デビュー作『慟哭』で脚光を浴び、『乱反射』で第63回日本推理協会賞を受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞した作家・貫井徳郎の超傑作ミステリーを石川慶監督が映画化した『愚行録』がヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式上映することが決定した。この上映がワールドプレミアとなる。

石川慶監督は、ロマン・ポランスキーを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学び、本作で長編映画監督デビューとなる。
脚本は『マイ・バック・ページ』、『聖の青春』などで注目を集めている向井康介が執筆。

主役で事件の真相に迫る週刊誌記者・田中に李相日監督作『悪人』で第34回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞した日本映画界を代表する俳優・妻夫木聡。
田中の妹・光子役に園子温監督作品『愛のむきだし』で鮮烈な印象を残し数々の映画賞を受賞、いまや海外映画祭でも評価を集める満島ひかりが演じている。

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【ストーリー】
エリートサラリーマン、その妻、そして一人の子どもが何者かによって惨殺された。
犯人不明のまま、世間を騒然とさせた一家殺人事件から一年。週刊誌の記者をしている田中(妻夫木聡)が改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始。関係者のインタビューを通してあぶり出されるのは理想的な夫婦の外見からはかけ離れた実像。
そして次第に浮かび上がってくる事件の真相とは―。

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妻夫木聡 (週刊誌の記者・田中役)
≪コメント≫
人間は愚かな生き物なのだ、ということにこんなにも真正面からぶつかった作品はなかなかありません。僕たちはこの泥沼に浸かることに決めました。追い込まれて、追い込まれて出た最後の命の一滴を最後まで見つめて頂ければ幸いです。何度も共演させて頂いていますが、その都度役に全力投球してきてくれる満島ひかりという女優が僕は大好きです。全力で受け止め全力で返していければいいなと考えています。愚かさを追求すること自体、愚かな行為だと思います。ですが、この映画に期待せずにはいられないこの想いこそ、人の業というべきものか。足を踏み入れてはいけないとわかっていつつも僕はこの作品と一緒に前進したいと思っています。

満島ひかり (田中の妹・光子役)
≪コメント≫
好んでやりたいと思う役柄ではありませんが、育った環境の中で生まれてしまった独特の愛について、存在についてを、いままでと違った風に問いかけられる予感がして、参加しようと決めました。切ないきもちが押し寄せてきて、涙してしまうこともありますが、同情なんかせずに、リラックスしてやりたいです。ほんとうの兄のように慕っている妻夫木さんがいるので、とても安心です。新しい挑戦を一緒にやれる幸せも感じます。石川監督には、ココロのままに映画を作って欲しいです。監督が嬉しくなるような芝居ができたらなぁと、誠実な姿を見ていて思っています。

その他の出演者も、注目の役者が勢ぞろい!

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小出恵介(『十字架』、『ジョーカー・ゲーム』)

臼田あさ美(『色即ぜねれいしょん』、『グッド・ストライプス』)

市川由衣(『海を感じる時』、『NANA2』)

松本若菜(『GONIN サーガ』、『無伴奏』)

中村倫也(『星ヶ丘ワンダーランド』、『日本で一番悪い奴ら』)

眞島秀和(『青~chong~』『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』)

濱田マリ(『ヒロイン失格』、『団地』)

ヴェネツィア国際映画祭に出品が決まってのコメント

貫井徳郎(原作者)
試写を観たとき、これは世界で勝負できる作品だろうと直感しました。だから今回のヴェネツィア国際映画祭への出品は、まったく驚きではありませんでした。世界でどのように評価されるのか、今はただただ楽しみです。

石川慶(監督)
いろいろな人に支えられながら、必死で撮りあげた『愚行録』が、憧れのヴェネツィア国際映画祭に選出され、その舞台で長編監督としてのスタートを切れる自分は、ほんとうに幸せ者だと思うと同時に、背筋が伸びる思いでいます。支えてくれた素晴らしいキャスト、スタッフに感謝しかありません。そして、願わくば皆の思いがベネチアの観客に届きますように。

加倉井誠人(プロデューサー)
『愚行録』がその質の高さを評価されまして先ずは海外の地で披露される事を光栄に思っております。この冒険心あふれるミステリー作品が新たなる力を蓄えまして、しっかりと日本のお客様にお届けできればと願っております。

2017年全国公開

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