シネフィルでも初小説作品を連載中の今泉力哉監督。
現在、ENBUゼミナール主催「シネマプロジェクト」第6弾として制作の新作映画『BORE(仮)』としてプロジェクトの名前で動いていた作品のタイトルが正式に『退屈な日々にさようならを』に決定いたしました。
製作支援のクラウドファンディングを実施中です。
期待膨らむ、今泉力哉監督の新作は8月31日まで、あと3時間!
500円からの応援可能なんで、ぜひ下記サイトより応援を!!!
今泉力哉監督 メッセージ
今泉力哉と申します。
このたびENBUゼミナール・シネマプロジェクトという企画で再び長編映画をつくらせていただきます。3年ぶり2回目。まるで甲子園のようです。前回、2013年にこの企画から『サッドティー』という映画を産み出せたことは今でもしあわせな経験として憶えています。
あれから3年。私はいくつかの商業映画やTVドラマを手がけてきました。そのすべてが経験になって刺激になっているのですが、その中でも特に思い入れの強い作品が『アジェについて』です。これは2015年に私が初めて手がけた舞台で、今まで映像では照れくさくてあまり取り扱わなかった<死>と<つくりもの>についての物語でした。
誰かが死んだ事実があったとして。でもその事実を見聞きするまでは、知らない間は、知らずにいた人の中で、死者は生きていることになっているんじゃないか。そんな事実よりも大切なことがあるような、そういうことをやろうとした舞台でした。
事実なんて大したことじゃないと思う。
もっと大切なことがある気がする。
でも正直そんなものがあるのかはわからない。
今回、そのテーマでもう一度物語をつくってみようと思いました。しかも映画で。
この物語は、複雑なようでいて、それぞれがそれぞれを想い合っているだけのシンプルな話です。人が人を想う時、想いすぎる時、想いすぎて疲れてしまった時、人は間違った行動や行き過ぎた行動をとることもあるかもしれない。でも正直、正しいとか本当とかって、どうでもいい気がするのです。<当人がよかれと思ってしたことの結果>であるなら。
今作では、私の地元である福島県の実家周辺、私の宗教であるキリスト教、地元の幼なじみの営む造園業など、身の回りのすべてを総動員してつくります。
あたらしいキャストたちと一緒に映画をつくれることももちろん喜びですが、撮影の岩永洋、録音の根本飛鳥、助監督の平波亘、ヘアメイクの寺沢ルミをはじめ、「サッドティー」の時の同じメンバーで臨めるのがとても嬉しく、本当に心強いです。
正直な話、たくさんのあたらしい挑戦があり、今までで一番の珍作になるかもしれません。それでもこの映画をつくる意味があると私は信じています。
ひとりでも多くの人がこの作品を支援してくださることを心から望んでいます。多くの人を巻き込むのは本当に怖いです。私はそんなに強くないですし。でもその分の責任をしっかりと感じて、こんなご時世に映画をつくれているという幸運に感謝して、いい映画をつくりたいと思います。おもしろい映画をリターンしたいと思います。私に出来ることはそれだけですから。