニメ部門にノミネートされました。
その後、サルバドール・ダリ展の開催されたニューヨーク近代美術館やフランスのポンピドーセンターなどでも上映され続けています。
今作品の監督を務めたのは「ターザン」「ヘラクレス」などのディズニーアニメなどにアニメーターとして参加してきたドミニク・モンフェリーです。
二人の天才がコラボした短編アニメ『Destino』